2/32
【2】
「伯母さん、このオルゴールなんだけど……。」チェイミーは一階の居間まで降りて来ると、窓際のテーブルで新聞を読んでいたグリーンウェイさんの所に行きました。
グリーンウェイさんはちょっと老眼鏡を下げて、チェイミーを見ると、
「まあ、チェイミー!何て有様なの!」
と素っ頓狂な声を上げました。
そこで、チェイミーがあらためて自分を見てみると、確かに手のひらや、お母さんが着せてくれた、よそ行きの淡い水色のセーターや、木苺の細かな模様入りのコクーンスカートが、ほこりや煤にまみれて、所々灰色や黒のまだらになっていました。
「あなたって子は、一日も女の子らしく綺麗な格好で過ごす事ができないの?」
グリーンウェイ伯母さんは、あきれながら、斑模様の猫みたいになったチェイミーを風呂場に連れて行くと、着ている物を全部洗濯かごに入れさせ、シャワーを浴びさせて、その間に、チェイミーが家から持って来た鞄の中から、替えのよそ行きの服を出してきて、シャワーを終えたチェイミーを急きたてながら着替えさせました。
・【エンディング1】へ




