表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

003.死闘、そして、その結末、そして、第1地上人発見

「この人食い箱めぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」



 頼んでいないのに、ボクの紹介ありがたく存じます。

 ボクの別名を叫びながら、ナイトの男が突っ込んで来ましたよ。

 多少、気持ちは分かりますが悪手です。

 あまりの無謀さに、ボクとしては、拍手してあげたいくらいですね。

 希望するなら、握手でもいいですよ?

 握手も得意中の得意ですからね。


 人食い箱とも呼ばれるミミックは、1歩たりとも動けないですけど、なぜか、回避率は高いんです。

 そうじゃなくても、前世は、古武道道場を経営している御鏡(みかがみ)家の分家として、約700年、殿中武術を極めることを生業としていた家系なんですからね。

 正座しているときに刀で斬り付けられても、銃で撃たれても、後の先をとることなんて、超余裕で出来ちゃいます。

 握手している状態なんて、生殺与奪権を握っているのと変わりませんね。


 そんなボクを相手に、感情任せだけの虚も実も無い大振りな攻撃なんか当たりませんよ。

 当たったとしても、物理攻撃耐性スキルがありますから、生半可な攻撃じゃダメージを喰わないはずですよ?

 疑問形なのは、ここ二百数十年は物理攻撃を喰らっていないから分からないんです。



     ひょい



 こんな感じです。

 回避率99.99%プラス回避率アップスキルは伊達じゃないですよ。

 見た目は堅そうな宝箱みたいですけど、まるでゴムで出来ているように宝箱の外見がボクの意のままに変形するんですからね。

 どんな状態でも、最高のパフォーマンスが発揮出来るように、前世で修行してたんです。

 その前世でマスターしていた『(とお)し』と呼ばれる技は、この世界では『貫通攻撃』『即死攻撃』と言うスキルになっている。


 そして、前世の修行によって無意識で繰り出されるようになったカウンター攻撃は、会心率99.99%…………さらに、会心率アップスキル、貫通攻撃スキル、即死攻撃スキルが上乗せされ炸裂した。

 ボクの前では、ナイトの固い武装も紙同然です。

 いや、紙以下ですね。



      パックンチョ



 今度は、捕縛収納スキルじゃないです。

 捕縛収納出来るのは生きているモノだけですからね。


 ナイトは『貫通攻撃』『即死攻撃』で交通事故で打ち所が悪く死んでしまったように、傷一つ追加させることなく綺麗な死体になったんです。


 わざわざ、捕縛収納スキルを使って男をコレクションし、ヒマなときに眺める趣味なんて…………ほんのちょっとしかありませんよ。

 昔戦った伝説の勇者とか一目を置くことの出来た男たちくらいです。

 べ、別に男に興味があるとかじゃないですよ。

 ただ、いい勝負が出来たなぁって懐かしみたいときに眺めるだけです。



 こほん。



 と言うことで、一目を置けるような男じゃないナイトは、ダンジョンポイントと交換するために、死体にしてアイテム収納スキルで収納したんです。

 レベルの高い冒険者だと、良いアンテッドの素材として高レートでダンジョンポイントと交換出来ますからね。

 さらに綺麗な死体は交換レートにボーナス加算されるんですよ。

 もちろん、武器や防具や所持品は、ボクのコレクターズアイテムとして仕舞っておきます。



「ナイトとソニアを返せ~」



 ナイトはナイトって名前ですか?

 まぁ、興味ないですけど…………。


 黒魔法使いの女が、火属性魔法と土属性魔法の合成魔法『メテオストライク』の詠唱を始めた。

 さすが、ここまで来たパーティの黒魔法使いです。

 これほどの魔法を使えるとは思いませんでしたよ。


 でもでもです。


 いくら強い魔法を叩き込まれても、全属性攻撃魔法無効スキルがあるのでボクには全く効きませんけどね。

 ただ、『メテオストライク』によって階層ボス部屋が壊れるかも知れないです。

 後で、修繕費とか請求されるのは癪ですから、MP吸収スキルを発動させちゃいますよ。

 ブラックなダンジョンだと、謝罪や弁償しろとか言うダンジョンマスターがたまにいるんです。


 おっと、ミノタウロスが頑張ってくれたおかげで、思ったよりMPが少ないです。

 白魔法使いのMPと合わせても500ほどしか吸えませんでした。



「な、なんで魔法が発動しないの? あ、MPが…………」

「あたしのMPも0になってる。…………MPを回復しようにも、魔力回復薬は全部ソニアちゃんが持ってたから……」

「おい、みんな、一度引くぞ、このままじゃ全滅してしまう」

「ボクが援護しますから、早くこの部屋から出て……」



 もちろん、逃がしませんよ。

 回り込みスキルの代わりのひきよせスキルを発動させ、殿を務めようとした狩人を即死させ、パックンチョ。

 呆気に取られたままの残った冒険者たちもスタッフが…………いえ、ボクが美味しく頂きました。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 こんな感じで、1ヶ月。

 このダンジョンの冒険者たちの平均最高到達階層が中層まで引き戻された。


 そう、ボクは無事に踏破の危機のダンジョンを救ったんです。

 それに喜んだダンジョンマスターは、特別ボーナスを出してくれた。



「空が青いです」



 やっと、交換レート15億のダンジョンポイントの交換アイテム『人化スキル』を手に入れたんですよ。

 そのおかげで、250年ぶりに、空の下に出れたんです。

 なので、しばらくは、フリーランスのお仕事はお休みします。


 貯めに貯めたダンジョンポイントは無くなったけど、貯めに貯めた地上のお金は腐るほど持っていますからね。


 悠々自適に旅でもしようかと思います。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 さて、第1地上人発見です。

 いや、たくさんいますね。


 これってあれですか?


 馬車を襲っている盗賊団!!

 面白そうです。


 さて、どっちにつくべきか?

 どちらにもつかずに、両方美味しく…………いや、もう、ダンジョンポイントは集めなくてもいいんです。


 でも、この世界ではボクは悪側の人間…………いや、ミミックです。

 なら、盗賊側?


 そうなると、仕事じゃ無く、人を殺めることになるのか?

 それは、それで、ポリシーに反する気がしますね。


 まぁ、馬車を守っている方についても、仕事じゃなくか…………。



「やぁ、やぁ、やぁ、面白いことをやっていますね。ボクも混ぜて下さいよ」



 とりあえず、相手の反応を待ちましょう。

 ボクにメリットのある方につけば良いんですからね。

 もしくは、後々、面白い方ですね。


 こうして、ボクの第2の人生…………第2のモンスター生?

 まぁ、どっちでもいいけど、幸先良い感じで新しい生活が始まるのです。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ