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新時代の英雄は終焉世界を駆け抜ける~無限と永遠の英雄譚~  作者: ネツアッハ=ソフ
架空大陸決戦編
73/100

エピローグ

 回帰(かいき)する時間流の中、俺は(かんが)えていた。


 思い出すのはユキとの思い出。初めて出会った時から、今までの記憶(きおく)


 初めて出会ったのは幼少(ようしょう)の頃、両親の論文発表に付いていった時だった。あの時、待合室で一人の少女と出会い話し合ったのが最初(はじまり)だった。そう、あの頃出会った少女こそユキだったのだ。


 きっと両親は全て()っていたのだろう。あの日の夜、出会った少女の話をした時から。恐らく全てを理解していたのだろうと思う。だからこそ、文明が滅びたあの日覚悟(かくご)を決めていたんだ。


 そして、失敗(しっぱい)したんだろう………


 そして、次に彼女と出会ったのは文明が滅びた後の世界だった。


 その時にはもう、俺は彼女の事はすっかり(わす)れていたけど。それでもきっと、彼女は俺の事を覚えていたのだろうと思う。覚えていた上で、(だま)っていたのだろう。


 ずっと、彼女は自分が犯した(つみ)を償う事に必死だった。


 ずっと、罪を清算(せいさん)しようと必死だった。


 (なが)い時の中、人々の怒りと憎悪に(さら)され心をすり減らして。それでも、必死に生きてきた。


 必死に生きて、罪を償う為にのみ費やしてきたのだろう。文字通り、己の心を(けず)って。


 きっと、その頃には彼女は限界(げんかい)だった筈なのだ。彼女は、限界を()えて生きていたのだ。


 罪を償う為に。過ちを清算する為に。


 それが、俺には(かな)しかった。見ていてとても(くる)しかった。きっと、俺はその時には既に彼女の事を愛していたのだろう。愛してしまっていたのだろう。


 何故?理由は分からない。けど、それでも俺は彼女が大好(だいす)きだ。だからこそ、俺はユキにきちんと救われて欲しいんだ。救われて欲しいと思ったんだ。


 だから………


「きっと、(すく)ってみせるからな?ユキ」


 確かな意思を籠め、巻き戻る時間流の中俺は(つぶや)いた。

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