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圧倒的な実力差

 裏の闘技場までやってきて、俺たちは相対する。

 観戦者も多く、多分領民の過半数が集まっているだろう。


「さて、頭ってことは魔法が使えるのか?」

「使えない。全て、この肉体で解決してきた」


 確かに彼の肉体は屈強だ。

 傷だらけで、まさに歴戦の猛者と言えよう。


「それじゃあフェアじゃないな。俺も魔法を使うのは止めよう」


 近くに置いてあった木剣を手に取り、構える。


「君は木剣じゃなくていい。真剣で俺に向かってこい」

「な……何を考えているんだ? 死ぬぞ?」

「頭が貴族に情を抱いてどうする。大丈夫だ」


 そう言って、俺はニヤリと笑う。


「ここで死んだら俺にはここを変える資格がなかった。大人しくお前に殺されよう」

「……面白い。ナメクジにしてはいい考えかたをしているじゃねえか」


 これに関してはアリアも何も言わない。

 だって、その通りだもの。


 ここで死ぬんじゃあ、国家に反逆することなんてはなからできなかっただろう。


「それじゃあアリア。取り仕切ってくれるか」

「分かったわ。お互い、準備はいいわね?」


 相手は真剣。少しでも油断すれば、俺の上半身と下半身は離れ離れになるだろう。

 対して俺は木剣。真剣に当ってしまったら、簡単に折れてしまう。


「開始!」


 瞬間、相手が思い切り真剣を振るってきた。

 いい一撃だ。多分、そこいらの貴族では避けることなんてできないだろう。


 だが――俺はそこいらの貴族とは違う。


 闇魔法を研究するために失った代償。

 体の半分が魔力に飲まれている。


 そのため、体のステータスは大幅に上昇している。


「おいおい……嘘だろ……!」

「どうなってんだよ、これ……」


 観客が声を上げた。

 なんとも奇異な光景が広がっているからだろう。


「嘘だろ……お前!」


 頭も口をかっぴらいていた。


「これくらいできないとね」


 俺は頭が放った一撃。その真剣の上に片足で立っていた。

 そして、木剣を額に当てている。


「もし俺が持っている剣が真剣なら、君の額には傷が付いている」


 いや、それ以上か?


 ともあれ、そんなことを言うと貴族殺しの体が弛緩する。


「勝てねえ……俺様には、こいつを殺せねえ……」


 俺は真剣から飛び降り、地面に着地する。

 これくらい闇魔法を極めた俺にとっては余裕だ。


「しょ、勝負あり!」


 アリアが闘技場内に入ってきて、俺のことを見る。


「今の何!? これも闇魔法の力なの!?」

「まあな。あ、でも魔法は使ってないぞ」

「??? よく分からないけど、やっぱりすごい!」


 あまりにも興奮してしまっているのか、俺に抱きついてきた。

 ちょ、ちょっと……さすがにそれは恥ずかしい。


「ま、周り見ろ。他の人も見ているんだぞ」

「あ……ごめんなさい」


 咄嗟に離れ、顔を真っ赤に染める。

 ともあれだ。


「ギルドの頭さん。俺を信用してくれるかね」

「……信用しよう。お前ら! 今日からこいつがここの頭だ! 下手なことすんなよ!」


「「「おおおおおおお!!!!」」」


「おいおい、そこまでしてくれるのか?」


 まさか頭認定されるとは思わなかった。

 いや、領主だからある意味頭ではあるんだけど。


「認める。ここは実力社会だ。強い者が弱い者を治める」

「ほう……だが、お前は強かったぞ。楽しかった」


「ふん。笑わせる。そんなに甘くて国家とやりあえるのか?」

「まあ見ておけ。俺には考えがある」


 言って、俺は男と握手を交わした。


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「この戦いが終わったら結婚するんだ」と言った後、本当に魔王を倒して帰ってきた結果~完全に死んだと思われていたようで、何故か伝説になっていた。いや、その墓は俺じゃない。お前の隣にいる~


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