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おいでませ異世か・・・え?母国?

「意味がわからないよ!!?」

「つまりそういうことよ、察しなさい。」

「無理だろ!?」

扉を開けたら、一面真緑の平原でした。

・・・なんて笑えない。

あの時は・・・うんまあふつうに。普通に帰宅して、家のドアを開けようとした。てか開けた。それだけなはず。

なのに目の前に広がったのは平原で否応なしに吸い込まれた。

正直頭がついていかない。ついていけない。しばらくポカンとしていたがとりあえず現状況を把握するために行動を開始することにした。あくまで過去形だ。

動こうとした、その矢先。

――空から母さんが降ってきた

「えええええええええあぁあああああああああああああ!!!?」

「あら~安曇君じゃない・・・いいわ、受け止めてみなさい!」

「意味がわからないよ!!?」

母さんはなんていうか・・・ふわふわした人だ。

変わらずの美貌を持つ地元じゃ少し有名な不変の奥方、そして俺の母親であるその人

貴乃有彩(たかのありさ)である。

ぶっちゃけ天然も入ってるだろ。ありえん。

空から真っ直ぐに落下して来る母さんを受け止めろって・・・いや無理だからね!?現代男子高校生の腕力なめんなよ!?

だけどまあ、避けるわけにもいかないわけで。

いくら天然だって母さんだって、見た目は超絶美人さん。

そして・・・怒ると怖い。

そりゃもう・・・怖い。

ということで細腕高校生。頑張って受け止めてみようと思います。




・・・はい無理でしたー!

案の定俺を下敷きにこの地に母さんは降り立った。

重いとか言わない。そこ、死亡フラグだからね、覚えといて。



母さんには悪いけどごめん、

「回復まで、ちょっと待って・・・」

「あら?安曇君も情けないわねぇ~」

「無茶言わないでよ・・・」

「んーそうね・・・受け止めようとしてくれたことに気概を感じたので、5分だけ!ね?」

「了、解・・・」

いつになくいい笑顔を浮かべている母さん。

これは・・・嫌な予感・・・

けどまあ、5分はくれたのでゆっくり考えさせてもらうことにする。


扉を開けたら異世界に吸い込まれて、考える間もなく母さんが降ってきた。

あれ?てことは何、もしかして俺も同じように降ってきたのか?

思わず目を閉じちゃったから、吸い込まれた瞬間どうなったのかはわからなかったけど

まあ少なくとも衝撃は感じなかったし怪我も見つからないようなので良しとしよう。

周りをぐるりと見回してみる。

基本的にだだっ広い草原だ。右手に森、左側は地平線の向こうに山が見える。

あとは・・・特に何もない。

・・・玄関の扉を開けてここに来た、ということはつまり・・・あちら側、ということなのだろうか。信じられないし信じたくないが。

ただの高校生だよな?俺。

選ばれるような奴でもなければそんな一族に生まれた記憶もない。

・・・うん、どういうことだろうな?


「はい安曇くん約束の5分です。」

「了解です」

だだっ広い草原に正座して向かい合う俺と母さん。

シュールな光景である。なんで正座なんだろう。

「まずね、言わなきゃいけないことがあるの。

 ―――安曇くん、安曇くんはこっちの世界とあっちの世界のハーフさんです☆」

「・・・は?」

「お母さんがねーこっちの世界・・・んー魔法界って習ってるわよね?魔法界の出身で、お父さんが科学界の出身なの。で、安曇くんも、ようやく16歳になって渡界法にも触れない歳になったでしょ?だからこっちのことも知ってもらおうと思って、連れてきちゃいました。」

「ちょ、ちょ、ちょっと待って、何それ、つまり母さんは・・・」

「なので安曇くんはハーフです☆」

「あ、俺の話はスルーですね」

「じゃあお迎え呼びまーす。お父さんもそのうち来ると思うけどあの人は慣れてるから大丈夫でしょ。」

そう言うと母さんはおもむろに立ち上がりどこから取り出したのか細長い銀色の笛を吹く。

「ということで、あとしばらくすると家の人たちが来るから、そのあいだだけ質問に答えまーす。」

「は?え、あ、えっと、・・・じゃあ、俺はなんなんです?」

「シュタツーレ王国ヴァーハイド領の領主様である私の父様の可愛い可愛い初孫です。」

・・・深く考えないでおこう・・・

「ここはどこ?」

「んーこの景色だけじゃ何とも言えないけど・・・多分中間地だとおもうわよ。」

「中間地?」

「そう、まあ詳しいことはそのうちわかるわ。」

・・・謎が増えた・・・





用語解説。


科学界・・・主人公、安曇が生まれ育った世界。科学が主となり発展した世界。主種族として人類が繁栄している模様。

魔法界・・・主人公の母親が生まれ育った世界。魔法が主となり発展した世界。主種族として魔族が繁栄している模様。

シュタツーレ王国・・・魔法界の8大陸のうちの2番目に大きい大陸にて、東半分ほどの覇権を握る大陸随一の大国。国民の特徴として、極端に美しい者が多い。基本的に青系統の髪の色のものが生まれ易い。一般的に髪の色が浅い(明るい)ものほど攻撃能力に優れると言われる。が、当然例外はある。髪の色が深いものはどちらかというと防衛に才があるといわれるがまあ人によるであろう。

ヴァーハイド領・・・首都に程近いところにある。主人公安曇の祖父にあたる人物が現在治めている。

中間地・・・国と国の境の空白地のこと。基本的にどの国にも属さないため、その国々独特の恩恵が全く受けられない土地でもある。別名無緩衝地帯。

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