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新時代の英雄は終焉世界を駆け抜ける~無限と永遠の英雄譚~  作者: ネツアッハ=ソフ
世界会談結束編
56/100

プロローグ

 西欧(せいおう)、旧フランス領———とある屋敷(やしき)にその男は居た。


 西欧を()べる。いや、今や旧ヨーロッパ全域(ぜんいき)を統べる総代表。クラウンその人である。


 見た目は至って簡素(かんそ)な衣服を身に纏った、それでいながら輝く黄金(おうごん)のように煌びやかな高貴さを身に纏う金髪の美丈夫(びじょうふ)である。静かに読書をするその姿は、まるで一枚の絵画のよう。


 しかし、やがてクラウンは書物から視線を外し虚空(こくう)に声を掛けた。


「ふむ、来たか………シラヌイ」


「ただいま世界中に声明(せいめい)を発表しました。現在旧日本に向かう準備を整えております」


 瞬間、誰も()なかった筈の空間に一人の青年が現れる。


 狐の仮面を被った黒髪に和装(わそう)の青年。仮面から除く瞳の色は髪と同様の黒。肌の色から推察するに東洋人である事がうかがえるだろう。いや、どう見ても東洋人にしか見えない。


 それも当然の事。彼は生粋の日本人(にほんじん)なのだから。


「………どうだ?君としては故郷の地なのだろう?何か感慨(かんがい)のような物でもあるのかね?」


「いえ、やっぱり特に実感はありませんね。私としてはずっと(ねむ)っていた訳ですし」


「ふむ、それは残念(ざんねん)だ」


 そう言い、クラウンはゆっくりと立ち上がる。


「では行こうか。旧日本に居る君の同胞(どうほう)に、エンドウ博士の子に()いに」


御意(ぎょい)


 そう言って、クラウンとシラヌイを名乗(なの)る青年は部屋を出た。


 物語は、新たな局面を(むか)える。

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