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うぉくのふぉそみつ リターンズ  作者: ムッシュ志乃
9月編
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【天高く 木の葉の如く ゆれなずむ】第4話 戦国大学 その3

こんばんは『Walk Now For So Meet』です。さぁ、始まりました『Walk Now For So Meet』は童帝軍代表が女人禁制の学生寮から飛び出してリーベルトさんにオファー、「陣内さんを衆目の前で叩き潰せるとは愉快!」とリーベルトさんが快諾し、出馬が決定してから数週間準備し、迎えた学祭当日からスタートします。さぁ、では、時計の針を学祭一日目に戻しましょう。

「手をかざしたら青に溶けてしまいそうな秋空です。人間に生まれたからには! 一度はここを目指すものッ! 人に好かれ、慕われ、崇められる偶像こそが、アイドルの語源と言います。今、ここに! 万人からの好意を一手に引き受ける学園アイドルを目指した美の怪物たちが4人! 誰が勝っても恨みっこなし! 学園アイドル決定戦をここに宣言します! 進行はみんなの鼓膜をケアするドクターKこと梶井です」


 学祭初日。思えば私は童帝軍に所属し、良崎を擁立してハイジさんたち名家出身者をぶちのめすべくこの数週間、童貞たちと力を合わせてやってきた。それで私は数週間ハイジさん水原さんと話してないしついでにほかのこと何にもやってきてねぇんだけど…学祭ってこんなものだったのかな? 童貞たちと一緒に準備するってことがさ。まぁ、いいや! 勝てば! 私だってセコンドだ。ステージに立って良崎をサポートするんだ! 万歳、童帝!


「全候補者、入場! アイドルとはつまりモテるもの! 一定以上では美醜は関係なし! ノリがいい! 男子ウケがいい! モテない美人よりもモテる普通! 若干自嘲気味だがぁ、学内最大手イベントサークル『ヴェロニカ』が2連覇に送り込む手が届く女子! 茂木美々がやってきたぞぉー!」


 ゴールデンタイムのバラエティに出てくるような十人並の容姿だが、ゴールデンタイムのバラエティに出てくるようなノリのよさ、森ガール系の服装で茂木が、モテそうなイケメンのセコンドを連れて現れた。見た目では良崎にはかなわないが、良崎にはないコミュニケーション能力とノリがありそうだ。イベントサークルでも活動しているという謳い文句に偽りがないのであれば顔も広いだろう。組織票には警戒せねば。


「オレ、オレだよオレ! 陣内だよ! 説明不要、誇り高き高等遊民・陣内一葉が、今年も自薦不可の高級クラブ『高氏院』を率いてやってきた! ×年連続×回の学祭出場の百戦錬磨が送り込んだのは! 容姿端麗眉目秀麗才色兼備! 祖母は昭和の大女優、血統書つきのお嬢様三瀬清子、ここにあり」


 ハイジさんが送り込んできたのは浴衣の美女だ。浴衣系か。一時期はここまで我々に準備させておいて、童帝軍の早とちりでハイジさんは別に参戦しませんよ? とかだったら嫌だなと思っていたがちゃんと叩ののめせる機会を与えくれた神とネルソンに感謝するしかあるまい。三瀬は茂木よりも派手さに欠けるが薄い化粧と穏やかな物腰に非常に好感が持てる。セコンドでついてきたのはハイジさん、水原さん、前期試験の打ち上げパーティで音頭を執っていた警察一家の夏目猿之助氏だ。全員が高貴で穏やかで涼しい表情で、行儀よく礼をして壇上に上がる。

 悪巧みをさせたら右に出る者のいない、最強の矛ハイジさん。その弱点は、自分のプランが崩れた時だ。今までも対決大学や川越バーベキューでその弱点は露呈したが、今回はそのハイジさんの大崩れをカバーして体勢を整わせる最強の盾、水原さんがついている。


「アイドルのことで俺らにかなうと思うなよ、専門家に任せて門外漢はタコ焼きでもやっていろ! アイドル戦国時代、戦乱の世を生き抜く我らの切り札が今ヴェールを脱ぐ! アイドル同好会は花屋敷アサを送り出した!」


 ベキベキベキ…ギャギャズッダン!


「なお、アイドル同好会のセコンドはギター、I-Zuka(飯塚)! ベィース、O-Tsuka(大塚)! ドゥラムス、Naga-Tsuka(長塚)による生バンドIONグループです 」


 イオングループの景気の良い演奏に乗せて最近流行のアイドルっぽくひらひらに着飾った制服とゴスロリの間のようなかっこうで花屋敷が小気味よく躍りながら現れる。生バンドによるインパクトはハイジ組の三瀬、単純に見た目ではイケメン組の茂木を上回っている。そして自らがアイドルであることを自覚しているのか笑顔を振りまき、手を振ったりと細かいことにも如才ない。さすがアイドル研究会、如才ない。


「このイカれた世界で明日を生き抜け! 最強の童貞にだけ受け継がれる一子相伝の称号童帝! 異性とは無縁のこの男が、童貞たちの声でその重い腰を上げたぞ! いったいどんなコネを利用した、良崎=リーベルト・アンナが今、その期待をしょって立つ!」


 そして満を持して我々の良崎が、『3-C良崎』の文字もそのまま、高校の時のジャージを着て壇上へと上がる。これまで温められた歓声の種が、まるでオチでも見せられたかのようにざわざわとてんでばらばらの方向に沸き立つ。

 森ガール茂木!

 浴衣三瀬!

 オーソドックス花屋敷!

 ジャージ良崎!


「我々の奇襲作戦は成功のようだ」


 切れ者よろしくメガネのズレを修正して呟く小林氏を先頭に私とユダも続いてステージに上がる。ハイジさんの前を通り過ぎる一瞬、渾身の力で睨みつけてやったら口の動きで「ばーか」と我々をさげすんでいるのがわかった。


いかがだったでしょうか戦国大学第3夜! 次回、いよいよセリフがあります。小林くんがリーベルトさんに授けた秘策とは、奇襲作戦とはいったいなんなのかいよいよ判明しますよぉ。お相手はドクターKでした。次回もお楽しみにぃ!



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