第15話「最初の真実の試練と仲間の覚悟」
洞窟の最深部、巻物と紙片を胸に抱いた桐生は、静かに息を整える。
父の残した秘密は、ただの財宝ではなく――三人の覚悟と信頼を試す試練だった。
「……ここから先は、慎重に」桐生は低く呟く。
凪は少し震えながらも笑顔を作る。
「怖いけど……私、絶対ついていく!」
オレンジ色の髪が湯上りのように光り、強い意志を伝える。
葵は淡青の瞳で二人を見つめる。
「桐生くん、覚悟はできているわね」
桐生はうなずく。
「……ああ。でも、守らなきゃいけないのは、俺だけじゃない」
広間の中央に設置された石の台座から、微かな光が溢れ、周囲の岩が不規則に動き出す。
――試練の扉が開いたのだ。
「桐生くん、どうする?」凪は小さく声を上げる。
桐生は巻物を握り直す。
「一緒に進もう。でも、もし危険があれば、無理はしない」
三人は互いの手を握り、慎重に進む。
岩の通路が崩れ落ちる音、微かな風、そして謎めいた文字の光――洞窟は試練の舞台として、彼らを包み込む。
凪が岩に足をかけた瞬間、足場が崩れ、危うく奈落に落ちそうになる。
「桐生くん!」葵も凪を支えようと手を伸ばす。
桐生は凪を抱き止め、岩を踏ん張る。
「大丈夫、俺がいる!」
凪は息を整え、涙を浮かべながらも微笑む。
「……怖かったけど、桐生くん、信じてる」
葵も淡青の瞳で二人を見つめ、静かに頷く。
「私も信じるわ……桐生くん」
三人は手を取り合い、光る文字が導く先へと進む。
試練は彼らの絆を試し、信頼をさらに強固にした。
桐生は巻物を胸に抱き、深く息をつく。
――善意の嘘も、選択の代償も、この旅の覚悟のための準備だった。
父の秘密は、仲間の心を試し、そして絆を深めるために残されていたのだ。
洞窟の暗闇に揺れる三人の影。
――まだ試練は続く。しかし、彼らの心はもう一歩も引けない場所まで来ていた。




