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そして、数日後。


「また来るねー!」


「あぁ。待っているよ」


とツカキは帰った。そして、静かな兵士に話しかけた。


「なぁなぁ。めっちゃ俺楽しかった。君は?」


「はい。楽しかったです。」


「君は何していたの?」


「えっと、裏庭で植物や虫と話したり、スケッチをしたり、しました。」


「人としゃべったりした?」


「あっはい。怖そうに見えるアレトに話しかけられて、最初はびっくりしたけど、


でも本当は優しくて仲良くなれた。後は手紙に書いて渡すね。」


「お、おう。分かった。待っているよ。」


そして、次の日手紙を渡された。


手紙の内容はこうだった。


『灰色王国では、アレトと仲良くなれました。イノリさんは優しくてこんなぼくに、


「また来てね」と言ってくれました。だからツカキ様またいつか行きたいです。


ぼくアレトにも会いたいしあんなに優しいイノリさんにも会いたいのです。


花夢はなむより』


「花夢?聞いたことが昔あるような、無いような。(まさかあの時の少年⁉だとしたら


あの子は俺が五歳の時に黒色帝国から助けた、男の子?)」


そこに、「あのツカキ様。花夢君から話があるらしいです。」


「分かった。今行く。」ガチャとドアを開くと、


「あっ。ツカキ君。やっと来た。」


「花夢君、何の用だ?」


「えっと、ツカキ君に話が有って、ぼくの昔の話、聞いてくれる?」


「あぁ。」


「ぼくは灰色王国のイノリ王とエルト王子の弟。つまり、第三王子で昔、


帝国に捕まっていたんだ。その時当時五歳だったツカキ君が助けに来てくれたんだ。


その頃ぼくは、三歳だったんだ。ツカキ君とは、二つ違いだね。


あっ、つまりぼくは第三王子として、星の国を出て灰色王国に戻る事にした。


そこでね、ツカキ君に王様になる道を捨ててぼくの騎士になってほしいんだ。」


「それは…。」


(俺はトト兄さんと約束したんだ。どんな時も優しくて、


諦めない人になるって、トト兄さんがシリウスに居たとしても、


きっと俺の事を見てくれているはずだ。ならば…。)


「分かった、今すぐ行くよ。」


「えっ⁉良いんですか。本当に良いんですか?」


「いいよ!俺はどんな時でも人の為に頑張るからさ!」


「あ、ありがとう。…ツカキ。」


「⁉ありがとう。ツカキって言ってくれて…花夢は変わったな。」


「なにがですか?」


「だって、最近自分の意見を言えるようになったじゃないか。


人は少しずつ自分が作られていく、本人の意思に関係なく。


でも、俺はそれは必要なことなんだと思う。


長い人生を生きていく為にきっと必要だから。


人の常識というのはな、十八歳までに身に着けた偏見なんだ。


俺はその偏見が自分の支えになるようなものであってほしい。


花夢は夢を諦めた事はあるか?」


「はい。だって、叶わない夢を追い続けるのは時間の無駄ですから。」


「はぁー。誰が叶わないって言ったんだよ。なんで決めつけるんだ?


そういうのをさっき言った十八歳までに身に着けた常識?とかいう偏見と言うんだ。


その夢はお前の偏見によって叶ったかもしれないのに、踏みにじられたんだ。」


「⁉分かりました。次からは、諦めない。ありがとうツカキ。今言ってくれて。」


「良かった。分かってくれて。それじゃあ俺は、トト兄さんの所に行ってから、


王国に行く。」


「はい!待っています。ツカキ。」

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