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凍った彼の心を私が溶かしてみせるわ!

作者: 七瀬







私のクラスに、カッコイイクラスメイトの男の子がいるの。

彼はいつも一人で、誰かと居るところを見たことがない。

物静かな男の子なのよ。

私は、そんな彼に恋心を抱いていたわ。

他の女の子達も、彼の事が好きな女の子は何人かいたと思う。

でも? 彼は女性に興味がないのか?

不愛想な返事ばかりするの。

彼と仲良くなりたい友達も、彼のあんな不愛想な態度でだんだん

彼に近づく子もいなくなっていったわ。

頭もよくスポーツ万能で、何でもできる彼でも。

人付き合いは、苦手のようで、、、。





17歳の男の子が、女性に興味がないってどうなのかしら?

他のクラスメイトの男の子たちは? みんな女の子にモテたい

から必死に! 髪型や香水、女の子に積極的に話しかけたりして

頑張っているところをよく見るのに、、、。

彼には、そういうところが一つもないの。

女の子に、どう見られていても気にしていないみたいだった。





・・・そういえば?

私たちの担任の先生に彼の事を、少しだけ聞いたことがあるの!

彼の家庭環境の事、父親は朝から晩まで仕事もせずお酒ばかり

飲んでいて、彼のお母さんに暴力を振るうような父親らしいとか。

彼は、お母さんを守る為にお父さんから暴力を受けるとか。

お母さんは、ただただしゃがみ込んで泣いているだけ。

彼を助ける事はないらしいの。

彼は、何度か? 大怪我をして病院に運ばれた事もあったと。

だから、制服がボロボロになっていても買い替える事もできず。

その服をずっと着続けている。

靴も穴が開いているし、お昼ご飯も食べずに1人で居る事が多い。

その話を担任の先生から聞いても、私は彼の事が好きだった。





・・・ある日。

学校の廊下で、偶然! 彼と私がすれ違う事があったわ。

彼は、私を見ても! 何一つ顔色を変えずに私とすれ違うところだった。

私は、咄嗟に彼に話しかけてしまったのよ。


『・・・あぁ! 元気なの? 日高君。』

『・・・えぇ!?』

『ごめんね、急に話しかけたりして、私! 日高君と同じクラスの

柴田って言うの! 私の事、知ってた?』

『・・・ううん。』

『そうなんだ! 良かった、私の事なんか知らないと思ってたから!』

『中学も一緒だったから、柴田さんの事はちゃんと知ってるよ。』

『覚えてくれてたんだね!』

『・・・ううん。』





・・・少し、彼と話をしてホッとしたわ。

物腰も柔らかく、もっとつんけんした態度かと思ったから。

話してみると? 凄くちゃんと話してくれて。

私は、嬉しくなってしまったの。



ほんの少しずつだけど、、、?

彼と話す機会が増えていった。

本当は、凄く優しくて親切で優しい彼。

でも? 普段は、そんな風に見えない態度を取っている。

一匹オオカミのように、人を寄せ付けない。

それでも、私は彼の心を少しずつでもいいから溶かして

いけたらいいなと思っているのよ。

私の彼への気持ちと共に、、、。

彼の凍った心を私が溶かしてあげたい! そんな風に毎日

思うようになってしまったの、、、。





最後までお読みいただきありがとうございます。

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