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理想のち、現実  作者: 伊佐伊波
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あぁ……、我が青春。

 俺、現役バリバリ高校生こと葉月遥人は、まさに青春を謳歌していた。


 運動神経抜群、成績優秀、眉目秀麗。友達も多く、女子にもそれなりにモテる。(彼女もいます。)

 部活は中学、高校共に陸上部。性格も、自分で言うのもなんだが、結構いいと思う。

 何よりもコミュ力が超高い。大体同学年の奴らはほとんど友達みたいなもんだし、先生からも誠実で努力家だと評判がいい。改めて言おう。俺は性格まぁまぁ完璧だと自負している。自分で言うのもなんだが。


 そんなTHE.RIAL―PERFECTION HADUKI HARUTO,は現在高校二度目のSUMMERVACATION

を迎え、Best FRIENDS,と海に遊びに来ていた。

 総勢十四人の俺を筆頭とした男女半々のリア充軍団。これぞ薔薇色の高校生活。

 

 学校の大人しいクラスメイトたち(INNKYARA)は、俺たちイケイケしているリア充をヤリ●ンだの野猿だの公然猥褻集団だの色々陰で言っているようだが、決してそんな低俗なものではなく、真の友情を深めているだけである。


 あ、あいつ意外と胸あるなぁ……


 俺が他の女子の胸をガン見していたことが、隣にいた彼女にバレたらしく、胸を猫の手のような感じで軽く小突かれる。かわいいなぁ~!

 不機嫌になった彼女に、「大丈夫……俺お前しかみてねぇから。」、と真顔で言ったら顔を真っ赤にしながらも許してくれた。これこそ信頼を重ねたカップルだからこそできるアツアツラブラブである。

 彼女が恥ずかしそうにも俺の腕にその豊満な胸をグイグイ押し付けてくる。

 あぁー…………、気持ちいい。


 俺の友達も周りで、男女が一対一で仲良くキャッキャッしている。


 う~ん。まさにこれこそ真の友情だぜ!

 そう思うのであった。


 

 その後、俺たちはビーチバレーなりスイカ割りなりして青春の海を満喫していたのだが――――――



 「やべ、遠くまで来すぎちまったな………。」

 

 男だけでどこまで泳げるか、と競い合って遊んでいたのだが、気づかぬ内に相当沖から離れてしまったらしく、他の奴らは随分遠くで俺に手を振っている。

 俺も戻ろうか、と手を振って返していたのだが……、何やら様子がおかしい。

 何故だかわからないけどあいつらの様子が慌てふためいている様に見える。てかよく見ると沖からも多くの人が俺に何か言おうとしてる。


 さすがに何かがおかしいぞ、そう思い沖に戻ろうとして―――――――――――



 俺の意識はそこで途絶えた。

 


 

 

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