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一条兼定なんて・・・(泣)  作者: レベル低下中
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兼定を操作してみる

 さて、夕食が終わり、兼定は寝た。とても疲れたみたいだ。

 しかし私の方はそれどころではない。何と言っても今日の契約に必要な書類を作成途中で居眠りしてしまったのが今の状態である。


 仕事中にいきなり倒れるように寝てしまうなんて、それだけ、体力的には限界だったのだろう。

 早く起きなければ大変な事になる。下手すりゃクビ+弁償だ。


 しかし、そうは言っても夢から覚める方法なんて分からない。夢を見ているくらいだから、眠りは浅いのだろうが、このままレム睡眠に至ったらもう絶望的である。

 ああ、本当にどうしよう。兼定どころではないのだ。

 本当に困った・・・


 でも、よく考えてみると兼定は寝ていて、今は視界も聴覚も遮断されているが、私自身は全く眠くない。

 コイツにとってはただの睡眠であるが、こちらにしてみれば、何も出来ない退屈な時間である。

 コイツの頭の中で大騒ぎして寝ないようにしてやれば、少なくとも退屈はしないかもしれないが、コイツは睡眠障害で寿命が縮むだろう。いくら私でも、恨みの無い相手にそこまでできるような鬼では無い。

 

 いや待てよ?コイツが死んだら目が覚めるか?いやいや、いくら何でもそりゃああんまりだ。たとえ夢の中であってもそんなことしたくないしできない。第一、私が契約書を作らないといけないのは今すぐだ。コイツが睡眠障害で衰弱しするまで待っていられない。

 いやあ、本当にどうしよう・・・

 パワハラ上等の課長に大目玉食らうだけじゃ済まないなあ・・・


 正直、不安だけが募るが、何もできなくて発狂しそうだ。

 目が覚めたら、契約書より辞職願作った方がいいかもなあ。それすら作らずにバックれた後輩を何人も見てきたし・・・


 自分の考えが辞表提出に至ったことで、少し気持ちが楽になった気がする。

 そもそも、今のままこの仕事を続けていても、いずれ限界が来ることは予想できるし、今回乗り切ったとしても、この会社にいる以上は同じ事がエンドレスで起こる。


 なら、もういいか・・・


 もし、目覚めた時が契約書作成に間に合うなら頑張るし、ダメなら辞職願を作成しよう。

 うん、そうしよう。

 さて、それなら次にやることは・・・

 このゲームの操作方法を会得することだ。

 きっと、疲労困憊の私が見ている夢だ。きっと設定ガバガバなんだろうけど。

 ということで操作ボタンや操作ウィンドウを探してみるが、何も見つからない・・・

 今は視界ゼロの無音状態ではあるが、画面左下のステータス表だけは白く表示され続けている。

 ここをクリックすれば何か出てくるかも知れないが、カーソルも無ければコントローラーも無い。

 それならばと、ヤツの手を動かしてみる。少しだけだが動かすことができる。もちろん足も試してみたが、少し動かせるようだ。でも、それだけ・・・


 もしかしたら、超最新技術が使われていて、プレイヤーの声を認識して操作キャラが動くタイプかも、と思い、例の「ステータスオープン」を叫んだが、何も起きなかった。

 じゃあ、どうしろって言うんだよ・・・


 「ノブナガの希望」には、登場武将ごとのステータスだけではなく、性格や価値観などがパラメータとして設定されていたり、固有のスキルを持っていたりするのだが、何を持っていて、どうやって発動させるのかさっぱり分からないし、そもそもチュートリアルさえ見当たらない。とても不親切な設計である。


 まあ、兼定に大したスキルなど無いだろうが、無いよりはマシなはずである。

 それに、ゲームを進める上で、一条家や他家の国力というか概要が分からないと、何を優先的に行うべきか、相手に攻め込むタイミングがいつかなど、判断に必要な情報が得られない。


 まあ、ここは焦っても仕方無いが、手も足も出ないとはまさにこのことである。

 いや、正確に言えば「手も足もちょっとだけ動く」状態だが・・・


いやあ、それにしてもどうしよう・・・


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