【あおぐよし 夜に咲く花待つ 午睡よし】第15話 関越リベンジ その13
‐ガチャガチャカジノ ルール説明‐
・一人持ち点100を、ガチャガチャの景品最大3つに賭ける。持ち点の配分は自由。一つに100点賭けるも良し、3つに均等に33点ずつかけるも良し。
・その景品が出たら代金×賭け点が得点となる。(例:一回200円のドラゴンボールガチャガチャでピッコロに30点賭けてピッコロが出た場合、30×200=6000点)
・ガチャガチャはプレイヤーの数だけ回す。
「だから今回はビールを希望する俺、水原、リーベルトで3回。決戦は『地域限定 ラベンダーハリウッドセレブガチャガチャ』にて執り行う。じゃんけんよりも緊張感あるし、異論はないな」
しょうがない、と言った面持ちで水原さんと良崎はガチャガチャを覗き込む。ご当地キューピーのようにラベンダー色の着ぐるみを着させられたハリウッドスターのガチャガチャのようだ。
『ラベンダージャック・ニコルソン』
『ラベンダーリーアム・ニーソン』
『ラベンダージム・キャリー』
『ラベンダーヒース・レジャー』
『ラベンダートミー・リー・ジョーンズ』
『ラベンダークリスチャン・ベイル』
『ラベンダーアーノルド・シュワルツェネガー』
『ラベンダーモーガン・フリーマン』全8種。
需要があるところにはありそうだろう。
「点が高かった順に欲しいものを指名。ビールが三者競合の今、ビールを注文するチャンスを有するのはこのガチャガチャカジノで一位を獲得したものだけだ」
「よしっ! やってやる! わたしはやってやりますよ! 『リーアム・ニーソン』に50点! 『トミー・リー・ジョーンズ』に30点! 『クリスチャン・ベイル』に20点です!」」
ロボコップこと高見盛のようにバチンバチンと気合を入れながら良崎が己を鼓舞している。
「俺は『モーガン・フリーマン』に33点、『トミー・リー・ジョーンズ』に33点、『ジム・キャリー』に34点」
「細かいですね。意外と気が小さいんですねハイジさん」
「うるせぃ。俺は勝ちたいんだ。水原は?」
「じゃあ、わたしは『アーノルド・シュワルツェネガー』に100点」
おぉー! と我々全員が水原さんのあまりの蛮勇に奇声を上げてしまった。それではシュワルツェネガーでは一気に20000点入るが、シュルツェネガー以外では点が入らないのだぞ!! ギャンブラーすぎるぞ水原さん! ホームランか三振か、それこそ助っ人外国人のようだ! 酒好きといい、一歩道を踏み外していたら酒好きギャンブラーというそこそこに危ない人生を歩んでいたんじゃないのか?
「よし、じゃあわたしから行きます」
シャアコラーと気合を入れながら、百円硬貨を二つ入れ、レバーを回す。ガチャリガチャリと硬貨と景品が落ちる二度の音の後、カプセルを開いた良崎は鼻をくすぐる香しいラベンダーの着ぐるみに身を包んだ、渋い顔の名優の頭を摘まんでこちらに向けた。
「『トミー・リー・ジョーンズ』!」
ハイジ ― 33×200= 6600ポイント
水原 ― 0×200= 0ポイント
良崎 ― 30×200= 6000ポイント
「いよっしゃあー! ノーリスクノーロマン作戦的中!」
スタートダッシュで首位を走るハイジさんがガッツポーズを決める。30点とはいえ、自らの手でトミー・リー・ジョーンズを引き当てた良崎もまんざらでもないようだ。
「おやおや? 水銀さんは、戦線離脱ですかなぁ?」
「いや。まだまだですよ。まだあと2回残ってますから」
と余裕の表情の水原さん。やっぱりギャンブラーの素質があるのかもしれない。プレッシャーも感じずに硬貨を入れ、レバーを回す。
「『ラベンダーアーノルド・シュワルツェネガー』です」
「嘘だろおい!」
私も間抜けに口を開けて呆然としてしまった。ちょっと水原さん、カジノ行ってみないか? 関越なんてどうでもいい。ラスベガスに行こうじゃあないか!
ハイジ ― 0×200= 6600ポイント
水原 ― 100×200= 20000ポイント
良崎 ― 0×200= 6000ポイント
「あ」
何かに気付いたのか、良崎が膝をついて崩れ落ちてしまった。
「50点当てても逆転出来ない」
6000+50×200 < 20000
6600+34×200 < 20000
コールドゲーム成立!!




