表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

メンバー

「で?こいつらは誰なんだよ」


放課後、学校近くのハンバーガー店で集まって、私が集めたメンバーの顔合わせをすることにした。

すると、キラリちゃんが私の集めた2人について聞いて来たので、私から説明する。


「この子は隣のクラスの大橋優羽おおはしゆうちゃん。2つ返事でオーケーしてくれたんだよ?どこかの誰かさんと違ってね」

「ど、どうも…」


彼女は私が隣のクラスの前を通った時、たまたま近くを通って目が合ったから声をかけてみた。

そしたらすぐに首を縦に振ってくれて、見事に一人目ゲットに成功したんだよね。

背が低く、全体的にちっこくて可愛らしい。

あと、ちょっとオドオドしてるのも小動物っぽさがあっていいね。


「そして、もう一人が西寺叶多にしじかなたちゃん。ユウちゃんと同じクラスの子で、1人寂しそうにしてたところに声を掛けてみたの。そしたら冒険者やってくれるらしくてね。いやーすぐに2人見つかってよかったよ」

「よろしくお願いします。西寺叶多です」


叶多ちゃんはとてもいい子だ。

私とも話が合うし、礼儀正しいし、聞き上手。

そしてデカい。何とは言わないけどデカい。

同性の私でも触ってみたいと思っちゃって、目が離せなくなるくらいにはデカい。


…まあそんな話はさておき、次はキラリちゃんの番だね。

私は2人に向かって、キラリちゃんの紹介をする。


「この子は細川輝良理ちゃん。私と同じクラスの子で、見ての通り不良だよ。でも殴ったりしてこないから安心して。私が保証するよ」

「何回もぶん殴ってやろうとは思ったがな」

「でも殴らなかった。キラリちゃんの事、私は信じてるよ」

「そりゃどうも」


キラリちゃんは本心からそうおもってなさそうに、溜息交じりにそういった。

もう、ツンデレなんだから~。


「言っておくが、私は認めたわけじゃないからな?コイツの勝負に負けただけだ」

「『コイツ』じゃなくてミライね?」

「……コイツは広田未来。バカみたいに明るくて、前向きで、今のところそれ以外に取り得がない奴」

「ちょっと!私の紹介を勝手にしないでよ!」

「おま――ミライだって私の紹介勝手にやっただろ。黙って聞いてろ」

「むぅ…」


キラリちゃんの理屈は分かる。

…仕方ない、先にやったのは私だし、我慢しますか。


「悪いところは頑固、ストーカー、バカ、思慮が浅いってところだな」

「貶しすぎじゃない」

「実際バカで頑固でストーカーで思慮が浅いだろ?」

「どのあたりが?」

「入学して初日で喧嘩騒ぎ一歩手前まで不良を追いかけるバカさと頑固さとストーカー。そして、その理由が冒険者を一緒にやりたいからとかいう思慮の浅さ」

「ぐぅ…」

「物理的にぐうの音を出さなくていいんだよ。漫才かよ」

「私がボケでキラリちゃんがツッコミだね」

「2秒で解散だな」

「ひっど~い」


まだ出会って間もなく、イベントもなかった2人に私とキラリちゃんの仲のよさを見せつける。

キラリちゃん、やっぱりツンデレだから口ではいろいろ言いつつ私に心を許してくれてるんだよねぇ~。


「…まあ、そんな下らない話はさておき」

「え!?下らない話!?」

「大橋と西寺だっけ?あんたらやれるの?」


キラリちゃんは私との漫才を下らないとばっさり切り捨て、2人に話しかける。

それも、真剣な眼差しで。


「ミライの頑固さと強引さにやられて首を縦に振ったらな、クーリングオフは今だぞ?今なら私も、『こいつらは仲間じゃない』で言い逃れできるからな」

「え?ひど……私とは遊びだったのね!!?」

「うるせぇ。こっちは真面目な話をしてんだ、邪魔すんな」

「はい…」


キラリちゃんに冗談や遊び半分でも何でもなく、普通に怒られた。

真面目に、ねぇ?

冒険者をやる覚悟がるのかを聞いてるんだろうけど……ん?

ユウちゃんの様子がおかしいような…


「…もう一回言うぞ。やめるって言うなら今だ。流されただけの奴はいらない」

「……グスン」

「はっ?」

「え?ユウちゃん泣いてる?」


突然泣き出してしまったユウちゃん。

これにはキラリちゃんも困った顔をして、私に助けを求めてきた。


仕方ない、一肌脱いであげますか。


「大丈夫だよ。キラリちゃんは別に怒ってないからね」


私はすぐにユウちゃんに抱き着き、優しく励ましてあげる。

ポロポロ涙を流し、嗚咽と鼻をすする音を鳴らすユウちゃんを見て、泣かせる気はなかったキラリちゃんは居心地が悪そうだ。

それからしばらく時間をかけてユウちゃんを慰め、なんとか涙は収まった。


私はキラリちゃんに視線を送って確認を取った上で、ユウちゃんに質問する。


「どう?ユウちゃんは冒険者やれそう?」

「……コクッ」


ユウちゃんは首を縦に振った。

つまりやってくれるってことだ。


「そうか…西寺はどうなんだ?」

「カナタでいいよ~。私はミライちゃんとやるよ、冒険者」

「……そうか」


カナタちゃんもやるらしい。

それを聞いて、キラリちゃんは頭を抱えた。


「……わかったよ。やれば良いんだろ、やれば」

「ホントに!?ありがとう!キラリちゃん大好き!!」

「おい!?抱きつくな!」


ようやく観念して、私と一緒に冒険者をやってくれることになったキラリちゃん。

コレでメンバーは揃った。


なら、次にやる事は1つだ。


「じゃあ、親睦を深めるために遊びに行こうよ!!」

「結局それがしたいだけだろ…」


私はみんなを連れて近くのカラオケに向かう。

高校に入学して初日にできた友達と、楽しく歌を歌う。

やっぱりすごく楽しくて、最高の思い出になった。


「はぁ〜!楽しかった!」

「もうこんな時間か…青春だな」

「すごく…楽しかった…」

「最高だったよ!ミライちゃん歌上手いね!」

「え〜?あんなの普通だよ〜。もっと上手い人はたくさん居るよ」


親睦会は大成功。

これで少しでも絆が深まったのなら嬉しい。

少なくとも私は、すっごく楽しいと思えた。

それってみんなと居ることは楽しいってことだからね。

だから、私からの矢印は大きくなってる。


…まあ、私の話は一旦置いておくとして。


「…じゃあ、ここでバイバイだね」


私は電車を使うみんなと違って、歩いて移動できる距離に家がある。

だからここでお別れだ。


「ミライちゃんは一人暮らしなんだよね?いいなぁ〜、誰にもガミガミ言われないんでしょ?」

「まあね〜。でも、1人は楽じゃないよ?」

「うっ…そうだよね〜」

「ミライが一人暮らしとか想像できないんだが?」

「失礼な!私はちゃんと出来てるよ!独り暮らし!」

「……コクッ」

「それどういう反応?まあ、悪い気はしないから、馬鹿にされてはないってわかるけど。……ゴホン!とりあえず、みんな次に自分が何しなきゃいけないかわかってるよね?親の許可取り。頑張ってね!」


高校生が冒険者をやるには親の許可が必要だ。

私はすぐに取れるとして、みんなはどうか分からない。

これで親の許可が貰えなくて、参加できない…なんてなったら寂しいからね。

まあ、許可を貰えることを祈るしかないね。


「私は多分貰えるが…どうだ?」

「………大丈夫」

「私もやれると思うよ〜。だから安心してね〜、ミライちゃん」


みんな予想では許可は取れそうらしい。

なら、それを信じてみよう。

私たちは冒険者をやれる。


「じゃあ、明日みんなで学校の許可証を取りに行こう!そして、親からサインを貰って、いざ冒険者!」

「おー!」

「えと……おー…?」

「…はぁ」


私とカナタちゃんは空に拳を突き上げ、ユウちゃんもそれを真似てゆっくり拳を突き上げた。

キラリちゃんは呆れた様子で見てるだけだ。

らしいと言えばらしいよね。





今日はここで解散になり、翌日宣言通りみんなで学校の許可証を取りに行った。

そして家に帰ってきて親からサインを貰って、高校生活が始まって3日目。


「やって来ました!ダンジョン〜!」


私たちはついに、ダンジョンに足を踏み入れた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ