【天高く 木の葉の如く ゆれなずむ】第3話 戦国大学 その2
こんばんは、『Walk Now For So Meet』です。先日から始まった戦国大学、未だサブタイトルだけでその内容が全く明らかになってませんが、主人公の曾根崎忠は『性器待つ』と名乗る男たちに拉致されて学生寮に行くことになりました。そこで待っていた童帝くんと小林くん。そして童帝くんが放った一言は、なんと学祭で陣内君を倒すために曾根崎くんと小林くんの協力をあおぐということ! 忘れられていると思いますが、童帝くんと曾根崎くんと小林くんは7月編で会っていますが、ハイジ妹こと陣内二子さんが後始末として記憶を抹消しているので曾根崎くんたちは初対面だと思っています。ナビゲートは、ドクターKでした。それでは、また後枠でお会いしましょう!
あまりにも状況がつかめずに冷や汗が額に浮かぶと、童帝は眉をピクリと動かした。
「すまんな、冷房はない。俺たちは皆貧しい」
そして茶棚の引き出しから一枚の紙を引っ張り出し、私と小林の眼前にそっと置き、腕組みをした。
「……学園アイドルグランプリ?」
「今年の学祭のメインはそれだそうだ。学祭のメインイベントは毎年違うが今年は昨年好評だったミスコンの質をより高め、ルックスだけでは勝ち抜けないアイドル性を重視したコンテストになるそうだ。曾根崎、君は知らないかもしれないが、本学の学祭は熱いぞ。サークル、クラブ、部活、様々な集団が沽券を賭けて本気で争う。そして俺たち性器待つのライバルは名家出身者で構成され、卒業後も学閥としてのブランドを持つ有閑クラブ『高氏公風院』、そしてイベントサークル『ヴェロニカ』だ。昨年は女性に縁のない我々は涙を呑んでの辞退となったが今回はどうしても負けるわけにはいかないのだ。そして、勝算もあると俺は踏んでいる」
「良崎……」
私がそうつぶやくと、童帝は正解だと言わんばかりに私を指差した。
「あの女は化け物だ。あんな美貌が許されるものなのか。早い話が、昨年のような外見の美しさを競うものならすでに良崎=リーベルト・アンナの前でほかの候補は恥をかくだけ、入学の時点で不戦勝と言っても過言ではないだろう。そこで彼女にコネを持つ君たちの力を借りたい」
童帝が頭を下げると、シュウがあわあわとし始めた。
「童帝様、やめてくださぃ! そういうことをするのは俺たち下っ端の役目です! すみません、俺たちがクソバカ野郎のゲロカス陣内の鼻を明かしたいなんて言ったから!」
「見苦しいぞシュウ。他人のメンツを負えば、重みで自然と首を垂れるものだ。頭を下げられぬリーダーなど責任の重みを知らないと同然。そして陣内はかつての親友だ。あまり悪く言うな」
なんだ、この人。すげぇいい人じゃないか! 童帝とかいう不名誉なあだ名をつけられているのに反論もしない、なんという懐の広さ!
「童帝さん」
私は童帝よりも低い位置に頭を下げる。
「僕にできることがあればお力なりましょう」
「ちょっと失礼します。もしもし小林だ。僕たちは学祭でなにをやるんだっけ? 『カムイ外伝』? そうか。いいかい、それは犬にでも食わせろ。『演劇部』は今日より童帝の下につき、学祭ミスコンを制覇するために動こう。よし。追って連絡するよ」
小林氏は携帯電話を盆の横にすっとおき、両手をついて童帝に頭を下げた。
「『演劇部』49名、童帝の勝利のため尽力いたします」
頼もしいじゃないか、構成員たち。
「フ、性器待つ31名、『演劇部』49名。そのうち、立候補者に3人のセコンドをつけることが出来る」
柱にもたれかかっている長髪の気取った男が独り言のように言った。
「童帝がセコンドにつかないのなら、この俺がつこう」
「アンタは、学生寮一パソコンに強い男湯田!」
「いかにも、俺は美しい!」
ビシィッと私を指差し、ユダが自分の登場シーンをバァーン! と決める。久しぶりの再会だ。真夏のハンガーストライキもとい芥川龍之介を偲ぶ会以来だ。
「童帝はあまりにも純粋、女性と話すことはできない」
「童貞だからな」
「そう、童帝の童帝たる童貞だからな」
「だが、童貞にも童貞の意地がある。今こそ立ち上がる時」
童帝がすっくと立ち上がる。
「性器待つ『演劇部』連盟、名付けて童帝軍! これより、良崎=リーベルト・アンナの協力を仰ぎに行くぞ!」
おぉー! と拳を握りしめ僕らは出会った。キープュオアバーニンかーけぬーけてー、と頭の中で歌った。
いかがだったでしょうか戦国大学第2夜。次回、いよいよ当事者が登場しますよぉ。次回もお楽しみにぃ!




