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誰がために お仕事開始の ベルは鳴る

疲れていても動けなくても、キーボードが打てるのでかいています。コスパの良い趣味ですね。

 結局俺のベッドはシズクが使っていて、さらに言うなら小さな体の俺ですら入り込む隙間が無いほどにすべてを占領されていたため俺はシュバルの部屋に一泊させてもらうこととなった。


 とは言っても夕方に入眠したためか一向に寝付けない。横ですでにシュバルは隣で寝転び、すぅすぅと寝息を立てている。眠れないからといって、しかし今ここでなにかアクションを起こすのも少しためらわれるのは、やはり昨日のアレがあったからだろうか。


 SCiPの異常性が時間帯で発生することはまれである。常設するかのように口を開けて待っているようなSCiPがほとんどで、消照闇子のような例外はあるものの、この世界における俺のような交信によって飛ばされたSCiPの能力を持っているほとんどが夜だから狙ってくるるという訳ではない。あくまでも予測の範疇を出ないが。


 しかし、闇夜というものは夜目が効く者にとって有利なポジションを取ることが出来ることには変わりはない。


『局所的ですが、リンクスの姿をとったSCiPなら暗殺もお手の物かもしれませんね』


 思考を読んでカインが口を出してくる。


「リンクス……あぁ、ヤマネコのアレか。ネコ科のSCiPねぇ。特に記憶にはないな。案外見落としてるだけかもしれんが」


『そうですか。なら安心ですね。暗器を加えて枕もとへ……なんて不慮の事故のような暗殺も行われないということですし』


「そうだといいんだがな」


 なにも夜目が効くのは猫だけではない。人間だってある程度の物は見ることができる。さらに黒目の色が薄い人種なんかはもっと効く、なんて話を聞いたことがある。


 あいにくというべきか、この体は比較的アジア人に近いそれであった。つまり色の違う子の両目、どちらの虹彩の色も濃く、暗色を識別する能力が優れてはいない。


 対策を講じようとカインとあれやこれや議論を交わしているうちに、いつの間にか俺の意識は混濁、闇の中へと吸い込まれていった。


 鳥のさえずりが聞こえ、この世界に来てやっと迎えた三日目の朝日を窓の向こうに見つけた。相変わらず雑多に物が置かれているシュバルの部屋の中をぐるっと見回す。まだ隣から寝息が聞こえることを段々と起きてきた耳で察して、迷惑をかけないようにそっとベッドから降りた。


 もうすでに街には活気があふれているのか、時々建物の前を通る足音がする。


「っん、んーーー!」


 伸びをすると同時に背骨もポキポキとなりながら伸びていく様子を感じ、服を叩いてしわを伸ばした。


「この世界には洗濯とかって概念はあるのかな」


 下着をこの世界に来てから一度も変えていないことに不安感を抱いていると、俺の起床した気配で目が覚めたのかシュバルも起き上がる。


「んにゃ、おはようさん」


「おはようさん」


 起き掛けの目をこすりながらシュバルは立ち上がった。ぼさぼさの髪の毛を手癖である程度おとなしくさせている間にシュバルの目も覚めたようで、はっきりとした表情に変わっている。


「水場に行って顔洗うけど、ついてくるか?」


「あ、了解。一緒に行かせてもらおうかな」


 つむじからアホ毛を一本立たせつつふらふらとした足取りで部屋の外へと出ていくシュバル。それを追いかけるようにして俺も部屋を出た。


 上下水道に関して言えば、日本という国は相当にできた国だと聞いたことがある。それが常識である俺にとってそれ以下、という物の想像はつかない。


 ただ言えることとしては、違和感がないことはイコールとしてそれに近しいものであるということだ。この世界……いやこの街だけなのかもしれないが、井戸水を見る限り水というライフラインに関してはこの地域もしっかりとした整備がなされているらしい。


 俺以外の交信を行った人物がこの街で整備を行ったのだろうか。しかし井戸の具合から見ても最近行われたものではなかったことは明確である。


 この世界に交信で来た人が、このSCiPのバトルロイヤル参加者以外にも居るのだろうか。闇子の言っていたことが正しいのであればそうはならないはずだが、いまだに分からないことだらけだ。


「なに考え事でもしてんだよ。ほれ、順番待ちもあるから早く顔洗えって」


 シュバルが桶に入った水をこちらに渡してくる。それを受け取って顔を洗い、他の人を真似て桶にかけてあった布で体を軽く拭いた。俺に返された桶の中に残った水で、シュバルもまた顔を洗い、体を拭く。


「今日はとりあえずギルドの方に行ってみっか。ほら、採取と見回りの仕事渡しただろ?」


「あぁ、あれね」


「あれをこなすだけで結構貰えるからさー、とりあえず採取の方法とかいろいろ教えてやるから、今日から地道に稼ぎつつ、タイミングをみてヒヒ鳥の討伐に向かうべ。んで、防寒具がそろったら朝露蝶だな」


 そう言いながら髪の毛をかきあげ、オールバックの額に水を滴らせるシュバル。しっかりと整った筋肉が朝の光に照らされていた。


今回参考にさせていただいたものはありません。しばらくSCPに関係のない回が続いていますが、異世界の方の補強という事で。


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対人スキル最強のはずなのに”肥育魔法”特化で何も殺せない呪いをかけられてしまいましたが、それでも頑張っていこうと思います。

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