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足りない、足りない、足りない 3

1000字程度で書こうと思い筆をとるのですが、どうやっても2000字程度まで膨らみますね。

気が付くと10000字ほど書きそうで怖いです。



 少し話は逸れるが、SCiPというものには生物的と非生物的なものの二つが存在する。(あくまでも俺個人の見解だが)


 文字通り、生きているか死んでいるかのSCiPとそもそも生命活動を行っているのか定かではないSCiPのことだ。財団内で有名な要注意団体を例に挙げるとするならば、日本生類創研の絡んだSCiPなどは確実に前者であるし、イワナガ美容組合がかかわっているものは美容製品が主であるため後者が多い。


 SCiPの報告書においてそれぞれの報告書にタグ付けされている文言からもそれは感じ取ることが出来るだろう。


 しかし、だ。


 ――消照闇子という存在は、どちらにも当てはまり、どちらにも当てはまらない。


 人が闇に感じる恐怖を具現化する力を持った殺戮のみを繰り返す化け物、という過去の定義上ではまさしく消照闇子、いやSCP-835-JPは非生物だ。

 

 しかし今となっては財団内全域において消照闇子は美少女キャラクターであると認知されている。この状態では、生物的SCiPと言えるだろう。


 今目の前で倒れているセーラー服の女子高生もまた、消照闇子を自称する何者かであるからして生物的であることは明らかだった。


 なにせ自分を()()()()()()と語らなかったからだ。禁忌とされているこの名前は、このSCiPを収容しようと努力していた元同僚がよく口に出していた。恐怖を紛らわすために。二階級特進を祝ったのは、重さのない骨壺を目にした時だったか。


 少し悲観に暮れすぎた心象を元に戻す。消照闇子の血はとめどなく地面に流れ、血だまりをそこに生成し続けていた。バサバサに乾燥した髪の毛が元のストレートな黒髪へと戻っていき、狂気的な顔も倦怠蝶によって失われた今、無垢な少女のような顔になっている。


「おい、起きろ。おーい。お前SCiPなんだろ。こんなことで死ぬはずはないと思うんだが」


『一応気道確保とかしといた方が良いんじゃないですかね? 私あまり人体に詳しくはないんですけど』


 カインが指摘する通り、俺に寄り掛かったまま気絶している闇子の体を地面に仰向けに寝かせた。


 持っていたナイフを一応回収し揺さぶる。力なく垂れた腕がごろんと半回転した闇子の体に合わせて重力に逆らわずに動く。


 直後、真っ赤な吐瀉とともに闇子が目覚める。倦怠蝶の力のおかげなのだろうか、殺意も怒りも、そして楽しさを感じるその瞳の感情も無くなっていた。左目の出血もまた、無くなっていた。


 悔しそうに腕で目をこすりながら、ぽつぽつと闇子が話し始めた。


「ははは。負けちゃった。一応、ね。これ渡しておくわ」


 そう言って闇子はポケットから紫色の宝石を取り出す。その手渡す力は並大抵の女性ほどしかなかった。


「なんなことか全く分からんのだが……」


「聞いてないの?」


「全く」


「そう。じゃあ闇子ちゃん最後の嫌がらせ。ちょっとだけ伏せて教えて消えちゃいまっす☆」


 消える。そう闇子が言葉にした瞬間、闇子の全身から靄のようなものが噴き出す。


「この世界はまがい物でね、アンタの世界から何人か送り込まれるために作られただけのいわばフィールドみたいなもの。そしてアタシもアンタも、財団職員にしてSCiPに憑りつかれた人間。最後の一人になったらこのインシデントは終わって、また平穏な職員生活よ。アタシ以上にやばいやつがあと六人。それ以外はもう死んだ。■■も、■■も、■も、■■■も、全員。啄まれて、ひねられて、殴られて、蹴られて、ちぎられて、狂って。何が目的なんだかしらないけど、そんだけ。もしこのインシデントが終わって無事に帰れたらさ、エージェント・カナヘビに言っておいて。ごめん、立花ちゃんにカメラ貸しちゃったのアタシだったってさ」


「おい、どういうことだ! おい! 説明責任を要求する。おい。貴様何を知っている。おい!」


 肩を揺さぶり、闇子……いや闇子ではない何者かになんども問いかける。首ががくがくと揺れ、もげるほどに揺らす。


 何を言っているのか全く分からなくて、説明責任があることは自明の理で、そして、そして……コイツは消照闇子なんかじゃない。財団職員だ。


『死んでますよ。その人』


 その一言にハッとして手元を見る。いつの間にか流れ出した左目からの血が俺の右手を濡らしていた。力なく垂れた腕からは、もうさっきまで俊敏に動いていたエネルギーを感じ取ることはできなかった。


「そこで何をしている!」


 後ろから響いてきた言葉に、ハッと俺は振り返った。

この話はこれらの作品に基づいて書かれています。参考にさせていただいたものも載せています。


複数人作成「要注意団体」

http://scp-wiki.wikidot.com/groups-of-interest 本家

http://scp-jp.wikidot.com/groups-of-interest 日本語版

複数人作成「要注意団体-JP」

http://scp-jp.wikidot.com/groups-of-interest-jp

"tokage-otoko"様作「エージェント・カナヘビの人事ファイル」

http://ja.scp-wiki.net/author:tokage-otoko


"kyougoku08"様作「右近の橘、左近の桜」

http://ja.scp-wiki.net/tachibana-cherry-princes

"tokage-otoko"様作「月刊[編集済]19██年█月号 付録より 『レプティリアンは実在していた!? ビデオに映る知的爬虫類!』 」

http://scp-jp.wikidot.com/dancingkanahebi


"Kain Pathos Crow"様作「SCP-073 - "カイン"」

http://www.scp-wiki.net/scp-073 本家

http://ja.scp-wiki.net/scp-073 日本語版

"jabyrwock様作「SCP-3209 倦怠蝶」

http://scp-wiki.wikidot.com/scp-3209 本家

http://scp-jp.wikidot.com/scp-3209 翻訳版

"tokage-otoko"様作「SCP-014-JP-J - 『奈落の悪鬼、黒き翼の堕天使アイスヴァイン』」

http://ja.scp-wiki.net/scp-014-jp-j

"■■■■■■"様作「SCP-■■■ ■■■■」

http://ja.scp-wiki.net/■■■■

"home-watch"様作「SCP-835-JP - ゼノフォビア→消照闇子」

http://ja.scp-wiki.net/scp-835-jp


※1.SCP-835-JPはゼノフォビアに取り消し線が引かれ、矢印は存在しませんが表記の都合上このような形にさせていただいています。

※2.この参考表記内においての■で潰されているところは演出です。表記の分かりにくさを考慮して後から位置等を修正するかもしれません。


後記

知り合いに教えていただいたのですが、本家の要注意団体はSirens様、日本の要注意団体はkasugai_isoya様と表記した方がいいのでしょうか。何か知っている方おられればコメントをお願いします。



面白そうだと思ったりしたなら下のボタンから評価、感想、ブクマの一つでもしていただけるとありがたいです。

モチベーションにつながりますので、人助けと思って気軽にどうぞ。

疑問点、矛盾点、誤字脱字に関する報告だけでも構いません。

よろしくお願いいたします。


また、文章のお仕事を募集しています。

真面目な物、構成、推敲、添削、推しの二次創作など、もしよろしければ。

気になった方はTwitter(@sakasamsakasama)のDMか、またはこのアカウントにメッセージを送っていただければ幸いです。


現在連載中の別作品です。こちらももしよければぜひ。

対人スキル最強のはずなのに”肥育魔法”特化で何も殺せない呪いをかけられてしまいましたが、それでも頑張っていこうと思います。

https://ncode.syosetu.com/n2348hs/

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