表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/110

8.錬金術士ドワーフの村でお手伝い


翌朝


違う。

俺が求めていたのはこんなことじゃないんだ。

確かにドワーフ、異種族だった。

だが夕べのあれは異種格闘技戦だった。

いや、格闘技とも言えない。

逃げ惑う俺を組み伏せ凌辱する、そんな感じだ。

俺はもっと

うふふやきゃははな展開がよかったんだ。

次から次へ。覚えていないが今までの最高記録であったことは確かだ。


「ねえ、これってどういうこと」

心配して見にきてくれたピピを問い詰める

「ドワーフの風習」

「もっと詳しく説明してくれればよかったのに」

「逃げられたら困る」

おい!

「あらあら、まだ元気ねえ」

そこに宿の受付にいたミミさんが食事を持ってきてくれた。

「でもなんでこんな風習があるんですか?」

「そんなの子供を作るために決まってるじゃない」

「はああああ?人族が生まれたらどうするですか」

「あなあた何も知らないのね。ドワーフが産む子供はまず間違いなくドワーフになるわ」

「え?そんなことあるの?」

「ゴブリンが孕ませたらどんな種族だってゴブリンが生まれるでしょ」

え?そんな当たり前みたいに言われたって。

ゴブリンはいるんだ。

「じゃあゴブリンとドワーフだったら」

「ゴブリンはドワーフは襲わないし、ドワーフだって好き好んでゴブリンなんかとやらないわよ。」

「えーと、エルフなんかは?」

「エルフのことなんか知らないわ」

やっぱり仲悪いのね。

「獣人とかは?」

「あいつら同族意識が高いからまずないわね。」

獣人はいるんだ。ちょっと楽しみ。

「でもドワーフだって同族同士の方がいいでしょ?」

「そりゃそうよ。でもドワーフの男どもは酒と仕事にしか興味がないのよ。まったくないかというとそんなこともないけど、それを待ってたらドワーフが滅亡しちゃうでしょ。だから見境ない人族はドワーフにとって手っ取り早いのよ」

なんか人とゴブリンがかなり近い認識になってる気がするな。

この世界での人間って、どんな立場なんだ。

「ピピはこれに参加したくなかったんだね。他のみんなは嫌々やっているようには思えなかったけど」

「ん」

「ピピちゃんは誰でもいいっていうのが嫌なのよねえ?ドワーフにしてはめずらしいわ」

俺的にはピピの考え方の方が普通だが、まあそれは種族ごとに違うんだろうな。


「それより今日は休んでいんですよね?」

そういうとミミさんがニマッと笑っていった。

「休めると思うの?」

「よし、この村を出る。すぐ出る。」

「あははは、冗談よ。1日は休めるわよ」

「1日は?」

「1日休めば充分でしょ」

「やっぱり出発します」



ドワーフにとっては種族繁栄は重大問題だ

でも人族が泊まらなくなったのは最近になってっていってたな。

「昔はもっと人族が来てたんだよね」

「あたしが子供ができたら酒1年分の褒章をつけたあたりから来なくなったわね。みんななんか必死になっちゃって」

本気で種族繁栄を考えるなら、これはちゃんと取り組まねばな。

このまま誰も来ないと一生幽閉されそうだ。腎虚にはなりたくない。


「この村で一番偉いのは親方なの?」

「ん。みんな親方には逆らわない」

あんた逆らってたよね?

まあそれは置いといて。

「ちょっと親方交えて話ができないかな。このままだとほんとに滅んじゃうよ」

「あたしもそう思うんだけどねえ、親方話しなんて聞いてくれないわよ」

ミミさんはどこか他人ごとのように吐息した。



親方とミミさん交えて今後の宿経営について話しをしようとしたんだが親方は取り合ってくれなかった。

「悪ぃが今、街から大量注文が入っててよ。手が離せん」

「え。でもドワーフの未来の話しじゃないですか」

「そりゃわかってんだがよ。だいたいよそ者のお前さんが首突っ込む問題でもねえだろ」

「そりゃ、そうなんですけど。わかりました。なら僕が仕事手伝いますから」

「がっはっはっは、ひょろひょろのお前さんに何ができるってんだ?邪魔にしかならんだろ」

「鉄の精製ですよね、まあ見ててください」


正直自信はなかったが小ばかにされたのもちょっとムカついたんで錬金術士の力というものを見せてやろう。


まず山積みされた鉄鉱石らしきものから鉄を抽出して格納した。

そこは砂みたいなものが残る。

「おいおいなんだそりゃ!鉄はどうしちまったんだよ」

「まあまあ、あわてないでください。この型にだせばいいですか?」

そういって近くの鋳型に液化した鉄を流し込む。

「どんどんいきますよ。鉄鉱石はここにあるので全部ですか」

「いや、まだ裏に山とある。おい!おまえら石場にこの兄ちゃんを案内してやれ。それと打ち手を全員集めろ。一気にやっちまうぞ」

一気に仕事モードに突入する親方。

余計な詮索されるよりいいが。


「親方!僕ができるのは鉄を取り出すことだけです。鍛冶に関してはまったくわからないんで指示してください」

「おう、そこらへんはまかせとけ」

まさに火事場というに相応しい、上へ下への大忙し。

溶けた鉄を流したり、砂鉄の状態で積んで置いたり。


どこから伝え聞いたのかドワーフの女たちも食事を運んできてまさにドワーフ総出の大仕事だ。

「ところで親方、今回の注文は鉄製のものだけなんですか?鋼とか銀とかミスリルなんかは作らないんですか?」

「おいおい、鍛冶のことはわからんとか言ってたが、よく知ってるじゃねえか」

「鋼を鍛えるにゃ、ちょっと熟練したもんじゃなきゃできねえんだ。もちろん俺はできるがな。鋼装備はの方が切れ味はいいんだが、どうしても時間がかかっちまう。今回は鉄でいいてんで鉄だ」

「銀はどちらかといえば装飾用だからな。好んで使うやつもいるがドンパチにゃあまり向かねえよ」

「ミスリルは性能はいんだが、こんなことまで流通せんよ。まあ、それのせいで人間どもがドンパチしてるんだがな」

出来上がった鉄の剣を鑑定してみたら鉄と炭素でできていた。一緒に置いてあった鋼の剣も鉄と炭素だった。炭素が多いと鋼になるらしい。

それとやっぱりミスリルあるんだ。まあ、それはおいおいでいいかな。


炉の脇に控えてるサラマンダーは火を吐き続けるわけではないらしく、指示がなければぼけっとしてる。金づちで頭を叩かれるとボワッと火を吐いている。

ちょっとかわいい。

トカゲというより赤いウーパールーパーみたいだ。鱗は固そうだが。

ちょっと俺もサラマンダーのお手伝いをしてやろう。


「火力は足りてますか」

作業している若手のドワーフに声をかける。

「ん?そうだな少し火を吐かせるか」

サラマンダーに声をかけようとしたので

「ちょっと僕にやらせてもらえませんか」

「あ?お前火吐けるのか?」

「まさか」

そういって炉に酸素をぶち込んでみた。

物凄い勢いで舞い上がる炎。

「わ!何してくれてんだ!強すぎるわ!」

「すいませーん」

そそくさとその場を逃げ出した。火力の調整は思ったより難しい。



鉄を集めて提供してしまえば俺の手伝えることはほとんどないことがわかった。

でも錬金術の熟練度はあがったんじゃないかな。作業に集中しすぎて手引書のチェックしていなかったな。


 NEW!

 物質を変形してみよう。


 NEW!

 物質を変質してみよう。


おお。なんかできることが増えてるな。

変形と変質か。

「変形、鉄」

手の中で鉄ぐにゃぐにゃと形を変える。粘土のように手で形を整えるというのではなく、イメージした形に変わるようだ。せっかくなんでそこらに並べられた剣と同じ形にしてみる。

ぴろろん

『鉄の変形に成功しました』

「うん、はじめてにしちゃいんじゃないか」


「親方、この剣どうでしょ」

ちょっと自慢気に親方に見せてみた。

「ん?ダメだな」

「え?そうですか?まじりっけない鉄の剣ですよ」

「それがダメだ。柔らかすぎるし脆すぎる」

なるほど。鍛冶職人が鍛えてるのは、鉄を強くするためなんだな。ただ打ってれば強くなるんじゃなくて、やっぱり炭素が必要か。


じゃあ固くすればいいかな。

「変質、鉄の剣、強化」

ぴろろん

『鉄の剣の変質に成功しました』

強化で変質だな。思った通りだ。

ってことは柔らかくもできそうだな。

「変質、鉄の剣、軟化」

鉄の剣がぐにゃぐにゃになる。質感は鉄そのままでゴムみたいな柔らかさになった。

これは面白アイテムだな。いたずらグッズとして使えそうだ。


NEW!

道具を複製してみよう


次は複製か。素材さえあれば同じものが作れるんだろう。さっきはダメ出しされたが親方の鑑定眼がどれほどのものか確かめてやろう。


ドワーフたちが作った鉄の剣をこっそり失敬して複製する。

ぴろろん

『初めての複製に成功しました』


よしよし

「親方、今度の剣はどうですか」

借りた剣はこっそり戻し、自分で複製した剣を渡してみた。

「こりゃうちの剣だな。勝手に持ってくるな」

すごい、ある意味親方すごい。

でもこれができると俺一人で注文分の製作できちゃうな。

黙っておこう。


さて

気を取り直してちょっと自分用の武器でも作ってみようっと。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ