プロローグ
そして、俺とユキは時代を遡りとある銀河系のとある惑星に到達した。
「此処が………」
「ああ、此処が目的の場所だ」
其処は極限に発達した都市だった。まるで地球にある大都市のようだったが、しかし俺の居た地球の文明レベルを大きく超えた技術力を有している事は明らかだ。
少なくとも、俺の居た時代の地球より文明レベルが一段階から二段階は上だろう。それほどまでにこの超国家の文明レベルは遥かに優れている。素直にそう言えるだろう。
「だけど、それでもこの時代のこの文明は………」
「ああ、そうだな」
そう、この時代のこの文明は滅びた。たった一人の暴走により滅び去ったんだ。これほど高度に発達した文明であろうと、それでもだ。
それほどまでに、無価値の魔物は強大だったのだろう。
それほどまでに、あの男の絶望は深かったのだろう。それほどまでに、
「……………………」
「クロノ君?」
心配そうにユキが俺の顔を覗き込む。どうやら少し不安にさせてしまったらしい。
俺はユキを安心させるように、笑顔を作った。
「大丈夫だよ、別に何でもない」
「そう?もし何かあったら———」
「大丈夫だって、それよりまずはあの男を捜さないと」
そう言って、俺は街の散策に移る事にした。そんな俺の背中にユキの視線が刺さった。
俺はあえてその視線に気づかないふりをしていた。




