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悪魔のおくすり屋さん  作者: とまとまと
15/16

最終話 新しい時間

いつもの朝。


ガーベラが妖精の国へ帰って、ひと月ほど経っていた…


朝食を食べて、ニワトリ小屋の掃除、薬の調合…


村人が薬を買いに来る、



「…先生、お薬下さい。」


「…調子はどうですか?」


「先生のおかげですよ。助かります。」


「…それは、よかった。」




村人が帰っていく。

アスタロトはいつも通り天井でフワフワ浮かんでいた。


「……そういえば、魔王(アイツ)にぼくの事、報告したの?」


「行ってきたぞ。」


「それなら、もう監視する必要も…」


魔界(あっち)は退屈だからな…」


「なるほど。」



ミカルが笑う。

アスタロトは無表情のままだ。


「…薬屋(ここ)はいつまで続けるんだ?」


「うーん、…それなんだよね。いつまで続けようかな?」



ガーベラが帰ってきて…

そのまま続けるかそれとも…




コンコン


「先生、昨日から腰が痛くて…」


「すぐに用意しますね…」



ミカルが薬を用意して村人に手渡そうとした時…



「あれ?先生、…その子は?」


「……え?」


ミカルが振り返ると



「…今日からこのくすりやの看板娘よ♪」



ガーベラがいた。


「…ガーベラ?!」



ミカルと村人が驚く。


「…看板娘?」


ガーベラが村人に話しかける。


「えっと、、1人で…たび?してきて、たん…だけど…この……むらが、気に入ったから…ここに、すむことにしたの♪」


「…そうかい、お嬢さんこの村が気に入ってくれたんだね。」


「そうよ♪」



「……………。」



ミカルが唖然とする…

村の人にガーベラが見えてる。

…苦しい言い訳してるし…



「先生、ありがとうね」


村人が帰っていく。

ガーベラが振り返る。


「帰ってきたわよ♪」


「…おかえり、ガーベラ。」


ミカルがガーベラを抱きしめる。


「…ただいま、ミカル。」



「……1人で旅って、」


ミカルが笑う。


「…父さまが人間が突然、増えると不審がられるからそう言ったほうがいいって…」



ガーベラの体が少し透ける。


「…あ……まだ慣れないわね。ヒトに化けるの」


「…ヒトに化けなくてもいいのに。」



「ここにいるならそうした方がいいでしょ♪」


そう言うとソファに向かって歩き始めてコケた。



びたーん!



「いったーい!!」




ガーベラが額をぶつける。

……何も無いのに、コケた。

しかも額ぶつけてるし…

ミカルが笑う。



「まだ、歩くのに慣れてないだけよ!」


「……はいはい。」


「何よ~。その諦めたような顔!」


ガーベラがふてくされる。



「…慣れていない以外にも理由はあるだろ?」


アスタロトが言う。


「なによ~!アスタロトまでいうの!………あっ、ただいま、アスタロト。」



「…ずいぶん早かったな。」




「ぶつけたところに薬塗ろうか?」


ミカルが額に薬を塗る。

ガーベラの頬が少し赤くなる。


…ん?

頬が赤くなってる…

ガーベラがそんな顔するなんてめずらしいな。



「…はい、終わったよ。」



バタンっ!


「先生んとこに女の子がいるって聞いたんだけど?」


隣のおばさんがやってきた。



「いるわよ~♪」


ガーベラが笑顔で手を上げる。


「…!……あんたは!」


隣のおばさんが驚いた顔をする。



「…どうしたの?」


「…いや、知ってる子に見えて…。やだね、全然、顔が違うのに…」


ガーベラが笑顔でおばさんの前に立つ。


「私はガーベラよ。よろしくね♪」


「そうかい。こちらこそよろしくね。」


おばさんも笑顔で言う。


「…先生、可愛い子じゃない。やるねぇ~」



「ねぇねぇ、この村に洋服売ってる店あるの?」


ガーベラがおばさんに話しかける。


「あるよ。髪飾りやお菓子も売ってるよ。」


「ほんと♪」


ガーベラが笑顔でミカルを見る。


「…後で行く?」


「うん♪」


おばさんが2人を見て微笑む。


「よかったね、先生。」


「…はい。」


ミカルが微笑む。



お昼を食べてからガーベラが外に出る。


「はやく~♪」


「…はいはい。」


ガーベラがミカルの手を引いて歩く。



隣のおばさんが村の市場に向かう2人を見ていた。


「……不思議だね…。全然、違うのにアネモネに見えたよ。……でもよかったね、ミカル。…カルミアも喜ぶよ。」



おばさんが微笑む。







市場には果物や野菜、雑貨などいろいろな物が売っている。



「これが、市場ね。面白そう♪」


「欲しいものあったら言ってね。」


「うん♪」



果物屋さんのおばさんが2人に気づく。



「あら?先生…その子が噂の子ね。」


「ガーベラって言うの。よろしくね。」


「そう、…可愛いねぇ~。りんご食べる?」


「ありがとう。」


ガーベラが果物屋さんからリンゴを貰う。


「ありがとうございます。」


「…いいのよ。若い子が増えると嬉しいねぇ。」



雑貨のおばさんが声をかける。


「…髪飾りはどう?お嬢さん。」


「どれどれ?」



ガーベラが店の物を見る。



「…これ、綺麗♪」


ガーベラが花の髪飾りを手に取る。



「欲しいの?……これ下さい。」


ミカルがお金を払う。


「…ありがとうね、先生。」




「付けてあげるよ。」


ミカルが買ったばかりの髪飾りをガーベラの髪につける。



「…ありがとう。似合う?」


「うん、似合ってるよ。」


ミカルが微笑む。






アスタロトが2人の様子を遠くから眺める。


「まさか、ルシファーがあんな顔するなんてね~♪」


髪の長い女の悪魔がアスタロトの肩に手をのせる。


「…なんだ、お前か。……何の用だ?」


「久々に会ったのに愛想がないわね~」


「…何の用だ?」


アスタロトがめんどくさそうにため息をつく。



「ルシファーが完全に目覚めったって聞いたから様子を見に来たの♪……昔みたいに皆で集まろうかと思ったけど…」



「…今は無理だろうな。」



「そうみたいね♪………まさか、あのルシファーがねぇ~」



女の悪魔がミカルをじっと見る。



「…しかも、妖精王の娘でしょ?」



「何が起こるか分からんな…」


「…あんたの秘策が上手くいったってことでしょう?…あの様子じゃ暴走しそうにないんじゃない?」


女の悪魔がニヤリと笑う。



「…そうだな。」



「で?あんたはどうする?…他の奴らも待ってるわよ♪」



「…俺も、まだこっちにいる事にした。」


「そう、…本当に仲良しね、あんた達♪…いつでも待ってるからね♪」


女の悪魔がアスタロトの頬にキスをして消えた。



「……暇なヤツだな。」








ミカルとガーベラは家に向かって歩いていた。


「…楽しかった♪」


「そう、よかった。…いっぱい歩いたね、大丈夫?」



「うん、大丈夫よ…」



ずっと飛んでたからこんなに歩いたの初めて。

さすがに疲れたわね…

ガーベラがため息をつく。

ミカルが横目でガーベラを見る。



「本当に……大丈夫?」



「うん、だいじょ…!!」



ミカルがガーベラを抱える。


「……顔が疲れてるよ。」


ミカルが微笑む。


「…バレた?」


ガーベラが言う。






その様子を空から見る妖精王と女王。



「…まさか、悪魔にとられるとは…」


妖精王がため息をつく。


「そうねぇ~。でもあの子が幸せならいいんじゃない?」


「…そうだね♪」


そう言うと2人の姿が消える。










「……そういえば、、ミカルって誰がつけたの?」


「カルミアっていう人間だよ。…ぼくの育ての親。」


「そうなんだ…」





……カルミア。


今なら分かるよ、人間が怒ったり、笑ったりする理由が…


おかげで大切な人を見つけることが出来た。


ありがとう、カルミア。






「…明日から、ニワトリの世話をお願いするね。」


ミカルが微笑む。


「ん?……あの子たちね…」


ガーベラが焦る…


「3匹とも楽しみに待ってたんだよ。」


「……仕方ないわね~」


ガーベラがため息をつきながら微笑む。




次の日の朝。



庭でガーベラがニワトリに追いかけられていた。


「ちょっとは、手加減してよ~」



ニワトリたちは目を光らせてガーベラを追いかける。

ミカルがその様子を家の中から見る。


「…楽しそうだな。」



アスタロトは屋根に座って見ていた。


「…よくやるな。」


アスタロトが無表情のまま言う。




これからミカルとガーベラの新しい時間が流れていく…




そして2人の物語が始まる…








おわり。





最後まで読んでいただきありがとうございます。

人生、初めての小説で何とか終わらせる事が出来たのは読んでくださった方々のおかげです。

拙い文章ながらも読んでくださった心の優しい方々に感謝、感謝です。


ハッピーエンドで終わりましたが

ミカルとガーベラ、2人の物語は始まったばかり…2人の行く道に祝福あれと願います。

作者としてはアスタロトがお気に入りでした(笑)常に無表情なのがツボでした。

悪魔や妖精、本当にいるなら会いたいなぁと考えますね。


番外編でカルミアの物語を次回、投稿します。

よろしければお付き合い頂けるとありがたいです。


本当にありがとうございました。



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