表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
うぉくのふぉそみつ リターンズ  作者: ムッシュ志乃
8月編
84/185

【あおぐよし 夜に咲く花待つ 午睡よし】第11話 関越リベンジ その9

「車がくさい」


 川越でしゃぶしゃぶ焼き食道楽を果たした我々の精神力の余裕はほぼ皆無に等しかった。反撃に成功して上機嫌の良崎も肉と麩菓子のみの焼肉パーティは応えたらしく、後部席、また謀反を起こされる可能性も鑑みてハイジさんが再び運転席に座ることになった。


「焼肉くさい。なぁ、リーベルト。おぉい!」


 ちなみに先ほどまでのハイジさんは『号泣』『激怒』『轟吐』に尽きる。肉の焼き始めはまだ、良崎の奇襲を甘んじて受けて、それでもなおケロリとして返り討ちにしようと意気込む場面も見えたが、あまりにも凄惨すぎる肉の山とはじける油の前に体がギブアップを宣言、涙をふかねばならなかった。これが新たなリベンジの火種にならねばよいのだが。焼肉リベンジとかまっぴらごめんだ。


「これでリーベルトの運転だったら名家出身、容姿端麗、頭脳明晰、そしてカリスマの『陣内一葉』はもう終わってた。今、運転してるだけでも俺は満身創痍なんだから」


「満身創痍はハイジさんだけじゃないでしょう」


 苦しそうに息を吐いた良崎も、後部座席で体をできる限り伸ばして楽な姿勢を探している。メンタル面では最も難を逃れた良崎だが、そのリベンジのための小芝居「肉を食べることを楽しむ」の演技で一人だけ肉と麩菓子で満腹にしてしまったため、肉体面では最もダメージが大きく出ている。


「いいや、リーベルトの運転ならもう俺たちは満身創痍じゃないね。瀕死状態だよ」


 カチッ という音がどこかで鳴ったような気がした。もし、鳴っていたのだとしたら、それは良崎が満身創痍のハイジさんに反撃を試みるために再び戦意を起動した音だったのだろう。良崎は体を起こしてハイジさんの後頭部をにらみつけている。


「なんです?」


「お前の運転が下手だったって言ってるんだ! なんだお前は、ブレーキとアクセル踏みすぎなんだよ! 赤信号ではグイって止まって青信号ではギュインって出やがって。運転が下手だって言ってんだよ。酔うんだよ、お前の運転は。今運転してるのが俺だからまだ満身創痍で済んでるだって言ってんだよ、ヘタクソが」


「なんだと陣内。銀さんもそう思いましたか?」


「そうねぇ。車に牛乳を入れたおいしいフルーチェになりそうね」


 なぐさめているはずなのに慰めになって言葉を水原さんがやさしく良崎にかける。


「ほら言ったじゃねぇか。俺たちはもう『演劇サークル』じゃねぇよ。『満身創痍サークルの満身ソユーズ』だよ。肉だけ食わされて車乗ってお前の運転だと吐いちまうんだよ。なのに俺の運転は吐かない。お前本当に自動車学校出たのか? 運転ド下手なくせに肉ばっかり食わせやがって」


「そういえば、ハイジさんって肉食べられないんじゃないんですか? かわいそうで」


 受けて立つとばかりに良崎もその気になり、二人は礫をぶつけ合う。


「勘違いするな、俺はかわいいキャラがいると食えないだけだ」


「さっきかわいいさつま芋を思いっきり攻撃してたくせに」(川越が日本に誇るゆるきゃらときもくんはさつま芋です)


「あの状況じゃさつま芋を食えねえってだけで別に食われるキャラ単品なら平気だ馬鹿野郎」


「あ、ハイジさん、高速入口あっちです!」


 地図を熟読していた水原さんが突如声を上げた。しかしハイジさんは下の道のほうが空いているはずだからとその声を無視し、車を進める。


「そうやってインチキして。関越リベンジなのに、ハイジさんは太陽の下を歩けるんですか? 罪を重ねないほうがいいんじゃないですか?」


「俺たちのリベンジは藤岡より先だ、って何度言ったらわかるんだ」


 しかし、ハイジさんの目論見も儚くも崩れ去る。乗り継ごうとして東松山ICまで道のりは、高速道路と同じくらいの渋滞を見せていたのだ。これなら大人しく負けを認めて川越に戻って高速に乗ろうという私は水原さんの説得もむなしく、良崎との戦いで頑固のスイッチが入ってしまったハイジさんは、東松山から関越に乗るの一点張りだった。

 これが後に、とんでもない事態を招くことになるとは、この時点では誰も知る由はなかった。


【自己批判】

入院していたので一回飛ばしです。活動報告をお読みの方はご存知かもしれませんが、ここ最近記憶力、集中力、聴力、ひっくるめて言語系に軽く障害が出ており、物忘れも激しく、8月に頭を強打して6針縫った時の後遺症かと思っての検査入院でありましたので、あの病院で最も健康な患者でありました。

脳の写真(MRI)、知能テスト、心理テストの結果、IQ122と東大生の平均を上回るIQが出ました。こんな作品しか書けないのに。

脳に問題はなかったので、精神的なものが原因ということになりました。具体的にはパワハラです。これによって解離性転換障害というものが出たようです。簡単に言うとストレスのキャパを超えると頭がパーになるというもので、僕はキャパも狭いとのこと。

パワハラは会社のお偉いさん、ハロワ、労基などに相談しておきました。震えて眠れ上司。倍返し、いや、122倍返しだ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ