第3話 地の底で助けて叫ぶ
ポーン!
『異世界言語の最適化完了致しました。』
ビックリした‼︎
頭の中に前触れなく響くから「うぉっ!」とか声出ちゃったよ。
少し恥ずい。誰もいないけどな。
さて、やるか。
やりたくはないが、やらなければ始まらないな。
でもなぁ、気がすすまない。
だって俺だよ?ボッチでヘタレでもやしだよ?あと元いじめられっ子だよ?
これだけ揃えば多少卑屈にもなるだろ?
顔は中の中ぐらいで糸目。あいてないんじゃないかってぐらいなんだよ。
そんな奴が並外れたステータス持ってる?と聞かれて持ってるよって言えないでしょ?
しかし…今の状況でチートなスキルやらステータスやらがないと死んじゃう。
神様なんて信じてないけど、祈らずにはいられない。
「神様、仏様どうか愚かな私に生き残る力をお与えください。ステータスオープン‼︎」
目の前には半透明な板が現れゲームなどで見慣れた各項目と数値、スキルなどが表示されていた。
ステータス
名前 ショウゴ・クスノキ
種族 ホモサピエンス
年齢 16
Lv.1
生命力 10
魔力 20
筋力 6
耐久 4
俊敏 13
知力 32
抵抗 28
運 幸運
スキル
鑑定 言語理解 速読
隠密 Lv.4
歩法 Lv.4
気配察知 Lv.5
読唇術 Lv.3
聴耳Lv.4
智謀知略 Lv.3
魔術の理 Lv.1
称号
Mr.ボッチ
空気と友達
ダンジョン最下層の住人
本当に出たよ‼︎少し興奮するなっ‼︎
しかし…ツッコミ所が多い。
上から順に見ていくか。
名前は普通だな。なんか落ち着く。
種族はなんで学術名なのかはさっぱり分からん。何か意味でもあんのかな?
まぁいいや。
次は年齢だな。
若返ってるなぁ〜って思ってたけどだいぶだな。13歳も若返ってるよ‼︎だから毛が薄くなってたのか。何処かは言わんがな‼︎
ステータスの数値は比較対象がないからなぁ〜
見た感じだと後衛だよな。これで前衛とか無理だよ。なんだよ耐久4って‼︎紙かよっ‼︎かすっただけで死ねるレベルだって‼︎
これ以上状況を悪化させないで俺の身体だっ‼︎
比較できないが明らかに低いだろっ‼︎
あたらなければどうということもないとか言えるほど速く動けないんだよっ‼︎
あと、なんだよっ!幸運って!数値化しろよ!そこだけ文字にする意味があるのかよ‼︎
そして今の状況でその文字の信頼性ゼロだからなっ‼︎
はぁ、落ち着け。
スキルだっ!スキルに希望があるだから悲観する事はないはず‼︎
まずは鑑定だが、鑑定する物がないからな。使えない事はないだろう。ファンタジーでは定番だし。
言語理解は…どうなんだろ?翻訳じゃないから会話できないかもしれない。
また一から学ぶのは骨が折れそうだな。
速読はそのまんまだな。
隠密、歩法、気配察知、読唇術、聴耳、智謀知略は…なんとなくだがもともとあったんだと思う。
なぜかというと、ボッチで元いじめられっ子だからだ!
教室では気配を殺して空気となり、移動の際には足音を消して周囲を警戒。
息を潜めて耳を澄まし、聞こえなければ唇を読み情報収集。
集めた情報で策を練り、いじめっ子達から逃れるための撤退戦。
こんな毎日を過ごしてたんだ、頑張ってるだろ?これらのおかげでスキルLvが高いんだと思う。確証はない‼︎
魔術の理はよく分からない。
だが、このスキルがある事で魔法があることが確認できた‼︎これはテンション上がるなっ‼︎
あとで試してみよう!
称号は…
Mr.ボッチはそのまんまだな。
空気はなければ困るが…友達なのか?
それは100歩譲っていいとしよう。
だが、ダンジョン最下層の住人ってなんだ‼︎なんでこんなとこに住んでることになってんだっ!おかしいだろっ‼︎
テンプレだったら草原とかじゃないのかよっ‼︎うれしくないよ!
なんで開幕から必殺に来るの?必ず殺すと書いて必殺だよ‼︎バカじゃないの?
あーもうヤダ‼︎何なの?死ぬの?俺?
駄目だ‼︎感情が抑えきれない‼︎
そうだ!叫ぼう!ストレス発散だ‼︎
「アアアァァァァァァ‼︎誰かっ!誰か助けてくださぁぁぁぁぁぁいっ‼︎」
ひとしきり叫び終わった後に聴耳スキルが不安な声を…
「ゔぅぅぁぁ…」
うめき声を拾うのだった。
「ふぇ?」
今回も叫ばせていただきました。
絶叫系主人公‼︎
友達にはならないかなぁ
遠目で見て楽しむぐらいで丁度いいかんじですかね?
ご意見ご感想お待ちしてます‼︎