ゴブリン討伐
「ゴブリンの討伐か」
「ゴブリンってあれ? 小さくてすばしっこいやつ」
「そうだな。単体だと別に強くないが、集団だと面倒な相手だ」
「書類を見た感じ集団っぽいわよね」
アリアが持たされた書類を覗き込む。
見たところ、十体程度の群れらしい。
トーリ領の冒険者が討伐しようとしているが、なかなか苦戦しているらしく俺の方に回ってきたということだ。
ともあれ、頼まれたからには徹底的にやる。
「ここら辺か」
トーリ領東部。森の中にて、俺は辺りを見渡す。
木々が生い茂っていて、魔物が生息するにはちょうどいい場所だ。
俺は《周辺探知》魔法を発動する。
これは周囲にある生命反応を確認する魔法だ。
数々のデータが脳裏に写る。
……見つけた。十体程度の群れ。
「アリア。見つけた」
「マジ? 今見てたけど、魔法使ったのよね?」
「そうだけど。おかしなことでもしたか」
「いや……もう慣れすぎて、魔法ってこんなものってイメージが定着したわ」
「まあ、こんなものだからその認識で問題ない」
「そうなのかなぁ」
なんてことを言い合いながら、ゴブリンの群れ付近まで来た。
木の陰に隠れながら、ちらりとゴブリンを見る。
ここは一気に殲滅するべきだな。
「ゴブリン! こっちを向け!」
叫ぶと、声に反応して一斉にこちらを見る。
ああ残念。反応しちゃたな。
おかげさまで、ある程度の人数が固まった状態で停止してしまっている。
この時点でお前らの負けだ。
「《衝撃》」
ゴンっ! と轟音が響く。
衝撃波である。俺は脳を破壊するレベルの衝撃を一気に放った。
完全に蹂躙した俺は、ふうと息を吐きながらアリアの元の戻る。
「終わった」
「お疲れ……というか、あなた本当にすごいわね」
「何かしたか?」
「いや、普通に冒険者が苦労するのを一瞬で壊滅させたのよ?
「闇魔法がすごいからなぁ」
「あなたも十分すごいわ……」
◆
「というわけで討伐してきた」
「素晴らしい! さすがはジェフだ!」
報告すると、嬉々とした様子で声を上げる。
「さぁ僕も君の用件を飲もう! 戦争するんだろ? 戦争なんだろ!?」
「ああ。戦争だ。なんならレミントンには今後泣いてもらうことにする」
「おうおう? どうするんだいどうするんだい?」
「領地拡大……っていうの、面白いと思わないか?」
そんなことを言うと、遂にはトーリは立ち上がって拍手を始めた。
「素晴らしいっっっっ! 僕も戦力を分け与えよう! つまりパーティーで宣戦布告するわけだね? ははははは! 最高に愉快だ!」
「それじゃあ交渉成立ってことでいいな」
「もちろんだ! 日程は追って連絡する!」
交渉成立っと。
さてさて、これからがお楽しみの時間だ。
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