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一条兼定なんて・・・(泣)  作者: レベル低下中
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一体何が起きているんだ?

文中、大変紛らわしいですが、

「普通の会話部分」

『茶畑と兼定の心の会話部分』


となっております。あらかじめご了承のほど、よろしくお願います。

 今日も仕事、明日も仕事、勿論これから先もずっと仕事。

 最後に休みが取れたのっていつだったかなあ・・・

 そんな私は茶畑愼司。大阪の不動産会社に勤める28才。

 地方から大学進学を機にこの街にやって来て、23でこの会社に就職し、今は営業主任。

 でも実態は多分ブラック。


 いや、ブラックの基準など分からないが、超過勤務時間が、月平均100時間を下回ったことが最近の記憶に無い。もちろん、タイムカードを終業時間に押しているから全てサービスである。

 これを続けてきたから一応、総合職でも無いのにこの年齢で主任になれたのだが、こんな職場だから、若い社員が次々リタイヤしていく。

 ある程度は中途採用で補充があるが、彼らの教育も私の仕事。今は先週ブッチした元後輩が残した膨大な業務の後始末中。


 今は26時だが、私は絶賛全開パワー発動中。

 何せ、今日が先方との契約日だ。しかも3件・・・


 その時突然、頭の中が真っ白になった。

 いや、本当に痛いくらい眩しい白・・・


どれだけ時間が経ったのだろう。

 だんだん目の前の光は弱まり、少しづつ白以外の色が朧気ながら見えてくる。

 ディスプレイ?・・・

 いや、さっきまで目の前にあった忌々しいディスプレーもキーボードも無い。

 和室?、広間?、目の前には多くの袴姿の男達・・・

 間違いなく夢だ。

 ああ、仕事中なのに。今日、契約が3件控えているのに。などと考えつつも、限界を迎えた私の身体は眠りに・・・つかない。

 むしろ、思考は起きたときのまま、ハッキリしてくる。何だろう、この不思議な感じ。

 そして、何だろう。視界の端に奇妙なエクセル表のようなもの・・・


 数分後・・・


 見えた。ハッキリ見えましたよ。今日の夢、お笑いです。

 端的に言うと、一条兼定をプレイしている夢です。

 そう、私の視界に映る風景はデイスプレイなどではなく、兼定視点の風景です。恐らく家臣を集めて会議か何かをやっているのでしょう。

 夢でも会議か・・・


 いや、いかんいかん!仕事だ仕事!寝ている場合じゃ無い。

 ところで、何で一条兼定かって?そりゃあ、画面、いや視界の最下部にステータス表が表示されていて、表の上に「一条兼定」と表記があるんですもの。

 まるで有名な歴史シミュレーションゲーム「ノブナガの希望」みたいな。

 そしてそのステータスは政治22、知力7、統率12、武勇9です。

 こんな、稀に見る低ステータス、彼に間違いありません。

 私もこのシリーズは「昇天」や「武勇伝」など、何作かプレイしましたが、私の地元出身の大名であるコヤツはゲーム屈指のバカ殿で、何の役にも立たなかったことを記憶しています。


こんな夢は即終了決定です。何せ、こんな夢、全く価値などありません。たとえ体力が限界を迎えていたとしても、起きて仕事を再開しないといけないんです。あれっ?



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 麿は今、憂鬱の中にいる。

 元服を済ませ、無事一人前となったまでは良いが、大人になった途端、煌びやかな京の町を出て、この土佐の地に下向されられたのでおじゃる。

 もちろん、ここには口うるさい守り役はいない。父は麿が7才の時に他界し、関白であった養父も先日亡くなった。つまり、ここでは何をやっても自由でおじゃるが、かといってこんな田舎で何ができよう。

 今は家中の者に顔見せを行っているところだが、これも家老連中が五月蠅いのでやっているだけで、全く退屈な時間でおじゃる。


 ところが、何やら先ほどから幻聴らしきものが聞こえる。

 しかも所々麿の本名を叫んでおるようなのじゃ。この従三位 左近衛少将である高貴な麿に、そのようなけしからん仕打ちをするのが一体誰なのか。

 激しい怒りがこみ上げてくる中、辛うじて顔見せが終わり、居室に戻って人を払った。


「グヌヌ、誰じゃ!、先ほどから麿をたぶらかしておるのは!今すぐ出でよ!麿が成敗してくれる。」


 うん?喋ってたのバレてる?

 ということは、このゲーム、キャラと会話可能な設定なのか?これは画期的なゲームだな。まあ、一条兼定と会話できたからどうした、というレベルの話なのだが・・・


 だが、実際にゲームの未来はこうなっているのかも知れない。難点は、戦国武将なんてプレイヤーの指示など一切無視しそうなことであるが・・・


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