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うぉくのふぉそみつ リターンズ  作者: ムッシュ志乃
7月編
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【笹の葉に 結ぶ短冊 おもうもの】第4話 期末だヨ! たくさん集合! その3

「あれは学生寮『性器待つ(せいきまつ)』の輩だ」


 学生寮『性器待つ』? 聞いたこともないぞ。


「やっぱりからかっていませんか? そんなの聞いたこともないですし、そもそも寮に入ってるってことは学生なんですよね? いくら学部が違うとはいえ、あんなかっこうの人が同じ学内にいたら一度見たら忘れません!」


 良崎がバイクの男を指さして言う。尤もすぎる意見だ。モヒカン、上半身裸、筋骨隆々な男など一度見たら忘れるわけがない。


「が、学生寮『性器待つ』は……男のみで構成される女人禁制の自治寮! 童貞、毒舌、ダメ人間の3D!」


 小林氏が詳しいところを見るとやっぱり私達は一杯喰わされているんじゃないだろうか。


「そしてあの男は! 度を越えた××××をする女いらずの童貞の鑑! 自慰度(ジード)だ!」


 コイツ最低だわと、下ネタが嫌いでもない私も流石にひく。良崎と水原さんは口内炎の位置を舌で確かめるような面持ちで虚空を眺めている。夏目氏はまるで刀のように冷たく目を細めた。


「陣内! 貴様どうしてくれる! 馬鹿野郎どもが貴様のせいで湧いてきているぞ!」


 拡声器を構え、内臓が縮み上がるような怒声を放つ。


「馬鹿野郎どもとは言ってくれるじゃないか夏目ぇ~!」


 あまりにもひどい異名だが本名も別の呼び方も知らないので便宜上、カタカナでジードと記すが、ジードも負けじとばかりに声を張り上げる。


「陣内~お前は好きなようにやれよぉ~! どうせ俺たちは就職活動で社会からはじき出される身だ、今のうちに秘匿大地祇の力で暴力が支配する世界にしてしまえよ~!」


「ならん陣内! 社会には秩序が必要だ! 秩序とは規律を守る自制心があって成立するもの、暴力などもってのほかだ! ジード! 社会から身を投げるならば一人で投げろ!」


 夏目氏とジードがハイジさんに語りかける、という形を取ってお互いの主張で舌戦を繰り広げる。


「暴力はいいぞ陣内~!」


 次の瞬間、腹に据えかねてかバキン! という例の蹴破る音と同時に『演劇サークル』の部室の扉が板と化し、高氏院のキャンプに墜落する。部室に目をやると、目を真っ赤に泣き腫らしたハイジさんが口を真一文字に結び、霜柱のような眼差しで我々を見下ろしている。そして先の『対決大学』の三回戦即ち流しそうめん大食い対決での流しそうめんバズーカの砲口が、悪魔の眼孔のように我々を捉えている。

 ぼぅふ……

 そのバズーカを上空に向けてハイジさんが発射すると、照明弾のように撃ち上げられたそうめんが空中で拡散し、


『夏目vsジード ジェントルマンスイカ割り対決』


 の文字をなした。ほぼ全員がその意味がわからずにぽかんと首を傾げていたが、夏目氏のみ「説明しろ陣内!」と激しい追及の声を発した。踵を返しかけたハイジさんは懐から一つのWiiリモコンを取り出して叩きつけるように投げた。その衝撃で壊れ散った部品が、どうも良い具合に『ジャッジ こばやっちゃん』と並んでいる。


「絶対怒ってないよ。だってこばやっちゃんって言ってるもん」


 と良崎がぼやいた。


「で、どうせ小林さんがジャッジってことは『ジェントルマンスイカ割り』のルールも知っているんでしょう?」


「僕かい? 知らないでもないんだが……」


「もう、やればいいじゃないですか。僕はもうわかりましたよ。絶対、ハイジさん怒ってないですよ。僕たちをビビらせるためにこの芝居を打ったってことはもうわかってるんですよ。本人がそれに徹底できていないってだけで」


 私ももうあきらめた。


「そうですよ。ドッキリ茶番劇に一日付き合って公欠扱いになるんなら安いものです」


 私と良崎の緊張の糸は切れている。水原さんはまだドッキリ茶番劇に付き合うつもりなのか、対決という言葉に過敏に反応して眉を八の字にしているが、これも水原さんなりのハイジさんへの仕打ちの反省なのだろう。そもそも、焼肉が食べられない、までは私がハイジさんから聞いたことだが、その後の『コアラのマーチ』『うさぎに切ったリンゴ』『ふりかけ』のことを暴露したのは水原さんだ。その後、ハイジさんをキレさせたのも悪乗りした良崎だ。我々に非がある。

 よし、反省しよう。俺たち。


【自己批判】

これ書いてる頃『真・北斗無双』が発売されてアホほどハマってた。

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