【エンディング1】
ドライヤーで髪を乾かしたチェイミーが、照れくさそうに居間に戻ってみると、グリーンウェイさんはさっきと同じように、老眼鏡をかけて、新聞を読んでいましたが、あのオルゴールは、どこへやったのか、チェストの上にも、テーブルの上にも、見当たりませんでした。
そして、眼鏡を下ろしたグリーンウェイさんは、再び小奇麗になって、おどけてかしこまったチェイミーを満足そうにながめてから、「もう屋根裏部屋に入ってはだめだよ。」と、チェイミーの考えを見透かすように、くぎを刺しました。
お客さんとしてお呼ばれしている身ですから、そう迷惑ばかりはかけられません。チェイミーはそれきりオルゴールの事はすっかりあきらめました。
そして、一週間というもの、グリーンウェイさんから編み物を習ったり、買い出しのために街中のショッピングモールへ連れ立って出かけたり、グリーンウェイさんの友達の一人暮らしのマーブルさんへの差し入れのブルーベリーのタルトを焼いたりと、好ましい姪っ子として、取り立てて目立った失敗もなく過ごしたのち、グリーンウェイさんと作ったたくさんのバタークッキーのお土産をかばんに詰めて、チェイミーは意気揚々と、両親の待つリヴァプールの我が家へと帰って行きました。
完




