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②中身を作ろう。

作品を見れる形に整えたのなら次は中身だ。

まずは作品の終わりから始まりまで全てを作るつもりで始めよう。

こうすることで作品に一貫性や整合性がきちんと生じることになる。

見切り発車的に行きあたりばったりでやりたいことを詰め込んで先の見えないレールを敷くだけの投稿スタイルでは確実に作品はエタる。

エタらなくとも道中が気分次第で変化したり、本来の想定と繋がらなくなってしまい、続きが思い浮かばなくなってしまったり、整合性が取れなくなってしまうことが多々ある。

描きたいという思いが強くなり、思いつくままに書いてしまう。そしたら次は見せたいという欲求が高まって一話だけでも投稿してしまう。


しかし構想は頭にあれど現物の続きはない。

いつか書けるだろうと思ってひとまず今日は書かない。また次の日に回して休む。


だがこれでは気分や都合が良い日にしか制作ができない。例えば何かしらの大型連休に作品を作ろうと取り掛かったとする。連休を全て自分の自由に使うことができる人間ならば数話程度描き切れるかもしれない。

しかしその後忙しい現実に戻った時、作品に目を向ける余裕がなくなってしまうのだ。

そうすると段々と過ぎ去った時間といつまでも未更新・未完成の作品に囚われてしまい、このままではいかんと追い詰められ始める。

すると作品は「早く投稿しなくては」という惰性で生まれる推敲もなにもなされたものではない、余裕のないものになってしまう。

そうした焦燥感に駆られて惰性で書いたものは余裕のある頃に描かれたものと違い、「一刻も早く自分を解放するために文字数を埋めただけのもの」にしかならず、こんなものが続けばやがて最初のうちの情熱が冷めていき、書くことが億劫になってしまう。


設定症候群や早期燃え尽き症候群

夢見勘違い症候群といったものがこれだ(命名は私が今つけたもの)


作品は実際に作る「まで」が楽しい

あれこれ頭を使って設定を立てたり、キャラや使えそうなセリフを考えたり、モチーフを考えているときが一番楽しい

といった人にこそ陥りやすい症候群だ。

個人的な経験則だが、これらの現象はまず息抜きに見た自分の好きな作品などに影響され、その楽しかった・尊かった思いを自分も何か形にしたい!という思いから生まれるものが多い。


故にそこで衝動的に作られた作品は自分が直前に楽しんだ作品か、自分が心の指針にするほど楽しい・何度見ても楽しめる作品と似通ったものになっている。


アニメ・ゲーム・漫画・映画・小説なんでもそうだ。

まず自分が受け手としてそれらの素晴らしいシーンや好きなシーンが頭に残り、それを元に書き出すから劇的なものであり退屈な道中が存在しない。

だから作品として仕上げることができない。

そこにつながるのが面倒くさいし、長ったらしいしつまらない、早くそのインスピレーションされた良いシーンを描きたくて仕方ないからだ。

しかしそれでは単なる衝動書きにしかなっていない。

始まる動機こそ衝動であれ、書き続ける時まで衝動ではあってはならない。

必ず作品を最後まで仕上げよう。そのうえで毎日、あるいは毎週小出しにして発表しよう。


中には読者からの意見を受けて補足したり、物語の大筋を変更したりしたくなるものもいるだろう。

が、それはグッと堪えて次作に活かそう。

一度走り出した列車を止めることも変えることもしてはならない。

その作品を捨てるには惜しくとも走り出した以上はそれでいく。


逆に言えば走り出す「前」であるならいくらでも推敲は可能だ。

だから事前に物語をしっかり作るというのは

「もうこれでいい。だからありったけを読者にぶつける」「これ以上はない。自分にできることは全てやった。あとは神のみぞ知る出来事だ」

というくらいに作品を仕上げることなのだ。


どのくらいの期間続けるつもりなのか。

全何話想定でどんな物語をどのように展開するのか。

全てのキャラクターは総勢何人で、誰がいつどこで何話登場するのか。

各キャラクターは描写されていない間その世界で何をしているのか。

作品世界の歴史や時系列を正しくまとめることができるか。

起承転結がしっかりしているか。

これらを全て考えるのはきわめて大変なことであるが、これらを済ませておけば後は何も心配する必要はない。

無論設定だけ練って作品として形にしないのは御法度だ。

まずは作品として形にして、練りに練ったものを作品を読むことで理解できるように作ること。



・各話の文字数

大体2000字以上5000字未満程度がベター。

500文字程度では少なすぎるし、1万字にもなると多過ぎて誰も読もうとしない。

私も最初勘違いしていたのだが、「小説は読み応えのあるべきものである」として初作品は大体1話1万字を目指して薄っぺらいものからの脱却を図ろうとしたが、完全に読者からは総スカンを喰らい、門前払いされた。

まぁ1話1万字で成功している人間もいるが、普通は大抵飽きてそれ以上読み進めようとは決してしない。

当初私はなろう系小説を馬鹿にするまとめや動画の影響で逆張りし、しっかりとした長文で非・なろう系の作品を仕上げようと思っていたが、完全に読者層を見誤った最低最悪のスタートを切ったと言えるだろう。

これはある程度全体が完成している人向けの話にはなるが、とにかく1話1万文字や7000を超えるようなものはやめよう。

私が参考にした人間の記事や動画が軒並み2016年代であったことを踏まえると、昨今の読者は長文を一切求めていないことがわかる。

まずは正確な読者層の把握と文字数の選択を。

1話のスムーズな導入を経て、それから次の話につながっていくのだ。

長くなるのは読み進めようとする読者が実際に現れてからでも遅くはない。



・各話の構成

意味なく長いものは敬遠されるが、ただただ徒に短いものや決められた文字数だけに従うのもよくはない。

物語全体に起承転結があるように、各話にも起承転結を入れる必要があるだろう。無論絶対ではないし、場合によっては引きで続きが気になる手法にする方がいいものもある。

まとまりがあって無駄なシーンが一つもない、前後がスムーズに繋がるものが各話にあってほどほどの長さに収まっているのが望ましい。



・整合性を考える

矛盾した言動を取っていないか、そういう設定はないか。

一度読んだだけでは理解が難しい難解な要素を取り入れてないか、コロコロ変わるご都合設定は存在しないか、そういう描写になっていないか。

頭に思い浮かんだものを書き殴った設定や物語だと勢いだけのものになっている可能性がある。

時系列など作者自身も曖昧になっている設定もある。

いい加減に作るのではなくしっかりとそこを作り込むことで自信を持って作品を発表することができる。


手直しがいくらでもできる発表前にこそじっくりと練って作品を作り上げるべきである。


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