表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/23

第10話「洞窟の最後の試練と涙の選択」

洞窟の奥に差し込む光の中、三人は静かに息を整えていた。

巻物が指し示す場所には、父の残した最終の手がかりが隠されている。しかし、そこに至る道は一層険しく、危険が増していた。


桐生は紙片を握り、仲間の顔を見渡す。

「……ここから先は、慎重に行こう」


凪は少し笑顔を作るが、擦り傷がまだ痛む手をそっと押さえた。

「うん……でも、私も行く!」

オレンジ色の髪が光に映え、微かに揺れる。


葵は淡青の瞳を鋭く光らせ、桐生に視線を送る。

「桐生くん……あなた、全部話していない。でも、私たちは信じるしかない」


桐生は頷く。善意の嘘は、仲間を守るための最善の策だった。だが、嘘の代償がどこまで広がるかはまだわからない。


狭い通路を進むと、足元の岩が大きく崩れ、凪が再び危険に晒される。桐生は瞬時に手を伸ばした。

「凪!」

葵も支えに入り、三人で必死に体勢を立て直す。凪は小さく息を吐き、目に涙を浮かべながら微笑む。


「桐生くん……ありがとう……怖かったけど、でも、私、信じてるよ」


桐生の胸に熱いものが込み上げた。善意で守った結果、仲間は危険に直面した。しかし、その信頼は揺らぐことなく、逆に強く結びついた。


そして三人は、ついに洞窟の最深部にたどり着く。

そこには、微かに光る石と、古代文字の刻まれた台座――父の最終の手がかりがあった。


桐生は巻物を台座に置き、指で文字をなぞる。

――徳川埋蔵金の秘密、そしてそれを発見した場合の未来への代償。


凪は手を握り、桐生の肩に寄り添う。

「桐生くん……どんな選択でも、私たちは一緒だよ」


葵は淡青の瞳で二人を見つめ、静かに微笑む。

「……どんな困難でも、私たちは乗り越えられる。桐生くん、あなたの判断を信じる」


桐生は深く息をつき、心の中で決意する。

――善意の嘘も、選択の代償も、すべて自分たちの手で背負うしかない。

そして、仲間を守るために、どんな困難にも立ち向かう。


洞窟の暗闇に、三人の影が長く伸びる。外の光は、彼らが進むべき未来を柔らかく照らしていた。


その瞬間、奥の影が微かに動く。黒髪と赤茶色の瞳――鷹宮の影が、洞窟の暗闇からじっと三人を見つめていた。


――まだ、この旅は終わらない。

善意と選択、信頼と犠牲、未来への代償――すべてが、これからの物語を大きく揺るがす。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ