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足りない、足りない、足りない 

今回は結構SCP財団の設定よりもオリジナルの設定が大きい話です。

ただ、これに関してはどこを探しても参考資料が無かったので、もし実際のSCP関連設定で矛盾があったら目をつぶっていただけるか、参考になるURLをコメントに送っていただけると幸いです。

出来ればSCP警察レベルの知識のある人にいつか監修していただけることが望みです。

「こんばんは~☆ミ みんなのアイドル、消照けてる闇子やみこちゃんでーっす☆がんばるあなたにさらに一発、私のステージは一回のみって決めてるのに、見ちゃった上で逃げちゃったお客サマ発見~」


見られていた。


数m先、暗闇が支配する路地裏の中で、その少女はアイドルのようなポージングをしていた。


右手でチョキのような手を作り、目元に当てている。片足を上げてポージングをしている辺り、ぶりっこキャラでやっているとでも言いたいのだろうか。


「な~んにも分かってないお客サマにそんなのが憑いちゃったこと、私としては不本意なんですけど、なんにも分かってないみたいで助かりました。消照闇子ちゃん、こう見えてもしたたかなので何も分かっていない若者だろうと遠慮なく殺しちゃいます!」


どうみても十代にしか見えないにもかかわらず、地面をけり上げてそいつは瞬間的に距離を詰めてきた。


地面のえぐれる音が轟音として周囲に響き渡る。サイト勤務で幾度となく聞いた、機動部隊の銃撃音。それのスタートを思わせる音だった。


何も言葉が出ないまま、戦闘がスタートする。片手に本を持ったままだったのがまだ幸いだった。


『チッ……。さすがに早すぎますね』


頭の中でカインがささやく。いかんせん後頭部から声が聞こえるせいで、前以外にも敵がいるように錯覚させられた。


「一応……ッ、戦闘訓練もさせられてるんでね……。体が違っても大体なんとか……ッ」


こちらの事情を知ってか知らずか、一撃目は大ぶりの急所狙い。首の動脈を一撃で狙ってくるその手口はある意味予想がしやすかった。二撃目、三撃目辺りで思い出す。どれもこれも、訓練で見たことのある振り方だった。


「避けられる。が、久しぶりに見るとトラウマを思い出すもんだな……」


戦闘訓練、と言ってもサイト勤務の博士は軒並み適当にこなしていれば終わるような形骸化したものだ。


なんなら「そんなもんした記憶はない」と言う博士の方が多いような気がする。


しかし俺の戦闘訓練はそうではなかった。


対処チームだか機動部隊だかなんだかに所属していたガチの鬼教官が配属されてしまったのだ。


顔面に縦30㎝はあろう古傷をもって、機動部隊と同じ訓練をさせてきたあの教官。


訓練の最終日、実際のナイフで斬りつけてきたあの悪魔。


もちろん訓練であったため、そのナイフの軌道はどれも訓練中に見たようなものばかりで、しかも回避方法も明確なものしかなかった。


しかし、それはあくまでもナイフが本物ではなかったから冷静に見れていたのだと実感する。


その訓練に参加していたのは俺を含め十数人だったのだが、その中でもトップの成績を収めていたやつ。機動部隊配属を希望していた……名前はもう忘れてしまったのだが、そいつが俺の直前だった。


そいつは本物のナイフに恐怖し、動けないまま急所を切られた。助かったことだけは風のうわさでは聞いていたが、結局どうなったのかは定かではない。


そんな光景を目の前で見せられた俺は、もちろん恐怖した。


人生の中で一番の恐怖だったのだ。サイトでの勤務ですら、幸運だったのかこれ以上の恐怖はなかった。


消照闇子のナイフさばきは、その時のナイフの軌道そのままだった。


「アイドルらしからぬ大振り、かわいいと思わない? ギャップ萌えってやつ? これが一番怖いんだぁ……」


にっこりと笑う顔はあどけなく、その技術はもともと消照闇子が持っている技術のようだった。


「人間の根底にある恐怖ってのは、案外安いものだね。消照闇子。もっと根本的な闇に対する恐怖かと思ったら、そんなチープなものだったなんて」


「あ~? 闇子ちゃん聞こえなーい。闇子ちゃんは今しかないのだよ」


そう言いながらも手は止まらない。壁にナイフを当てながら、ブレーキを効かせていないかのようにバウンドさせて同じ速度で刃が向かってくる。


どれもこれも、鬼教官の教えた軌道でしかなかった。


『つまりは、私を使うべき。という結論にしか至らないですね』


「あぁ、そういうことにしかならないな」


俺の反撃は、一歩動くだけだった。


この話はこれらの作品に基づいて書かれています。参考にさせていただいたものも載せています。


"Kain Pathos Crow"様作「SCP-073 - "カイン"」

http://www.scp-wiki.net/scp-073 本家

http://ja.scp-wiki.net/scp-073 日本語版

作者複数人「機動部隊-JP」

http://ja.scp-wiki.net/task-forces-jp

"home-watch"様作「SCP-835-JP - ゼノフォビア→消照闇子」

http://ja.scp-wiki.net/scp-835-jp


※SCP-835-JPはゼノフォビアに取り消し線が引かれ、矢印は存在しませんが表記の都合上このような形にさせていただいています。


面白そうだと思ったりしたなら下のボタンから評価、感想、ブクマの一つでもしていただけるとありがたいです。

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疑問点、矛盾点、誤字脱字に関する報告だけでも構いません。

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また、文章のお仕事を募集しています。

真面目な物、構成、推敲、添削、推しの二次創作など、もしよろしければ。

気になった方はTwitter(@sakasamsakasama)のDMか、またはこのアカウントにメッセージを送っていただければ幸いです。


現在連載中の別作品です。こちらももしよければぜひ。

対人スキル最強のはずなのに”肥育魔法”特化で何も殺せない呪いをかけられてしまいましたが、それでも頑張っていこうと思います。

https://ncode.syosetu.com/n2348hs/

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