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一条兼定なんて・・・(泣)  作者: レベル低下中
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九州も要塞化に着手する

 さて、戦が無くなったからといって油断することはできない。


 大体、未来永劫なんてあり得ないし、今までその時の都合で盟友となったり敵になるのが当たり前だった人達である。

城郭の整備はもちろん、街道整備や防塁としての堤防、狼煙台、砲台の整備も併せて行う必要がある。


 まず肥前であるが、「い」の城として水之江城を拡張し、名を佐賀城に改めるよう国虎にに指示を出した。

 その他、「ろ」の城として唐津、伊万里、晴気(小城市)、平戸、大村、佐世保、鏡(鳥栖市)、勢福寺(神埼市)を指定し、各城主に拡張整備を命じた。

 「は」の城については、高(杵島郡・大野氏)、水木(長崎市)、福江(宇久氏)とした。


 対馬は清水山と金石の城を併せて整備させ、名称を厳原城に改称させた。

 そして「ろ」の城として、史跡を壊して恐縮だが金田城を、島の最北端にある豊(津島氏神津島町)に新たな城を建設することにした。

 もちろん宗氏にそんな財力は無いので、一条家直轄である。


 肥後は長宗我部がすでに熊本で新城の設計に入っている。「ろ」の城として筒ヶ獄(荒尾市)、木の葉(玉東町)、高森(阿蘇郡)、御船(上益城郡)、小多田(水上村)、大畑(人吉市)、八代、津奈木、水俣、「は」の城として南郷(阿蘇氏)、人吉(相良氏)、本渡(天草氏)を認めた。


 日向はどうやら都城に本拠を定めるようであり、「い」の城として県(延岡)と佐土原、飫肥の城を改修して使う。「ろ」として亀頭山(高千穂町)、現在の日向市を流れる赤岩川の南岸に新城の建設を許可し、志布志には認めなかった。


 大隅は、鹿屋に新しく城を築いて本拠とし、「ろ」の城として、高山、諏訪(姶良市)、加治木(霧島市)、伊座敷(南大隅町)を認めた。


 薩摩には、鹿児島、出水、川内を「い」の城とし、「ろ」の城として大口、指宿。「は」の城として一宇治(為松氏)、南郷(安並氏)、加世田(羽生氏)、知覧(源氏)、頴娃(敷地氏)とした。


 日向と大隅には陪臣しかいなので「は」の城はない。

 廃城については、あまりいい顔をしない者も多かったが、既に大砲の存在する時代である。従来型の小規模な山城など、何の役にも立たないし、数万の敵と対峙するのが当たり前の時代に、数多ある城に兵を分散する戦い方は時代遅れだ。いざという時、兵が配置できない城なんて何も利点は無い。廃城が吉なのだ。


 また、五島や天草、対馬などにいる海賊衆については、海賊行為の禁止を通達し、各領主が責任を持ってこれを統制することとした。


 軍についても、一条の軍制を導入し、兵農分離を進める。

 これは刀狩りとセットであり、治安対策の一環でもある。

 まだ統治を始めて間もない各領主にとっては、必要不可欠な事業であると同時に、彼ら自身にとっても試金石になるものである。


 また、各領主に対してフランキ砲の配備を許可した。

 まあ、大友も持っているアレだが。


 しかし、これで一応、九州各地に内政と軍事に関する指示を出すことはできた。

 後は港の整備をさせたいが、これは他の課題に比べると優先度は低い。

 また、奄美大島と徳之島を支配下に入れる検討もしたい。



『これで取りあえず落ち着くのう。』

『下々はそうだな。後は支配層を何とかしないといかんな。』

『そうよの。目が届かんようになってしもうたからのう。』

『やはりお鞠は長宗我部に嫁がせよう。』

『歳は少し上だが、まあどうにかなるだろう。やはり、九州統治の要はあそこだからな。』

『そうして引き締めるのじゃな。』

『そうだ。お雅は宗珊の孫ならいけるだろう。』

『左衛門太郎か。遠いが、仕方ないかのう。』

『いいじゃないか。孫が家老になればまた松山に戻ってくるかも知れんぞ。』

『まあ、余所に行くよりは・・・』


『峰と浜はまだだな。』

『ところで、栄太郎に子ができたら、麿はもう、子を作ってはいかんのか?』

『松と秀に相談してみろ。二人ともまだ若いからな。』

『そうじゃのう。そうする。』

『しかし、一体どうしたんだ。子供など急に。』

『いや、子供を愛でる機会がこれまで無かったからのう。』

『何だ、そんなことか。まあ、酒や博打、女に気を取られるよりはいいんだが。』

『麿は別に酒や女、賭け事や遊びが嫌いな訳ではないでおじゃる。』

『分かってる。だからいつも気を付けてる。』

『すまんのう。』

『どういたしましてだ。大体、そんなことばかりにかまけていると、松と秀に愛想を尽かされるぞ。』

『それは困るのう。麿の一番のお気に入りじゃのに。』

『まあ、夫婦仲がいいのが一条の一番良いところでもあるからな。』


 あの二人の妻は、どんな要塞より頼りになるだろう。

 そう思う茶畑であった・・・


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