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悪魔のおくすり屋さん  作者: とまとまと
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番外編 人間のおくすり屋さん

ルシファーが暴走して倒されてミカルが転生する前のお話です。


転生してくるルシファーをどうすれば暴走させないようにできるのかアスタロトが考えている時に偶然、カルミアを見つけます。



カルミア18歳

隣のおばさんのお姉さん?の頃の時代です。



晴れた日の朝。



カルミアが森へ出かける用意をしていた。


「さ~て、行くか♪」



外に出るとお隣さん(隣のおばさんの若い頃)が声をかける。



「おはよう、カルミア。森へ行くのかい?」



「おはよう。…薬草取りに行ってくる。」



「気をつけてね。」



「は~い、いってきます。」






森へ入ると小さな光がいくつか寄ってきた。


小さな妖精だ。



カルミア、おはよう♪



「薬草を取りに来たの。どこにあるかわかる?」




今日はやめた方がいいわよ



「どうして?」



変なヤツがウロウロしてた…




「本当?……じゃあ今日はやめとこうかな?」



カルミアが立ち止まる。



木の影から黒い魔獣が数匹カルミアの様子を伺っていた。



「……何か、嫌な予感が……する……」



カルミアが何かの気配に気づく。

そして魔獣たちがガーベラの目の前に現れた。



「…やっぱり!」



カルミア!


逃げて!



カルミアが走る。

妖精たちもそばを飛び回る。



「あんた達は遠くへ逃げなさい!食べられちゃうわよ!」




魔獣たちがカルミアを追いかける。

木の上で座っていたアスタロトが魔獣たちの気配に気づいた。



「ん?……人間か?あと妖精もいるな。」




妖精のひとりが枝にぶつかって地上に落ちる。

カルミアが妖精を拾い上げる。


「早く、飛んで行きなさい!」



でも…


カルミアが食べられちゃうわよ!




「……私はいいから!……早く行きなさい!」



攻撃の魔法でも使えたらいいんだけどね…


カルミアは魔法使いだが使える魔力が少ない。

魔獣たちがカルミアに近づいてくる。




魔獣のエサなんて嫌だけど…


仕方ないわね…



目を閉じて諦める。




「……お前、妖精や俺が見えるのか?」



知らない声が聞こえた。

目を開けると赤い髪の悪魔が目の前にいた。



「…!!なに?…あ、悪魔?」



「やはり見えるのか。…なぜ妖精をかばう?こいつらをおとりにして逃げればいいだろ?」



「はぁ?!妖精をおとりになんか出来ないでしょ!この子たちが森を守ってるのに!」



「……?森を守る?……自分の命より妖精や森の方が大事なのか?」




「大事に決まってるじゃない!森や自然が人間を、世界を守っていくのよ!」



「………なるほど、お前は使えそうだな。」


「え?…何言ってるの?」



アスタロトの後ろにいる魔獣がカルミアに襲いかかろうとする。



「待て。これは俺の獲物だ…手を出すな。」



魔獣たちの動きがとまりその場から離れた。

カルミアが驚く。




悪魔が人間である私を助けた?

……どうして?



「これは貸しだ。必ず返してもらうぞ…」



「……私の魂をとるの?」



「そんなものいらん。……忘れるなよ。」




アスタロトが消えた。




「…何だったんだろ?」



カルミアが大急ぎで家に帰る。

アスタロトがカルミアの家の屋根に座っていた。



視える人間…

しかも人間でないものを守ろうとした。

…使えそうだな。




次の日の朝。


村人が薬を買いに来る。


「先生、いつものお願いね。」


「調子はどう?」


「お蔭さまで…」


「よかった。」



カルミアの薬はよく効くと評判だった。

村人が帰った後に小さな悪魔がやってきた。



「カルミア、けが、シた…」


「また喧嘩したの?…しょうがないわね~」



羽根を枝にひっかけちゃった~



小さな妖精もやってきた



「あんたもまたやったの…」




だって~


あっ!悪魔だ!なんであんたがいるのよ!



「ナンダ、よウセイカ、うルさイゾ!」



「喧嘩しないの!どっちの手当もしないわよ!」



カルミアがそう言うとどちらも黙った。

アスタロトが天井に浮かびながら様子を見ていた。

上を見るカルミア。


「そこで覗いてるやつ!!何の用?」



「…気づいたか。」


「当たり前でしょ!」



カルミアが妖精と悪魔の手当をする。


「これでよし、気をつけるのよ。」




「アりガトう…」


ありがとうね、カルミア♪



どちらも帰って行った。





「…人間が悪魔や妖精の手当か?…変なやつだな。」



カルミアがアスタロトをじっと見る。


「…悪魔なのに人間を助けるのも変でしょ?」


「たしかにな。」


アスタロトが無表情のまま言う。

その日からアスタロトがカルミアの家をウロウロするようになった。




「…また、きたの?」


「気にするな…」



カルミアがクッキーが入った袋を持って言う。


「差し入れだけど…食べる?」


「悪魔に食事は必要ない。」



「…でも食べれるでしょ?美味しいわよ。」


カルミアが笑顔で言う。



「いらん。…………なんだ?」


カルミアがクッキーを手に持ってニヤニヤする。


「ほら、アーン…」



「…何してる?いらんと言って……!」


カルミアがアスタロトの口に無理やりクッキーを入れる。



「美味しでしょ?お隣さん、お菓子作り上手いのよ。」



「…………あまい…」


アスタロトが仕方なく食べる。

カルミアが笑う。





カルミアが薬の調合をしている。



「…お前は魔法使いなのだろう?…なぜあの獣を魔法で攻撃しなかったんだ?」



「………そう、思うわよね……」


カルミアの顔がくもる。


「…?」



「私ね、、落ちこぼれの魔法使いなの…父親はすごい魔法使いなんだけどね。私には使える魔力が少ないのよ…」




「それであの獣を退治できなかったわけか…」


「そういう事。薬の調合くらいしかできないの…だから薬屋をしてるのよ。」



「…?なぜ暗い顔をする?…すごい魔法使いとやらになりたかったのか?」



「……あんたさぁ~もうちょっと言い方あるでしょ?」


カルミアがふくれる。




「…なんの事だ?」


「もう、いいわ!本当にデリカシーのない男ね。」



「…?…人間はよくわからんな……。すごい魔法使いになれなくてもお前にしかできない事もあるだろ?…何を悔やむことがある?」




カルミアが驚く。


「…そうね、たしかに…。私にしか出来ないこともあるわね…」



「……?」



「…ありがとう。」



「思ったことを言っただけだ。…礼を言われることはしてないぞ?」



「いいの!…そういえば、あなた名前は?私はカルミア。」



「アスタロト。」



「そう、アスタロト。…これからもよろしくね。」


カルミアがニヤリと笑う。



「……貸しの事、忘れるなよ。」


「はいはい、分かりましたよ~」


カルミアが微笑む。







「……ねぇ、アスタロト!」



アスタロトの目の前にガーベラがいた。



「聞いてる?」


「……何の話だ?」


「もう!やっぱり聞いてない!」


ガーベラが頬を膨らませる。



「どうした?…考え事か?」


ミカルが不思議そうにアスタロトを見る。




「だーかーら!…カルミアのお墓参りに行くけどどうするの?」



「カルミアの…」



「そう、カルミアの墓参り。…行くだろ?」



「……そうだな。……たまには口うるさい女に会いに行ってやるか…」



アスタロトがつぶやく。

ミカルが微笑む。





「さぁ、行くわよ~♪」



ガーベラがミカルとアスタロトの手を引いて歩く。





おわり。




これにて

「悪魔のおくすり屋さん」

本当に最後です。


ここまで読んでくださった方々ありがとうございました。


また別の作品でお会いできれば幸いです。




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