第9話 一撃離脱は基本です。
あれから約3日程かな?今は湧水の部屋で小休止中。
ハイゴブリンを狩っては食べる毎日を過ごしている。
ひとつ、新たな発見がある。
なんとハイゴブリンの血液には毒性がある。
誤って口にしたときはのたうちまわって苦しんだものだ。
生命の湧水が無かったらお亡くなりになってたかもしれない…本当に気をつけなければ‼︎
そんなこんなありながらレベル上げた結果がこれだ‼︎
名前 ショウゴ・クスノキ
種族 ホモサピエンス
年齢 16
Lv.46
生命力 620
魔力 420
筋力 206+30
耐久 16+40
俊敏 378
知力 423
抵抗 591
運 豪運
スキル
隠密 Lv.6
歩法 Lv.6
気配察知 Lv.7
読唇術 Lv.3
聴耳Lv.6
智謀知略 Lv.5
魔術の理 Lv.1
毒耐性Lv.4
称号
Mr.ボッチ
空気と友達
ダンジョン最下層の住人
ゲテモノ喰い
ゴブリン族の怨敵
なかなかの頑張りだと思うだ。
何度か変異種に勘付かれそうになったが逃げ切ってやったよ‼︎
あのときは生きた心地がしなかった。
ステータスの伸びがまちまちなんだがそれには理由がある。
例えば…レベルが上がる前に筋トレなどをして魔物を倒す。
すると筋トレをしてない時より筋力の上がり幅が上昇する。
レベルが上がる時に身体を最適化しているか。だからなるべく負荷をかけておけば若干のボーナスポイントが貰えるみたいだ。
寝る前に適度に筋トレ、ランニング、シャトルランなどをして負荷をかけている。
ただし、人には向き不向きがある!
俺は耐久が何をやってもみじんこ並にも上がらなかった‼︎
此ればかりはどうしようもないので諦めた。
スキルは軒並み上がっている。
ほぼ常時使い続けた結果だ‼︎
いや本当にお世話になってます。
だが、本日の目玉はそこじゃない‼︎
そう!毒耐性だ‼︎
これはゴブリンの毒に侵された後に取得していた。
それ以来毎日少量ゴブリンの血液を摂取している。
これだけ聞けば頭のイカれた野郎だが理由がある。
上に行けば何があるかわからない。ならば出来る限りの対策をして挑まないとと言う訳だ!備えあれば憂いなしというだろ?
大変なんだよ?毎回毎回のたうちまわって湧水飲むのも。
スキルレベルが上がると耐性も上がるから少しずつ摂取量が増えてくし…大変なんだよ?頭おかしくないヨ?
……また称号が増えた。
鑑定した結果は…
ゴブリン族の怨敵
この称号を持つものは、ゴブリン系魔物に親の仇のごとく襲われるようになる。
マイナス要素しかないよ。
いらないでしょ‼︎確かにかなりの数のゴブリン狩ったけど、これはいらない‼︎
もう怖くてゴブリンの眼前に立てないよ‼︎
はぁ、ステータスの確認はこれくらいにしておこう。
この約3日の成果はこれだけじゃない。
ゴブリン狩りの最中ダンジョンのある区画に入ると変異種ハイゴブリン、長いから変異ゴブにしよう。
その変異ゴブにやたらと遭遇する場所があることに気がついた。
調べてみた所、どうやら何かを守っているみたいだという事が分かった。
そろそろ上の階層にも行きたい。
なので今日は変異ゴブの討伐&お宝ゲットで行こうと思う。誰も反対する人なんて居ないけどね‼︎
所変わって、ハイゴブリンの階層に到着だよ。
この3日で歩き慣れた通路をたどり、目的の場所へ。
道中三体程ハイゴブリンを狩り、目的の場所に到着。
壁際から通路の先を確認する。
変異ゴブは何かを察知したのか周りを警戒している。
(少し気負い過ぎたかな…前の時とは違うんだ。楽には行かないまでも、逃げ切ることぐらいは出来るようにはなったんだ。肩の力を抜いて…鑑定っと!)
種族 ハイゴブリン(変異種)
Lv.41
生命力 468
魔力 395
筋力 329+40
耐久 332+50
俊敏 212
知力 157
抵抗 248
運 52
スキル
槍術Lv.2
豪腕Lv.5
闘気Lv.5
咆哮Lv.3
火魔法Lv.2
風魔法Lv.4
固有スキル
剛体Lv.3
(前と変わりなしかな?細かい数値迄は覚えてないが、スキルは変わりないかな?)
唾液で湿らせたボロ布を耳に詰め待機する。漸く変異ゴブがこちらに背を向け歩き出す。
その瞬間、素早く通路に飛び出し変異ゴブの背後まで駆け寄る。
歩法、隠密のおかげで気づかれることなく近寄り、手にした片手剣で防具の隙間から心臓の抉る‼︎
後ひと押しという所で刃が止まる。
変異ゴブの固有スキル、剛体によって刃が阻まれる!
変異ゴブに掴まれた片手剣を諦め短剣に持ち替え、変異ゴブが反転するに合わせて将吾も動いていく。
暫し、敵を捉えようと振り返り続ける変異ゴブと、変異ゴブの背後を取り続ける将吾という…なんとも言えない時間がながれる。
(このままいけば変異ゴブは失血で動けなくなる!出来るならばこのままで…)
痛みと苛立ちで痺れを切らした変異ゴブは息を吸い、憤怒の咆哮を上げる‼︎
スキル 咆哮
雄叫びを上げ、聴いた相手の三半規管を狂わせる。
効果はスキルレベルに依存する。
(くぅっ!此れは耳栓しててもキツイぞっ‼︎)
スキル咆哮の影響で将吾の動きが鈍る。
その隙を逃さず変異ゴブは距離を取る。
方向の影響で鈍った将吾を卑下し、口角を上げる。
槍を腰だめに構え…突くっ!
変異ゴブは更に笑みを深めようとして…驚愕する‼︎
確かに刺し貫いた‼︎だが、その手に伝わってくるはずの感触がなく、胸部を貫かれて笑う将吾に。
困惑し数歩後ずさる。得体のしれないものから逃げるように。
スキル 隠密
気配を消す事ができる。
また、相手の視覚、聴覚の認識を誤認させる事が出来る。
彼我のレベル、スキルレベルによって効果は上下する。
(よしっ!隠密が効いたな!此れならかなり楽には逃げ回れる。隠密先生ありがとうっ‼︎)
訳が分からず混乱している変異ゴブをよそに、咆哮の効果から脱した将吾更に距離を置いていつでも撤退できるように身構える。
暫くして混乱から立ち直った変異ゴブ。
大量の血液を失い灰色の肌が白くなりながらも瞳に殺意の炎を宿し……身体から青黒い魔力を放ち何やらを唱える。
「オグ…ベツカバル…イガニポッサ…ヘガルベサラ…ジン・エドゥビカル‼︎」
詠唱を終え、青黒い魔力が槍に集まり…風の刃が穂先に纏わりつく。
将吾と変異ゴブの間は約10m。
準備が出来、突撃のために腰を落として一歩踏み出した変異ゴブ…は目の前の光景に唖然とする‼︎
目の前にいた相手の姿がぶれて搔き消えると同時に、遥か通路の先をこちらに背を向け走り去る敵の姿。
騙し討ちを仕掛けておいて敵に背を向けにげるだとっ!
お前には戦士としての誇りはないのかっ!
許さぬっ、必ず八つ裂きにしてやる!
憤怒の咆哮を上げて駆け出す!
将吾は走りながら考える。
やはりあの青黒いやつが魔力で間違いなさそうだな。
リビングデッドの時はあんな安定した感じしなかったからあれは暴走で間違いないだろうな。
威力がどれほどかは分からないけど、未知を実践で確かめるほどアホな事出来ないし戦略的撤退がベストだろう。
そんな事を考えていると…
「ゥヴゥオォォォォォォァァ」
鬼の形相で駆けながら槍投げのフォームをとる変異ゴブ。
瞬間、豪腕から放たれた槍は将吾の右側、顔から10cm程離れた場所を通過し壁を穿ち突き刺さる‼︎
ブシュッ‼︎
将吾の右頬から噴き出す鮮血‼︎
(うぃってぇ‼︎掠ってもないのになんで…って、さっきの魔法かっ‼︎攻撃範囲が広がるなんて聞いてないぞっ!それにあんな石壁抉る槍なんか受けたらひとたまりもない‼︎ただでさえ紙耐久だってのにっ‼︎)
壁に駆け寄り四分の一程埋まった槍を引き抜き脱兎の如く駆け出す‼︎
槍を外し、あまつさえその槍まで持ち逃げされた変異ゴブ。
追いかけるために踏み出した脚には既に力は入らず崩れ落ちる。
そのまま彼が目覚めることはなかった。
湧水の部屋で傷を癒す将吾の頭の中でアナウンスがなった。
ポーン
『レベルが上がりました。』
あっ、なんとか勝てました。
ほとんど闘ってないけどね‼︎テヘペロ‼︎
評価や感想お待ちせてます。
もう少しアップテンポでお届けできるように頑張ります‼︎