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百物語  作者: 八田ミノル
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人口中絶

人工中絶ってしってる?お腹の中にいる赤ちゃんを取り出しちゃうの。

もちろん殺して。

これはね、そんなあるお母さんの話なの。



そのお母さんはね、とても綺麗だったの。いっつもみんなにちやほやされて本人もそんな生活が大好きだった。

そしていつの日か結婚もしたの。最初のうちは本人も幸せだったけどある日それが一変した。

そのお母さんに赤ちゃんができたの。本当ならとてもうれしいことなんだけど彼女にとっては災難以外の何者でもなかった。

その人は赤ちゃんが大嫌いだったの。うるさいしオムツもかえなきゃいけないしとにかく嫌だったんだって。

だからしたんだって、人工中絶。

彼女はすぐに実行した。本当は理由が無いとできないんだけどお金をわたして無理矢理させたの。彼女にとってはできものをとるような感覚だったらしい。

でもおかしいと思わない?だって自分の勝手で作っておきながら勝手に殺すんだもん。

でも彼女は気にもとめず健康に退院して行った。



それから五年たったある日。

ジリリリリ、ジリリリリ。

そのお母さんの家に電話がかかってきた。

「もしもし?」

[もしもしアタシはカワイイ女の子。今留田病院の前にいるの]

そういって電話はきれた。

そのお母さんはイタズラと思ってすぐに忘れようとした。でもね。

ジリリリリ、ジリリリリ。

また電話がかかってきたの。

「もしもし?」

[もしもしあたしはカワイイ女の子。今郵便局の前にいるの]

そういってまた電話はきれた。

さすがに不気味になってきた。

だってあの話にあまりにも似ていたんだもの。けどそれ以上は考えないことにした。

あんまり考えすぎると現実になりそうな気がして。でも……。

ジリリリリ、ジリリリリ。

そんなお母さんを笑うようにまた電話がかかってきた。

「……もしもし?」

[もしもしあたしはカワイイ女の子今玄関の前にい]

ガチャン!!!

思わず受話器を叩きつけた。

もうここまでくれば嫌でもわかるよね?

メリーさんの電話。

引っ越すときに捨てた人形から自分が今どこにいるかの電話がかかってきてそれがどんどん近づいてくる。そして最後には『今あなたのうしろにいるの』と言って終わる。その続きは無いけれどその子が幸せにはなれなかったのはたしかよね。でもお母さんは人形を捨てた憶えはなかった。少なくとも彼女の知るかぎりでは。

ジリリリリ、ジリリリリ。

考えているうちに最後の電話がかかってきた。

「……もしもし?」

[もしもしあたしは]

「ねえあなた間違えてない?あたしはあなたを捨てた憶えはないわよ?!」

「……本気でそういってるの?」

冷や汗が出てきた。それはもう受話器ごしの声じゃない。間違いのない肉声。それもお母さんの後ろから。

「五年前。あなたがアタシを捨てたのよ?」

振り返ってはいけない。そう思ったんでしょうね。お母さんはピクリとも動かない。

でもね。最後には振り返っちゃったの。

「あなたのせいでホラ」

そしてその顔にはすぐに後悔と恐怖に埋め尽くされていったわ。

「コンナニグチャグチャニナッチャッタ」



その夜帰ってきたお父さんは気絶しちゃった。

だってそこにはお母さんだった物が散らかっていたんだから。



え?それなら何であたしがこの話を知ってるのかって?

それはね、アタシはカワイイ……。

というわけで百物語第一話でした。こんな駄文を最後まで見ていただき本当にありがとうございました。とりあえずこんな調子で進ませるつもりです。そしてあらすじに書いていたように最悪これが事実上の百話目になることも大いにありえますのでその時は本当にスミマセン。最後にもう一度この小説を見てくださった皆様に最上級の感謝を込めて。ありがとうございました!。

それでは、サヨナラ、サヨナラ。

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