第19話「最終試練の始まりと仲間の覚悟」
洞窟の最深部で父の秘密を知った桐生たち。
しかし、安心のひとときは長く続かない。
鷹宮がゆっくりと影から現れ、赤茶色の瞳で三人を見下ろす。
「父の秘密に触れた者には、最後の試練が待っている」
その声に、洞窟の壁が微かに振動する。
桐生は巻物を握り直し、凪と葵の手を取る。
「……俺たちは、一緒に進む。どんな試練でも、絶対に守る!」
凪は目に涙を浮かべながらも頷く。
「うん!怖いけど、桐生くんと一緒なら大丈夫!」
オレンジ色の髪が揺れ、決意と勇気がにじむ。
葵は淡青の瞳で桐生を見つめる。
「……私も信じるわ、桐生くん。どんな困難でも、乗り越える」
鷹宮は冷笑し、手を掲げる。
「では、試練の内容を示そう――この洞窟内で、君たちは二つの極限の選択を迫られる。恐怖と欲望、信頼と裏切り、どちらを選ぶかで未来は変わる」
洞窟内の光が変化し、二つの通路が浮かび上がる。
一方は、父の秘密に直接関わる危険な通路。
もう一方は、安全だが何も得られない通路。
桐生は巻物を握り、凪と葵の手を握る。
――これまでの試練、善意の嘘、選択の代償すべてが、この瞬間につながっている。
「危険でも、手がかりのある方に進もう」桐生は静かに決意を告げる。
凪は震えながらも桐生を見つめ、涙を浮かべる。
「……うん!絶対一緒に行く!」
葵は淡青の瞳で頷き、桐生を信じる決意を示す。
「……私も。どんな試練でも、仲間と一緒なら乗り越えられる」
三人は手を取り合い、危険な通路へと踏み出す。
岩が崩れかけ、洞窟内に不気味な振動が響く。
だが、互いの信頼と絆が、恐怖を上回る力を生む。
鷹宮は遠くから微笑む。
――これが、父の残した最後の試練。
そして三人の絆と勇気が、これまでの冒険のすべてを試す瞬間でもある。
桐生は巻物を胸に抱き、決意を固める。
――善意の嘘、選択の代償、仲間との信頼、すべてを背負い、最後まで進む。
洞窟の奥、光と影が揺れ動き、最終試練の幕が静かに開いた。




