1話 今日からメイドになります!
おはようございます。つきはな ゆめです。
タイトルが気になって来てくれた皆様、ありがとうございます!
身分差恋愛のトキメクストーリーを書きましたので、ぜひ読んで見て下さい!
それでは第1話をどうぞ。
静かな夜の敷地で、私はある男性と二人きりでいた時でした。
「マリー! 俺と結婚してくれ!!」
私は今、凄い状況になっています。
平凡なメイドの私が、この国の王子に求婚されました・・・。
何でこんな状況になっているかを少しだけ思い返そうかしら?
そう、今から数ヶ月前の事でした。
◯
「ここがお城・・・凄く大きい」
上を向いて眺めたら首が痛くなりそうな程建物が大きく、
隠れんぼをしたら早々見つからないと思う程広い敷地の玄関前にいます。
どうして私がこんな場所にいるかと言うと、
今日からメイドとしてここで働くからです。
うー憧れのメイドになれるんだから楽しみだなー。
そう思っていましたが、私は今困っています。
「どうやって入れば良いの?」
そう、玄関前に鉄格子があって入る隙がありません。
こういうのって警備兵とかいないもんなの?
んーどうしましょう・・・。
悩んでいると、背後から誰かに声を掛けられました。
「お嬢ちゃん。この城に何か用があるのか?」
「え? あ、はい」
後ろを振り向くと、鎧を纏っている男性の方がいました。
警備兵でしょうか? それとも変質者?
様子を伺っていると、相手から話をしてくれました。
「警戒しなくていいぞ? 俺はここの警備兵だ。
今ちょっと仕事をサボっ・・・いや、休憩中だったんだ」
今サボってると言おうとしていたよね。
ツッコミを入れようとしましたが、
初対面でツッコミを入れるのも失礼なので、
私は丁寧にお辞儀をしてから話をしました。
「おはようございます、警備兵さん。
私は今日からこの城でメイドとして働く事になった者なんですけど、
どうやって入れば良いか困っていたところなんです」
そういうと、警備兵の方が何か思い出したかのように驚いていました。
「あー! そういえば王子が『メイドの新人が来るから案内してあげてね』
って言ってたな!!いちよ、名前を教えてくれるかい?」
「はい、私の名前はマリー・クラリスです」
「おう、じゃあ君が本人だな。ようこそ、ヴァレンタイン城に」
警備兵の方が鉄格子の鍵を開けてくれました。やっと敷地内に入れそうです。
入ろうとしたら『お嬢ちゃん。キャリーケースを忘れているぞ』と指摘され、
急いで持ちました。うーお恥ずかしい・・・。
敷地に入ると、綺麗な花壇が沢山あって見惚れてしまいそうになりますが、
今は警備兵の方に案内されているので、後でゆっくりとみましょう。
小話をしながら城の入り口に案内されると、扉の前に着きました。
「扉・・・大きい・・・」
私の身長よりも遥かに大きな扉が目の前にありました。
こんなに大きくする必要ってあるのかしら?
疑問に思っていると、警備兵の方が呼び鈴を鳴らしていました。
「準備はいいか?」
「え、あ、はい」
ドキドキしながら扉が開くのを待つと、
目の前にメイドの格好をした女性が出迎えてくれました。
「おはようございます。初めまして、マリーさん。
私はここのメイド長を務めているメリッサです」
メイド長と名乗るメリッサさんの白髪が余りにも美しく、
顔も整っているので同じ女性でも一目惚れしそうになりましたが、
失礼のないように挨拶を返しました。
「おはようございます、メリッサさん!
こ、これからよろしくお願いします!!」
深々とお辞儀をするとメリッサさんは微笑み、
「覚悟がよろしいことね。よろしくね、マリーさん」
と優しく接してくれました。
メリッサさん・・・絶対に良い人だ!大人のレディって感じがしますね!
今からお城の中をメリッサさんが案内してくれるので、
私が持っていたキャリーケースは他のメイドに預けられて、
何処かに持っていかれました。えー、ちゃんと後で返してよー?
メリッサさんにお城の中を案内されてから更衣室に連れて来られると、
早速メイド服を渡されました。
「わぁー可愛いメイド服ですね!」
「こちらのメイド服は全てオーダーメイドに作られていますので、大切にしてくださいね」
「はい! もちろんです!」
見れば見るほど可愛い服です。
シンプルラインの仕様になっていてワンピースの丈が長めで、
エプロンも真っ白なのでとても綺麗です。
よーし、今日からメイドの仕事を頑張るぞー!!
今回はストックがあるので三日連続で投稿したいと思います!
よろしくお願いします!!