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連なるもの ~菅田の事件簿~  作者: こでまり
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詳らかに 後編

「準備はいいか?」

菅田は声を張り上げた。

「こっちは準備OKよ」

チャペルの三階の窓から宇佐美が手を振る。その下、チャペルの一階のホールにいる鍋島は両腕で大きく丸を作る。

「本当にやるんですか?」

三島が肩を落として菅田に訴える。

「今回は一回だけだ。全力で走れよ」

菅田は無情にも三島の訴えを退けた。手を抜くことは許さないとばかりに睨みつける。

菅田と三島は美緒が落ちた場所に立っていた。

「いくぞ!」

菅田が三島に声をかけると諦めたのか菅田を見て頷く。

「よーい、はじめ!」

菅田が声を上げたと同時に三島はチャペルの三階の窓を見てから走り出す。

宇佐美と鍋島は次の場所へと移動しているはずだ。菅田も同じく次の場所へと移動する。

菅田、鍋島、宇佐美の三人はそれぞれスマホで撮影をしている。

そろそろか、そう思い菅田は目的の場所に立つ。

少しすると、三島が非常階段に出て来て菅田を捉えた。

階段を降りてくるのが見えた。階段を降りる音が響く。

三島は菅田に言われた通り、チャペルの三階に行き、そこから非常階段から菅田を見て、追いかけるように言われた。

非常階段に出ると予定通り下に菅田が見えた。そして非常階段を降りていく。

そのまま急いで遊歩道へと走るが、遊歩道の先には菅田は見えなかった。

「あれ?」

全力でと言われたので、チャペル内の階段を登る時も、非常階段を降りる時も全力で走った。

非常階段を降りたときに菅田はすでに見えなかったので、急いで遊歩道へ走ったが菅田を見つけることが出来なかった。

どういうことだろうかと三島は来た道を戻っていく。

「お帰り」

菅田は非常階段の下にいた。

「菅田さんどこにいたのですか?」

「ここに隠れていた」

菅田は非常階段の横にある従業員用の入り口を指さした。

「とにかく、中へ」

菅田についてチャペルのホールに移動するとそこにあった大画面に鍋島と宇佐美が映し出されていた。

菅田に座るように言われて、三島は近くの椅子に座る。

「どうでしたか。私たちの推理は」

菅田は三島の少し離れたところに座る人たちを見て言った。

宇佐美はスタートと同時に非常階段を降りてもらい、鍋島は三島が非常階段を降りて遊歩道へ走って行ったのを菅田が確認してからそこを抜け出した。

大画面に映し出されている宇佐美がいるのは本館入り口、鍋島がいるのはほんかんとは逆の遊歩道の外れ、駐車場へ向かう道だ。

菅田はチャペルにいたのは純子と直美以外にもう一人いたと推測した、その人物こそが田辺が見た不審者。

その人物が田辺に捕まらなかった理由は、非常階段を降りている途中でチャペルに残っていた島崎が匿っていたからだ。

そして、田辺が遊歩道へ走っていくのを確認してから、荷物搬入用の通路を使ってその人物を逃したと考えた。

鍋島と宇佐美が戻って来た。

チャペルのホールにいるのは島崎と美緒が恋人だと思っていた北見智司、昌紀元恋人の堀川沙由里、瀬田が一回目の詐欺事件の被害者家族の平井真衣と長谷航。

平井と長谷は美緒が怪我をした日から数日、北見と堀川は平井たちが帰った後の数日をこのホテルに宿泊していた。

「私たちがやりました。それぞれ、個々に恨みがあったからです」

北見が話し始める。

北見は婚約者を自殺に追い込んだ者、純子と直美に。堀川は昌紀に。

平井と長谷は美緒と昌紀に恨みを持っていた。四人は瀬田のホテル乗っ取り事件の裁判で再開した。そして、今回の犯行を思いついたのだ。

念入りに計画して、北見は美緒から純子と直美の情報を得て、堀川は昌紀予定を聞いていた。

四人が目的の人物に復讐を果たす手伝いをそれぞれがした。

予定外だったのは美緒が自分からチャペルの建物から落ちて怪我をしたこと。堀内が純子と直美、美緒を脅したことだと言った。

菅田はもういいですよと一言だけ告げた。

四人が帰っていく後ろ姿を見て、本当は違うのにと呟いた。

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