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閑話 -かの地より-
そこ、どんな時でもブリザードが止むことはない、かの地にて。
かの者は──数百年ぶりに──胸の高ぶりを抑えられず、笑っていた。
少し目を閉じれば、先程の、興奮の色を帯びた様子のカオスの報告が思い出される。
約一時間程前になるだろうか。かの悪魔王カオスが、その声に興奮の色を帯びさせつつ、彼の主──つまりはこの者──に報告を行ったのだ。
奴らが共に一人の人間の内にいると。
その人間が魔道十二門の一柱を打ち破ったと。
そして、この地に向かっていると。
-クックック……!!ちょうどいい。その人間ごと、奴らも-
-今回、こちらにはアレもあるのだ-
-考えるのも忌々しいあの二人。いつも我の邪魔をするあの二人。これまで散々と辛酸を舐めさせられたが……その日々ももう終わりよ…!!-
-ククククク…クックックッ………-
因縁の相手の死を予期して、かの者は邪悪に笑うのだった。
これで一章は終了になります。
これからも頑張っていきたいと思いますのでよろしくお願いします!