第13話「洞窟最深部への再挑戦と仲間の成長」
湖畔のひとときと温泉での休息を終え、三人は再び洞窟へ向かった。
朝の光が森の木々を金色に染め、足元に長い影を落とす。
桐生は紙片を握り、深呼吸する。
「……行くぞ、慎重に」
凪は元気に笑いながらも、手の擦り傷を気にして慎重に歩く。
「桐生くん、私、前より気をつけるよ!」
オレンジ色の髪が風に揺れ、笑顔の裏に少しの緊張が見える。
葵は銀色の髪をまとめ、淡青の瞳で洞窟の入口を見つめる。
「慎重に……でも、前より成長したわね、三人とも」
再挑戦の洞窟は前回より険しく、通路の岩は湿り、足場は滑りやすい。
最初の分岐点に差し掛かると、桐生は冷静に判断する。
「右の通路を行こう。光は少ないけど、安定している」
凪は少し不満そうに眉をひそめる。
「えー、左の方が面白そうなのにー」
葵は凪の頭を軽くたたき、笑みを浮かべる。
「好奇心も大事だけど、慎重さを忘れないことも成長の一部よ」
三人は協力しながら進む。狭い通路で岩が崩れそうになった瞬間、桐生は素早く凪を抱き、葵は支えに回る。
「桐生くん、ありがとう!」凪は笑顔で答え、以前よりも安心感を漂わせていた。
洞窟の奥には、古代文字で刻まれた石壁と微かに光る宝石の道標があった。
桐生は巻物を見ながら、文字を読み解く。
「ここが父さんの本当の手がかりだ……」
葵は淡青の瞳を輝かせる。
「やっと核心に近づいたのね……でも、油断はできないわ」
凪は少し息を切らしながらも笑う。
「でも、私たち、前よりずっと強くなった気がする!」
桐生は微かに笑みを返す。
――休息と小さな試練を乗り越えた三人は、確かに成長していた。
善意の嘘や選択の代償も経験として積み重なり、仲間との絆が以前より強くなっている。
だが、洞窟の奥から微かに聞こえる足音と、冷たい視線――鷹宮の影は、まだ遠くから三人を監視していた。
――本当の試練は、まだ始まったばかり。
三人の影は洞窟の奥に伸び、父の残した秘密と、新たな試練が静かに彼らを待っていた。




