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52.錬金術士凱旋


ローツェまでの帰るのに王様が馬車を用意してくれた。

4人が荷馬車でゆったり寝泊りできるほどの立派なものだ。

マカルーから馬車で1日のところに街が1つ。さらにそこから1日でマルボルクだ。

その後すぐにローツェ王都にいってもよかったのだが、俺たちはアルカサルに行くことにした。

ローツェでも王宮に部屋を用意してくれてるということなのでバーチさんの宿を引き払わなくちゃならない。

それと魔法生物屋の店番ちゃんがクビになっていなければもう少し魔法生物について話しを聞いておこうと思ったのだ。


アルカサルの入口でお礼をいってマルボルクの馬車には帰ってもらった。

このまま町中を進んだら、また悪目立ちしてしまう。


冒険者組合に行ってチェダーさんにも挨拶をしたかったが、すでに夕方だったのでバーチさんの宿に向かった。久々にアン○ミラーズで夕食だ。


バーチさんの宿の1階の酒場は今日も大盛況だった。

ただ俺たちが入ると一瞬急に静かになった。

「おい、もしかしてあれって」

「そうだよ、俺見たことあるもん」

あちこちでささやき声が聞こえてくる。

「バーチさん、ただいま戻りました」

「おかえりなさい。みんなへんたいしんしさんのご帰還だ!」

「おーーー」

一気に盛り上がる酒場。

「あ、あの、これって」

ザクロが面食らってる。

「おい、また一人増えてるじゃないか」

「ええ、いろいろありまして」


「ローツェの英雄が帰ってきたぞー」

「すいません、握手してもらえますか」

「ローツェの王様を顎で扱き使ったって本当ですか」

「闇の魔法で魔族を倒したんですよね」

「マカルーのお后様に手を出そうとして怒られたって本当ですか」

「怪しい薬でダークエルフをメロメロにしたんですよね」

「ローツェの王様とマカルーの王様と三角関係になってるって嘘ですよね」

噂があらぬ報告にいっているがもはや無視でいいだろう。


「大変だったみたいだね」

「ええ、それなりに。でもやっと戻ってこれました。ここで食事がしたかったんですよ」

「そういってくれると俺もうれしいよ」

「ところでバーチさん。ずっと考えてたんですけど新しい制服の提案があるんですけど」

「ほう、聞こうじゃないか」

俺は前々から考えていた制服「ザ・ワイシャツ1枚」についてバーチさんに説明した。

ワイシャツといっても通じなかったが紳士物の長めのシャツということで理解してもらった。

流石にちょっとという雰囲気だったが、そこは月に1度だけで、さらに給金上乗せなら何とかなるはずだと説得して実装してもらう約束をとりつけた。

当日働く娘のやる気を出させるために、ワイシャツデー限定で、銅銭貨1枚を投票用紙代わりに人気投票を行い自分に入ったら分は貰えるということも提案しておいた。

ツーショット写真は撮れないが酔っ払いが調子に乗って小銭をバンバン投票するだろう。


その後は眼福なひと時を過ごす。

制服を借りてピピ、ミケ、ザクロに着せて接客の手伝いもさせた。

ミケはノリノリ、ピピもちやほやされて悪い気はしてないようだった。ザクロはジョッキやら皿やらを落としまくっていたので、早々に手伝いはやめさせた。


お腹も目も満足してバーチさんがそのままにしてくれた部屋に戻る。制服はそのまま貸してもらった。たまにこういうスパイスは大切だ。

その晩は食器を落としまくっていたザクロにピピとミケのお仕置きが始まる。そこに混ぜてもらった。

はわわはわわといいながら喜んでいたようだ。ザクロさん、Mだよね。


次回から3章になります。

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