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一条兼定なんて・・・(泣)  作者: レベル低下中
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今のうちに内政をやっておく

 今年は因幡方面に示威行為のため、出陣が決まっている上、織田家からいつ援軍要請がくるか分からない。そこで、今やっておかないといけない事は、全て片付けておこうと思った次第だ。


 まず、耶蘇教の信徒数と奴隷売買の有無を調べさせる。これは一向一揆に懲りたということもあるが、宗教同士の諍いや、出るかも知れない禁教令に備える意味もある。

 それに、既に一条家は軍事的には質も量も南蛮人を上回っているのである、

 奴らの行き過ぎた行為に対して遠慮する必要はない。


 また、技術導入として、都の僧をを一人、明国に派遣する。

 目的はサトウキビ栽培と製糖技術の導入である。昔から讃岐三白と呼ばれ、麦、塩と並んで和三盆は名産であった。これは今でも出来るはずだし、莫大な利益を生む。


 他に、特産物の奨励として、既存の産業の育成に力を入れることに決めた。

 播磨では赤穂の陶器、姫路の皮革や素麺、蝋燭、有馬の竹細工や筆、美作のゴボウや硯、備中の和紙などに、向こう五年の期間限定で軽減税率を導入し、生産量増加を図る考えだ。


 さらに、松山の学問所も増築する。これは単純に受講者が増えたためだ。

 また、宿毛に完成した病院なるものの実態調査を行い、効果が大きければ医師の育成や各地方への普及を図る。


 そして、特に収入の柱となっている塩と銅については増産命令を出すとともに、同じく高価格で取引されている和紙と茶についても、更なる品質向上と製品の均一化を指示した。


 普請関係では、阿波と讃岐の港整備を各領主に指示したほか、揖保川、加古川、吉井川の堤防建設を決定した。

 堤防については、伊予川の上流北岸堤防が完成し、石手川と合わせて、取りあえず松山の町が浸水することだけは無くなった。これからは、両河川の南岸側の工事を始める。

 街道については、白地城と土佐を結ぶ間道がようやく完成した。


 また、築城関係では、洲本城の本丸及び、山麓の施設が完成し、あとは山中の各種施設の整備のみとなり、徳島城でも天守閣の建築が始まった。

 その他、各領主に整備を命じていた城のうち、河後森、大洲、日和佐、海部の四城が増築強化を完成した。いずれも城としてはごく小さいものだが、各地方の核となりうる場所にある城である。

 

 また、軍事においては、鉄砲が六千丁も出来てしまったが、鉄砲隊はそれほどいないので、販売と部品備蓄にシフトした。大砲鋳造も三百で配備を終了し、同じく備蓄に充てる。


 調略については、出兵直前まで因幡・伯耆で続けるほか、日向や毛利領内の間者を増やし、情報収集力を高めるよう、指示している。また、情報管理として、所謂職務に関する守秘義務を役人に対して課し、罰則を設けた。

 もちろん、こういったことは戦国の常識であるが、明示することに意義があると考えたのだ。



『しかし、何でもやるのじゃのう。』

『金はいくらあっても困らないからな。』

『普請もかなり進んだぞよ。』

『普請の良いところは、誰の目にも明らかなことだ。立派な出来映え然り、利便性の向上然り。』

『確かにのう。やった感が出る。』

『中納言は口を出しているだけだがな。』

『でも、麿が作ったことになるぞよ。』

『いいのか?壊れたら中納言の責任だぞ。』

『それは現場が悪い。』

『最低だな・・・』

『だって、実際麿は口だけじゃし、難しいことは分からんでおじゃる。』

『一応、責任者なんだから、人のせいにするなよ。思っても口に出すなよ。』

『でも、言わなければ叱られる一方ではないのか?』

『誰が中納言を叱るんだよ・・・』

『宗珊。』

『ああ、確かにな。だが、カッとなって刀を抜くなよ。』

『大丈夫でおじゃる。最近、丸腰じゃ。』

『おい、それはあまりに不用心だ。いくら公家でも刀くらい差しておけ。』

『あれ、結構重いのじゃぞ。』

『知らんわ!』

『大体、麿が持ったところで・・・』

『格好だけでもいい。侮られんようにしろ。』

『そうか。麿は侮られるのは嫌いじゃぞ。』

『そうだ。身なりは大事だからな。』


 内政も大事だが、コイツの教育はもっと大事だと思う。


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