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第4話「最初の仲間の危機と嘘の芽」

森を抜けた三人は、小さな村にたどり着いた。日差しが柔らかく降り注ぎ、木漏れ日が土の道を照らす。桐生は手の中の紙片を握りしめながら、慎重に周囲を見回す。


「……ここで少し情報を集めよう」桐生はつぶやいた。


葵は静かに頷く。銀色の髪が朝の光に淡く輝き、淡青の瞳は周囲を鋭く観察していた。凪は元気に辺りを駆け回る。オレンジ色の髪が風になびき、エメラルドグリーンの瞳が好奇心で輝く。


「ねぇ、桐生くん。あの地図の場所、もう少し詳しく教えてくれる?」凪は無邪気に聞く。


桐生は一瞬迷った。紙片には、村人に知られてはいけない情報が記されていた。

――ここで全部話せば、仲間を危険に巻き込むかもしれない。


「えっと……大したことじゃない。ただ、近くに古い洞窟があって、少し危険かも……」

桐生は少しぼかして言った。

本当は洞窟の内部には、不可逆の事件に繋がる秘密があるのだが、それを隠すことで仲間の不安を少しでも和らげたかった。


凪は元気に頷く。

「ふーん、じゃあ気をつけるね!でも怖くないよ!」


葵は静かに桐生を見た。

「……あなた、全部話していないわね」

桐生は一瞬目を逸らす。

「うん……今は、まだ言えないんだ」


その瞬間、村の外れで小さな悲鳴が響いた。桐生たちは咄嗟に駆けつけると、子供が茂みに絡まった蔓に足を取られていた。


「大丈夫!」凪が飛び込み、桐生と葵も手を貸す。三人の協力で無事に子供を助け出す。


「危なかったね……ありがとう」子供は涙目で桐生たちを見上げる。


桐生は地図を握りながら、自分の嘘が小さな問題を生まなくて済んだことに胸をなで下ろした。しかしその裏で、紙片の秘密が彼らの未来に大きな影を落とすことになることを、まだ誰も知らない。


森を抜けた先にある湖では、水面に太陽の光がきらめき、凪が嬉しそうに水を跳ね上げる。

「ねぇ、桐生くん、あの洞窟って、泳ぎながら行けるのかな?」


桐生は苦笑しながら首を振る。

「……無理だと思う。でも、今度来るときは安全に入れる方法を考えよう」


葵は淡青の瞳で二人を見つめる。

「楽しいひとときも、いつか終わりが来るわね……でも、そのときまで笑顔でいましょう」


桐生は小さく頷く。

――善意の嘘は、小さな守りにはなる。でも、この先の大きな選択に比べれば、まだほんの序章に過ぎない。


湖面に反射する朝日の中、三人の笑顔と影が揺れる。

そして、見えないところで、黒い影が森の奥からじっと彼らを見つめていた。


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