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決して俺はすごくない

「ど、どうして人間が我々の魔法を!?」

「逆になぜ、人間が闇魔法を使えないと思っていた?」


 闇魔法は確かに魔族に大きく適合している。

 だが、闇魔法に適合している人間がいてもおかしくはない。


 それが俺だ。


「だが所詮人間が扱う闇魔法……我々には遠く及ばないはずだ!」

「そうか。なら試そうじゃないか。武器を持ちたまえ」


「武器を!? なぜ貴様が俺の攻撃手段を知っている!?」

「それくらい分かる。闇魔法の万能性を魔族のお前なら十分知っているだろう?」


 そう言うと、魔族はぐぬぬと唸る。


「や、やってやろうじゃねえか!」


 虚空に手をかざすと、巨大な斧が出てきた。

 俺が使っているのと同じ《暗黒収納》だろう。


 相手の魔力量は少ないが、ある程度の闇魔法は使えるらしい。


「ジェフ……! これ本当に大丈夫なの!?」


 アリアが不安そうにする。

 まあ当然だ。相手は魔族。人間より遥かに強い存在だ。


 貴族たちが集まってやっと戦える相手である。


「問題ない。ただ、危ないから俺の後ろに隠れていてくれ」

「わ、分かったわ」


「さて。お前が斧を使って俺が魔法中心で戦うのはおかしな話、だと思わないかね」

「何を言っている! ふざけたことを言うな!」


 ふざけたこと、か。

 どうやら俺がしようとしていることはおかしなことらしい。


 虚空に手をかざし、魔剣を取り出す。


「俺も武器を使おう。お互い、物理同士で殴り合おうじゃないか」

「な、舐めやがって……!」


 これでどっこいどっこい。

 俺は卑怯な真似はしたくない。お互いフェアな状態で戦うのが好きだ。


「来い。俺はいつでも準備できているぞ」

「……ならやってやろうじゃんねえか! 死にやがれ!」


 巨大な斧を振り回し、こちらに駆けてくる。

 あんな物を振り回せる辺り、さすがは魔族だ。


 人間とは身体能力が違いすぎる。

 思わず尊敬してしまった。


 少し羨ましいな。

 俺も、あんな強大な力が欲しい。


「考え方も変わってしまったな。これじゃあ本当に悪役だ」


 ぼそりとつぶやき、剣で斧を防ぐ。

 火花が散り、轟音が響いた。


「防いだだと!? 俺の斧を!?」

「闇魔法、その一つ。身体能力強化バフを使った」


「な、なんだよその紋章……お前の額に浮かんでいる紋章はなんなんだ!」

「これか? ああ、闇魔法を研究していたらこんな物が浮かぶようになったんだ。俺もいよいよ人間じゃなくなってきたのかもしれない」


 言って、俺は斧を弾き飛ばす。

 圧倒的な一撃を放ち、相手すらも飛ばした。


 壁に激突し、煙が上がる。


 近寄り、状態を確認した。


「生きているな。安心しろ、殺しはしない」

「くそ……何が目的なんだ……」


 俺は剣を虚空に放り投げる。

 そして、しゃがみ込んで語りかけた。


「お前らの姫に用がある。案内してくれるよな」

「姫様に……し、しかし……」


「大丈夫だ。姫様とは協力関係にありたいと考えている。だから攻撃はしない――状況によるが」

「……分かった。貴様には勝てないと判断した。他の魔族にも伝達する」


 魔族は耳に手を当て、「警戒態勢の解除」を呟いた。

 ふむ。こんなこともできるのか。


 さすがは魔族だ。遠く離れた場所とも連絡が取り合えるなんてな。


「案内する……すまないが手を貸してくれないか」

「もちろんだ」


 手を貸し、体を起こしてやる。

 ふとアリアを見てみると、不思議そうにこちらを眺めていた。


「どうしたアリア。何か気になることでもあったか」

「いや……あなたが化け物すぎて驚いているだけ」


「化け物なのは闇魔法だ。俺はすごくない」

「本当……謙虚なのかどうか分からないわ」

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「この戦いが終わったら結婚するんだ」と言った後、本当に魔王を倒して帰ってきた結果~完全に死んだと思われていたようで、何故か伝説になっていた。いや、その墓は俺じゃない。お前の隣にいる~


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