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パラディンの誕生-異端の笑みと太陽の笑み-
ルシウスが護国の剣を受け取っていたまさにその時。
面を伏せたまま、一人の騎士が怪しく笑みを浮かべた。
その吊り上がった唇は漆黒の紅で塗り潰されており、一際怪しさと邪気を孕んでいる。
無論、その笑みに気づく者は一人たりとも居らず、その歪んだ笑みの意味を、今はまだ誰も知らない。
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宣誓を聞いたサンは誇らしさと、希望に胸を膨らませていた。
いよいよ始まるんだね、義兄さん。
僕らの誓いを果たす時が。
サンは積年の思いを胸に、思わず口元が緩む。
この時はまだ、二人の思いは交わっていた。
純粋だった二人の願いは。