第17話「鷹宮の試練と仲間の極限絆」
洞窟最深部、三人の前に立つ鷹宮。黒髪が暗闇に溶け、赤茶色の瞳が冷たく光る。
「君たちが父の秘密に触れた以上、試練は避けられない――覚悟はあるか?」
桐生は巻物を握り、凪と葵の手を強く握る。
「もちろんだ。俺たちは一緒に進む!」
凪は震えながらも目を輝かせる。
「うん、私も絶対離れない!」
オレンジ色の髪が光に映え、勇気がにじみ出る。
葵は淡青の瞳を鋭く光らせる。
「桐生くん、私たちは信じているわ。どんな試練でも乗り越えられる」
鷹宮は冷笑し、手を掲げる。
「では、最初の試練だ――恐怖と欲望、どちらを選ぶか、君たちの絆が試される」
洞窟内の光が急に変化し、広間の奥に二つの通路が浮かび上がる。
一方は安全そうだが、宝が何もない通路。
もう一方は危険だが、父の秘密に関わる手がかりが隠されている通路。
桐生は巻物を握りしめ、考える。
――善意の嘘で守った過去の選択も、今回の試練で意味を持つ。
凪は少し戸惑うが、桐生の手を握り返す。
「桐生くん、どっちに行く?」
葵は淡青の瞳を光らせ、慎重に答える。
「危険でも、手がかりのある方よ。私たちは逃げない」
桐生は深く息をつき、決断する。
「……俺も、危険な方を選ぶ。みんな、一緒に進もう」
三人は互いの手を握り、危険な通路へ踏み出す。
通路の床が崩れかけ、岩が落ちる音が洞窟内に響く。
凪は桐生にしがみつき、葵も支える。
「大丈夫、絶対守る!」桐生の声に、二人は小さく頷く。
鷹宮は遠くから微笑む。
――この試練は、三人の絆を完全に試すものだった。
恐怖の中で信頼を貫けるか、互いを信じられるか。
岩が落ちる危険を乗り越えた瞬間、三人は深く息をつき、互いに視線を交わす。
――恐怖を共有し、助け合った経験が、三人の絆をさらに強くした。
桐生は巻物を胸に抱き、静かに言う。
「……これが、俺たちの力だ。善意の嘘も、選択の代償も、全部ここで生きている」
凪は微笑み、涙をぬぐう。
「桐生くん……私、もっと強くなれる気がする!」
葵も淡青の瞳で二人を見つめ、静かに頷く。
「……私たち、乗り越えたわね」
洞窟の暗闇に、三人の影が長く伸びる。
――鷹宮の試練は、仲間の絆と信頼を極限で試すものだったが、三人は互いを支え合い、乗り越えた。
そしてその先には、父の秘密の核心へ続く、最後の通路が静かに待っていた。




