えっ……、ここ地球じゃないの!?
「いったい今度はどんな特殊能力を使えるのか、早く見てみたいわ♡」
「そうねー、この街では彼が”10人目”だから区切りもいいし、きっとこれまで以上に素晴らしい能力を持っているに違いないわ!!そうに決まってる!」
「もしかしたら龍王もあっさり討伐出来ちゃったりして~♡」
「キャーーー!、そしたらこの街に王国から報奨金がどっぷり入って来て街は潤って知名度は上がって私たちの収入も多くなって最高じゃない!、キャーーー!」
2人の女の人の会話が聴こえる。
てか片方いちいち声デケェし、片方はなんか声エロいな。
女2人?の騒々しい会話(主に片方)で、遥人は目を覚ました。
目を開けるとそこには、やはり二人の女性が目の前に立っていた。
俺から見て右側の女性。肌や髪の艶がとても艶めかしい。表情や態度が憐憫で、まさに大人の女性、と言った感じ。服装も胸を大胆に開いたもので、その双丘も見るからにかなり大きい。
まぁ一言で言ってしまうなら、美人のおねぇさんであった。
俺と目が合うと、「うふふっ」と艶美に口端を吊り上げた。
ガチエロい...。
続いて左側の女性。見た限り、元気一杯の若い女の子。身振りから活発的なオーラを感じさせる。表情や態度にも自然と愛嬌があり、髪もショートカットで、年若い印象と相まって、とても可愛らしい。
「あら、目を覚ましたのね♡」
「ほんとだ!!めーさました!!」
いやー、目覚ましに美女二人を見れるなんて眼福眼福……、
てそうじゃなくて……
と、そこでようやく気づいたが、遥人はどうやら教会のような建物の中にいるようだ。正面の美女二人の後ろには木製の長椅子がずらーっと並んでいる。
また、どうやら遥人は体を横にしている状態で眠っていたのではなく、椅子に座った状態で眠っていたらしい。
その椅子は、赤を基調に豪華に装飾されたもので。
なんで俺がこんないかにも高そうな椅子で寝ていたのか、てかここどこなん?……と、マジでそう思いました。はい、てかマジで焦りました。だってさっきからずっと引っかかってたけど、なんかここ普通じゃないというか、うまく説明できないけど雰囲気が何となくおかしいというか、まず目の前の美女二人。先程から美女だの眼福だの言ったが、普通に見たらただの痛いコスプレしている人にしか見えませんね。あれだよ、そう……、あんまゲームもやらないしとかアニメとか見ないからよくわかんないけど、ドラ●エとかモ●ハンとかの受付嬢みたいなファンタジックな恰好してます。はい。
そんな美女二人に遥人は、今最も聞きたいことを訊ねる。
「ここってどこですか?、あとそれから…………俺なんか変なことされませんよね??(笑)」
「あぁー、混乱するのも無理はありません♡。ここはあなたの元いた場所ではないのですから……♡。それから私はフューナと申します♡。」
えっ……?どういうことそれ?
「わたしはシェフレ!よろしくね!!」
えっ……?なんか名前ヤバくね?
「心配なさらずとも大丈夫ですよ♡。私たち案内ギルドがあなたがた、異世界からの来訪者様を手厚く歓迎いたしますから♡。」
そう言ってフューネは恍惚に微笑んだ。
えっ……?全然安心できないんですけど。
随分変わったファッションをした人にそんなこと言われても、むしろ不安なんですが………。