俺は、男の子!! 後編
村は、木々に囲まれていて、入ってちょっとしたら迷ってしまうよ。
ふと、そんなことを言っているのを思い出した。
確かに、森の中...奥の方は、全く見えないや
んー、でもなぁ....ここで、踏みとどまったら、男じゃないよね!!
勇気を振り絞って、俺は森の中に入った。
そして、早々に迷ってしまった。
「おかーあーさん!!どこぉ!!」
くっ、くそっ、こんなことなら、行かなきゃよかった...今では、後悔している。
だって、行けると思ったんだもん!!しょうがないじゃん!!
あの、狼に師事をしてもらえば、楽できるし...
もう、しょうがない。
今更引き返しても、絶対に戻れる自信がない!
もう、清々しいくらいだ!!
「もり!!さいこー!!」
頭おかしくなってきた...
どこに行っても木ばかり....奥が見えないよ。
んっ?なんか、奥の方に変なものが見えた気が...行ってみるか!!
俺は、探検隊隊長...であります。
前方大体僕が二十人分くらいのところに、鹿を発見したであります。
一体だけか....んー、鹿は警戒心がつよいって、お父さんが言ってた。
でも、どうにかして倒さないと、僕は家に帰れないどころか、生きて帰ることすら、ままならない。
くっ、生きるって難しいぜ。
早々に、仕留めるしかなさそうだなぁ!!
俺は、こんなこともあろうかと、木を持っていた。
そう。ただの木ではない。鋭く尖った木だ。
これでどうしろってんだ!!
わからない...けど、何故かわからないが、やれる自信はある。
そう自信だけなっ!!
足を、軽やかに弾ませて、準備運動をする。案ずるな僕。村の中じゃ、一番と歌われたこの足があるじゃぁ!!ないか!!
すっと、身をふせて、なるべく音を立てないように、這うようにする。幸いにも、この付近に木や石などの邪魔になりそうなものは、ない。
接近する。
それにしても、こいつなにしていやがった?
こんなところで一匹でなにがしたいんだ?
ふと、そんなことを思った。
ある程度近づいたところで、気づく...これは..
おかしい。
でも、今は這うようにしている。
どうするべきだ) ))考えろ考えろ考えろ...
すぅ、見極めるしかないか...
そっと立ち上がる。
「これ....死体っ...」
うっ、頭痛か...なんだ...
目眩がして、そっと目をつむって、すぐに目を開けた。
そこは、さっきと変わらない場所だった。
だけど、鹿がいない!?!
「ここは、どこなんだ?」
「キミカワイイネ」
......
「俺は...」
当たりは真っ暗...
「ここは、どこなんだ!!」
「誰か助けてくれ!!」
「お母さん!!」
「誰でもいい!!助けて!!」
「こんなところで終わるのなんて
嫌だ!!」
そんな装備で、大丈夫か?




