第21話「涙と覚悟の最終選択」
洞窟最深部、光る古代文字が闇を裂き、三人の影を長く伸ばす。
父の秘密と鷹宮の試練が、いままさに彼らの前に立ちはだかる。
桐生は巻物を胸に抱き、凪と葵の手を握り返す。
「……これが、最後の選択だ」
凪は涙を浮かべながらも、強く頷く。
「うん、怖いけど……桐生くんと一緒なら大丈夫!」
オレンジ色の髪が光に揺れ、決意と不安が混ざった表情を見せる。
葵は淡青の瞳を輝かせ、桐生を信じる目で見つめる。
「……私も、あなたを信じるわ」
前方には二つの道がある。
一方は安全だが父の秘密には届かない。
もう一方は危険だが、父の遺志を継ぐ鍵が隠されている。
桐生は深く息をつき、心の中で決める。
――善意の嘘も、選択の代償も、仲間との絆も、この瞬間のためにあった。
「……俺たちは危険な方を行く。みんな、一緒だ!」
凪は桐生にしがみつき、涙を流しながら微笑む。
「桐生くん……ずっと信じてる!」
葵も淡青の瞳を潤ませ、桐生に手を重ねる。
「……あなたを信じてよかった」
三人は手を取り合い、危険な通路に踏み出す。
岩が崩れ、光が揺れる中、洞窟は彼らの勇気と信頼を試す。
進むごとに、心の中に積み重なった選択と犠牲、善意と覚悟が鮮明に蘇る。
桐生は巻物を握り、決意を胸に刻む。
「……これが、俺たちの力だ。善意も選択も、すべて仲間と共に生きている」
凪は涙をぬぐい、笑顔を作る。
「桐生くん……私、もっと強くなれた気がする!」
葵も淡青の瞳で二人を見つめ、静かに頷く。
「……私たちは、乗り越えたわ」
洞窟の奥、光と影が揺れる中、鷹宮の影は微かに揺れた。
――しかし、三人の絆と覚悟は、試練を超え、確かな力となった。
桐生は巻物を胸に抱き、静かに笑う。
「父さん……俺たちは、あなたの願いを守る。これからも、ずっと一緒だ」
凪と葵も笑顔で頷く。
――涙と覚悟の最終選択が、三人の絆を永遠に結びつけた瞬間だった。
洞窟の奥、微かに光る文字が静かに消える。
――試練は終わり、父の秘密は彼らの手で受け継がれた。
三人の影が重なり合い、洞窟を抜ける光が、未来への希望を照らす。




