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その頃ツカキ達は。
「ねぇツカキ帰ろうよ…僕もう疲れちゃったよ。」
とタツキが言い、ツカキが焦りながら言った。
「それが、どこだったか分からなくなっちゃったんだよ…。」
「なーんだそういう事なら言ってくれれば教えてあげたのに、ほらついて来て。」
とタツキが言った。そして五時間が経ち…ツカキ達は着いた。リョクナが走ってきて、
「タツキ…ツカキ帰って来てくれてありがとう。ツカキ本当にごめんねわたしツカキは
怒らない人って勝手に優しいから勘違いしていた。ツカキ帰って来てくれて
本当に嬉しいありがとう!」
と言うとツカキは、
「そんな事言わなくても俺、怒っていないんだぞ。ただ自分の無力が悲しかったんだよ
俺こそ悲しい思いさせてごめんな。」
と言った。その日の夜、ツカキとリョクナは二人で星を観ながら寝る前に、
「リョクナあそこの青白い星はシリウスって言うんだ。あそこのオレンジの星は、
ベテルギウスって言うんだ。あの白い星はプロキオンって言うんだ。この三つの星を
合わせると、冬の大三角形になるんだ。」
「へぇー。ツカキ教えてくれてありがとう。星ってほんとに綺麗ね。」
「そうだな。リョクナなんかいつもより元気だな。」
「そうかな?きっとツカキが帰って来てくれたからよ。」
「そうか。俺も帰って来られて嬉しいぜ。」
「ねぇツカキわたしとずっと一緒に居てくれる?」
「リョクナ俺の勘違いだったらごめんだけどもしかしてだけど俺の事好きなのか?」
「…えぇ好きよ。世界で一番ツカキが好き!」
「リョクナ…ごめん。俺なんて好きにならない方がいいよ。俺そろそろ時間なんだ。
また、星の国に帰らなきゃいけないんだ。本当は二十歳まで地球に居ていいはずだった
けど姫の天花の犬のテンナが牢屋に捕まったらしくて第二王子の
俺も帰らなきゃいけなくなった。だからごめん…さよならかもな。」
「二度と会えないの?」
「それは…分からない。でも、今日の夜出発する。だからさよならリョクナ。
忘れてくれ俺の事は…俺お前の事…嫌いだったから‼」
そして夜になりツカキは皆にお別れして星の国に帰っていった。リョクナは『嫌い』と
言うツカキの言葉が頭から離れなかった。忘れたくても忘れられなかった。
なぜならリョクナはツカキに『恋』をしてしまっていたから。
ツカキが星の国に帰ると、天花が
「おかえりなさい。ツカキ様待っていましたよ。早く助けて下さい。」
と言い、ツカキは
「あぁ、今すぐ助けに行くよ。」
と応えた。そんなツカキを兵士たちは眩しい方だなと思っていた。
そしてツカキは兵士達と一緒に強い車に乗って出発した。そして五時間後ツカキ達は、「着きました。」と兵士が言ってツカキに剣を渡した。それは銀の剣だった。
「ツカキ様。敵をどんどん倒しましょう。」と兵士が言った。するとツカキは
「…うん。分かったよ。」
「ツカキ様?どうかされましたか?」
「あのさ、どうして敵を倒すんだ?」
「星の国が出ないと滅ぼされてしまうからです。」
「でも、敵だって全部が悪いわけないだろ?良い敵と悪い敵の区別を俺ができたら…」
「区別、したいですか?」
「したい!」
「ツカキ様は優しいのですね。これです。これを付けると区別できます。
青色なのが良い鬼。赤色なのが悪い鬼です。指輪か冠どちらを付けますか?」
「指輪。じゃっ兵士は冠だ。よぅしー行くぞ。」
「はい。分かりました。」
「苦しくない戦いになって本当に嬉しいぜ。」
「良かったですね。ツカキ様。(ツカキ様優しすぎる)あっでも…」
「どうした?」
「今トト様から攻撃して来る敵は攻撃して、攻撃して来ない敵は攻撃しなくて良いと。
そして、仲間にできる者は仲間にしてくれと言っていました。」
「分かった。そうしよう。あとそうした方が絶対苦しさが減るもんな。」
「ツカキ様。優しすぎますよ。」
「えっ?何が。」
「敵にも皆にも優しくて、なんて優しい人なのでしょう。って思ってしまいます。」
「だって、俺トト兄さんと約束したのだ。誰にでも優しい人になるって。
だからトト兄さんと約束した事は何が遭っても守るって心に誓っているんだ。」
「そうなのですか。七斗さんと同じくらい優しいと思います。いや、
もしかしたら七斗さんより優しいかもしれません。」
「七斗さんって誰?」
「月の国の第二王子です。とても優しい方なので月の国の天使として有名です。」
「会ってみたいなー。」
「この戦いが終わったら会いに行きましょう。」
「ありがとう!早く会いたいなー。さっさと倒すぞー!」
「はい。ツカキ様。」
そして二人は鬼を倒したり仲間にしたりした。
「それでは月の国に行きましょう。」