第三話 転校生の引っ越し
一話あたりの文章を長くしてみました。
話数を増やすのを防ぐためです。
斉朝君は,それから自由気ままな日々を過ごしていた。
何を話しかけても気軽に返してくれた。
そんな斉朝君になってくれてよかったと思っていた。
でもそんな事も束の間であった。
「明日,斉朝君が転校するんだって。」
その言葉を聞いた瞬間一瞬心臓が止まったような感じがした。
斉朝君が転校する?ーそんなことありえない。
彼は頑張っている顔を私や同じクラスメイトに向けていた。
そんな斉朝君が転校する?
信じられなかった。そんなことありえない。
私は斉朝君の家へ向かった。
・・・
いない。家にはいない。
あまり良いことではないが,ガスメーターや電気メーターを覗いてみた。
動いてない。
玄関のドアノブに転出の紙がぶら下がっている。
どこへ行ったのだろう。
私は必死に探した。
学校,友達の家,駅...。
どこにもいない。
どこへ行ったのだろう。
すると,ある人影がこちらに走ってくるのが見えた。
半袖で半パンツ。
まさか,あれは・・・。
そう,斉朝君だったのだ。
やっと会えた
斉朝君に会えたのだ。
私はそのことに胸がいっぱいだった。
さっそく斉朝君にたずねてみる。
「どこに行ってたの?」
ー「引越し先。」
やっぱり引っ越しをするんだ。
「その引越先ってどこ」
ー「遠いところ」
「その遠い所まで連れて行って」
ー「できない」
「なんで」
ー「無理だから。」
「連れて行ってよ!」
私は自分の発した言葉に信じられなかった。
自分から引越し先に行こうとしてたのだ。
「ごめん。声張り上げて。」
ー「いいよ」
そして,私達は何も言わずに帰路へと進むのであった。
To be continue...