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【エンディング2】


 どうも、今まで見たことが、本当の事とは思えなかったので、起き上がったチェイミーは、すぐに振り子時計の中を確かめてみました。

 すると、ウォルコットさんの住まいだった穴は、跡形もなく消えてしまっていて、あの流麗な白い文字で書かれた青い表札も、どこにも見当たりませんでした。

 とすると、オルゴールの国での出来事は、何もかも夢の中で見た事で、チェイミーは、知らない間に、屋根裏部屋でうたた寝をしてしまっていた、という事なのでしょうか?

 それにしては、ずんぐりしたロジャーの眠たそうな瞳や、お城の屋根から見渡した城下の街並みや、お城の中庭の花園や噴水が日差しを浴びて美しく輝く鮮やかな景色など、細部までまざまざと思い出すことができます。

 そこで、チェイミーはオルゴールを階下に持って降りて、グリーンウェイ伯母さんに見た事を全部話してみようかとも思いました。でも、すぐに思い直しました。こんな突拍子もない出来事が、本当にあったなんて、真面目な伯母さんは絶対に信じてくれないでしょうし、「そんな変てこな作り話は聞きたくないよ!」と、怒り出されるのが落ちだと思ったからです。

 チェイミーはオルゴールを、振り子時計の硝子戸の中に、再度しまっておくことにしました。

 オルゴールの国が本当に存在するのかどうかは、従兄のジョンに、電話で確認してみればいいだけだと気が付いたからです。

 ともあれ、夢だろうと、現実だろうと、オルゴールの国について考えたり想像したりする事は、チェイミーにとって、これからの大きな楽しみになる事でしょう。

 チェイミーは、どんなことがあっても、この日のことを覚えていて、絶対に本当だと信じ続けようと心に決めたからです。

 そうすれば、オルゴールの国は、いつまでも自分のそばにあり続ける事ができますからね。

 私も、チェイミーなら、オルゴールの国を信じ続ける事ができるだろうと思うし、いつかまた、ウォルコットさんやロジャーたちと再会できるのではないか、という気がします。

 オルゴールの国って、そういう事を信じられる子供たちのために、あるような気がするからです。




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